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教授
私が大学で教えている男子学生に、最近元気がない。
彼はとても優秀だし、人が善くてみんなから愛されているというのに、何があったのだろうか。
「福士くん。近頃、少々気持ちが落ち込んでいるように見えるが、何かあったのかね?」
気になったので、単刀直入に訊いてみた。
「……はい。先生もおそらくご存じだと思いますけれども、AIが、性能がどんどん良くなって、至るところで使われるようになってきているじゃないですか。それにより、もうよほど優秀な学生以外は新入社員を採らないと明言している会社もありますし、自分たちの世代は果たして満足に働くことができるのだろうかと不安になってしまいまして」
「なるほどな」
それは確かに気が気でないだろう。ただでさえ日本はポスドク問題といって、研究者が安定して働けない状況にあるというのに、さらにAIまでとなったら。
「うむ。気持ちはわからんでもない。しかし私は、気休めではなく、AIはそこまで社会に入り込まないのではないかと考えているんだよ」
「え? 本当ですか?」
「ああ。どうしてかというと——」




