第二章 8話 「同族たち」
「君と同じだよ―――――――――僕たちも『人狼』だ」
「なっ!?」
ナヤギは思わず驚きの声を上げる。
「だから、君を処刑台送りにしたりする気は一切ないよ……と言っても簡単には信じてくれないか」
「……当たり前だ! 人狼である証明は? お前らの本当の目的なんだ!?」
元黒仮面を睨みつける。
彼の言葉をそのまま信じるほどナヤギは馬鹿ではない。
目の前にいる2人が人狼であるかどうか、自分のことを安心させて事を円滑に進めるための嘘ではないかと、ナヤギは疑う。
「証明か……初心者をPKするよりも安いことだよ。 フレンド登録すればいい、君も知っていることだろ」
「ま……さか、本当に……?」
元黒仮面がメニュー画面を操作する。
――――メッセージが届きました――――
無機質な声がナヤギの脳内に響く。
手錠のついたままの手で空をなぞり、ナヤギは自身のメニュー画面を開いた。
『No Nameさんから、フレンド申請が届いています』
元黒仮面「No Name」からのフレンド申請。
とは言え、人狼であるなら偽のプレイヤー名の可能性が高い。
ナヤギは承認ボタンを押す。
――――No Nameさんがフレンド登録されました。 No Nameさんは人狼です。 No Nameさんに偽のステータス画面を表示しますか?――――
ソウキとフレンド登録した時と全く同じ音声。
本当に元黒仮面はナヤギと同じ人狼だった。
元黒仮面がメニュー画面を操作すると同時に、ナヤギも「いいえ」のボタンを押す。
――――No Nameさんの真のプレイヤー名は「夜佐久」です。 夜佐久さんは、あなたに対して本来のステータス画面を表示しています――――
やはり最初のプレイヤー名は偽名だった。
「これで同族だと分かってもらえたと思う。 自己紹介がまだだったね。 僕は夜佐久、で彼女がリナ、『人狼ギルド』のメンバーだ」
「よろしくね~」
リナがナヤギに向かって笑顔で手を振る。
「人狼ギルド……?」
「ああ、だけどギルドと言っても僕と彼女しかまだいないけどね。 さっきPKギルドと似たようなものって言ったのは、目的か手段かは違えどやっていることは彼らと変わらないからね」
「……つまり手段としてPKを行っているが、目的は別にあるってことか」
「そういうことだね。 目的は単純にこの世界からの脱出、協力して生き延びようってやつだよ。 人狼による人狼のためのギルド、だから『人狼ギルド』ってね」
ナヤギは少し眉を狭める。
「というわけでナヤギ、君も「人狼ギルド」に入る気はないかい」




