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第20話 『暴食』の魔王降臨

昆虫同士は会話できます。多少言葉が違いますが大本は同じなので。

ただ、基本的な生物として魚←→爬虫類、昆虫←→哺乳類とかは言語が違います。

例外として念話や人語が理解、発声できるものもいます。

幸せな時間は長くは続かない。サザ●さんを見た後の日曜日が直ぐに終わるのと似ている。

妹たちが手がかからなくなったら巣を去ろうと思っていたベルであったが、スセリとの和解が彼女の気持ちを変えた。

スセリは姉がもらった新しい名前を聞くと「美しい鈴の音」まさにお姉に似合いねと褒めたたえた。

その姿はどこか亡くなったメリッサに似ていた。


器用そうで大事なところは不器用な姉は見たとおり不器用な妹に救われて再び安らいだ気持ちで歌を歌えるようになっていた。

今日はスセリの成虫祝いの為にいつもより多めに採集と狩りに行くことにした。

今回はローヤルゼリーや蜂蜜も多めにだ。

スセリも一緒に行くと言っていたが今日のパーティーの主役だ。

更に幼い妹たちをけしかけてベルはなんとかスセリを巣におきとどめることに成功した。


ベルが大量に獲物を狩って巣に帰ってくるとそこには巨大なトンボが巣に面していた。

ベルの本能は警告した。アレはヤバい危険すぎる、と。

しかしベルの巣の後継者として、否、巣に遺されたものたちの姉としてとの精神はそれを凌駕した。


「わたくしの巣に何か御用件がございますか?」


「おお、美しい、そなたは食べるには惜しい。なんならワシの后にしてやってもいいぞ。」

話を聞かない虫である。しかもであって一秒でプロポーズ?其れが許されるのはイケメンに限る。

「耳障りな声を放たないでいただけますか?不愉快です。」


「なんだと?」


「ですから、わたくしの耳を汚さないでいただけますか?とお伝えしているのです。」


「これだから非処女はっ、他のオスとやっていてもいいと折角温情を見せてやったのに、もう知らんぞっ!!」

どうやらこのトンボは巣持ち=婚姻済みと理解していたらしい。それならそれでなおさら性質が悪い。


しかし気になることがある。これだけ巣の前で騒いでいればスセリや他の蜂達の内一匹ぐらいは気付いてもよさそうなものである。

―――――つまり…


「わたくしの家族たちに、何をしてくださいましたの。」

つまり、このトンボが何かしたのでしょうか?或いは既に……いやそれはないでしょう。それならここまで巣の周りが綺麗なはずがございませんわ。

最悪の想像を否定し狼狽を見せることなく視線をトンボからベルは外さなかった。


「教えてやろうか?ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ。このワシがお前の巣に何をしたのかを。『じしん』を起こしてやったのじゃよ。

このワシが、――――超古代より生き延びた『七つの大罪』が『暴食』の王。クロノウラのミダスさまがじゃ。」

クロノウラ(ミダス)

時間に干渉できる超古代の蜻蛉型モンスター。

触れたものを停止させて無抵抗なまま喰らう七つの大罪『暴食』の魔王。

時を停止させられたものはどのような物理現象でも一切傷がつけられない。

唯一歯で触れた部分だけの時間を戻すことによってミダスのみが食べることができる。

といってもミダスが停止させられるものは一度に一つのみである。

又時間を止めるための要素がミダス自体に起因しているためミダスが死亡した場合には再び、

時は動き出す。

その身体は中身同様醜悪で胸部、腹部につながり縦にさけているのがもう一つの『口』である。

中には多くの舌と歯が蠢いている。

脚が無く代わりに腹部に存在する多くの長い歯が脚の代わりをしている。

性格は老獪かつスケベ。才能はなかったが種族としては強かったので何とか生き延びてきた。

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