第14話
式典が中止されたあとDQNは病院に運ばれて。幸い怪我は打撲だけだったと、あとから連絡が回ってきた。
しかし、キモオタの口調も珍しく重く。
「上手く……いかなかったでござるなwww」
「ああ」
俺達の脱出は結局失敗に終わった。というよりもあのような空気の中では、決行すらできず。
「……はぁ」
深い溜息。俺は横目でキモオタを見ながら。
「ここを皆で脱出する方法はもうないのか」
「あるには……あるでござるがwww」
意外にも奴には他に策があるようだった。
それは状況を絶望視していた俺にはかなりの朗報で。
「ん? 何か考えがあるなら教えろよ」
「いや……しかしwww」
「……?」
だがどういう訳かキモオタは言葉を渋る。もったいぶっているという感じではなく、むしろその提案を口にするのを避けているような。否、恐れているような。
「……」
だから俺は奴をじっと見つめた。もし知っていることがあるなら何でもいいから教えて欲しい、そんな強い意志を込めて。
すると奴は観念したかのように息を吐き出す。
「後悔……しないでござるか?www」
ちらりと頭の中でいつかの宣言がよぎった。仲間達が笑っていられる世界、それを俺は取り戻す、と。
「ああ」
「……漢の顔でござるなwww ならばもう隠すことは致さんwww タクヤ氏よ、一つ訊くwww この施設に地下があることを知ってござるか?www」
「地下……? いや、ここにそんなものはないと思ってたが」
「まあ知らぬのも無理はないでござるよwww その区画は職員達も、超極秘扱いしておるからwww しかし、確かにこの建物に地下はあるのでござるwww そしてその場所にこそ、脱出の鍵はあり申すwww」
「詳しく……教えてくれ」
「承知www 実は地下にはとある存在が封印されているでござるwww」
「存在?」
「うむwww それは職員達が死に物狂いで何とか封じた魔物www この施設には一度、その存在のせいで崩壊しかけたという苦い過去があるのでござるwww」
「魔物……? それに強制職業斡旋所を崩壊って……。ここは嫌われ者の中の精鋭ですら、脱出できないほどの墓場だぜ? あり得ねえだろ、そんなこと」
懐疑的な俺にキモオタはちっちっち、と舌を鳴らして。
「それがあり得るのでござるよwww その存在を利用すればここからの脱出など造作もないことwww 疑うならその目で確かめてみる以外、方法はござらんwww まあタクヤ氏もあれを見れば、拙者の言葉が嘘でないことを実感するはずwww」
「……それで、地下にはどうやって行くんだ?」
「拙者も以前探したが、ここの内部に地下へと通ずる道はござらんwww なれば、おそらくwww 入口はこの建物の周囲にwww」
「そうか」




