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the under skyy   作者: reyhan
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第1章 ドラゴンの怒り

第1章:玉座の淵の惨劇



エルドリック王国首都 – 黒曜石の塔の頂


夜風が激しく吹き荒れ、バルコニーの端に立つブライアン・ジャヤ・クスマの黒いマントを打ちつけていた。彼の傍らにはラカが直立し、眼下に広がる薄暗い街を鋭い眼差しで見つめている。


「見ろ、ラカ。北部は陥落した。あそこにいる傲慢な貴族どもは今頃、首をはねられないよう、兵士たちのブーツを必死に舐めて慈悲を乞うているだろうよ」ブライアンが重々しい声で言った。


ラカは鼻で笑い、腕を組んだ。「奴らは臆病者だ、ブライアン。防壁が崩れれば、その矜持も共に崩れ去る。今の奴らは、溝の中で骨を奪い合う野良犬よりも卑しい」


ブライアンはわずかに顔を向け、滅多に見せない薄い笑みを浮かべた。「お前は堅苦しすぎるぞ、ラカ。いつも矜持だの犬だのと。この革命が本当に終わったら、北部の貴族の娘と見合いでもさせてやろう。その石のような性格も、口うるさい妻がいれば少しは軟化するかもしれん」


ラカは呆れたように目をそらした。「お節介はやめてくれ、ブライアン。わがままな貴族の女を相手にするくらいなら、重装騎兵の大隊とやり合う方がマシだ」


ブライアンは短く笑った。戦争の最中では珍しい笑い声だった。しかし、その笑いは、鎧をぼろぼろにした一人の若き兵士が駆け込み、激しく体を震わせながら膝をついた瞬間に凍りついた。


「ブライアン様……ラカ副官……ジヴァノ様が……今朝、執務室で殺害されているのが発見されました! その遺体は……無残な姿に……!」


沈黙が流れた。ブライアンの笑みは消え、恐ろしいほどの闇がそれに取って代わった。バリバリ……メキメキ……ドォォォン! ブライアンの怒りのオーラが爆発し、バルコニーの石床が粉々に砕け散った。


「ラカ」ブライアンの声は捕食者の唸り声のようだった。「今すぐそこへ行け。状況を確認しろ。証拠を一つも逃すな。誰が彼に手をかけたのか、突き止めてやる」


「承知した、ブライアン」ラカは短く答え、表情を硬くして黒い影のように飛び去った。


ラカが姿を消した後、ブライアンはその場に崩れ落ちた。彼は膝をつき、指先から血が流れるほど強く砕けた石床を掴んだ。かつて、国が独立したらジヴァノとプリシラを添い遂げさせると誓った古い約束を思い出し、彼は声を殺して泣いた。自分のエゴで戦場に向かったせいでプリシラを先に死なせ、今またジヴァノまでも失ったのだ。




玉座の淵の惨劇




後方セクター拠点 — ジヴァノの遺体の前


ブライアンがジヴァノの執務室に到着した時、部屋にはまだ生臭い血の匂いが充満していた。そこでは、椅子に横たわる無残なジヴァノの遺体の前で、各師団長たちが激しい議論を交わしていた。


「どうしてこんなことが起きたんだ!?」第1師団長のカエルが机を叩きながら怒鳴った。「ジヴァノは我々の頭脳だ! 彼がいなければ、俺たちはただの筋肉の塊に過ぎない!」


第2師団長のヴァルドは冷ややかに腕を組んだ。「これは内部の裏切りに違いない。部外者の暗殺者が、アクセスコードもなしにこの警備を突破できるはずがない」


「俺の師団を疑っているのか、ヴァルド!?」第3師団長のジュナが声を荒らげた。「言葉を慎め。さもなくば俺の剣が貴様の口を塞ぐぞ!」


第4師団長のアーヴェンは部屋の隅で沈黙を守り、同僚たちの反応を測りかねるような目で見つめていた。ラカはその中心に立ち、仲裁を試みていたが、議論は過熱する一方だった。


その時、部屋の巨大な扉が粉々に打ち砕かれた。ドォォォン!


ブライアン・ジャヤ・クスマが足を踏み入れた。彼の放つ黒いオーラがあまりに濃密なため、部屋のオイルランプは陰り、気温が急激に下がった。議論は一瞬で止まった。合図もなしに、全師団長が即座に片膝をつき、ブライアンの前で深く頭を垂れた。


ブライアンはゆっくりと彼らの間を通り抜けた。彼の目はジヴァノの変わり果てた姿に釘付けになっていた。彼の怒りは凍りつき、冷徹な殺意へと変わった。彼は膝をついているラカを振り返った。


「ラカ、第3師団を連れて行け。三日やる。この件の実行犯と黒幕を私の前に引きずり出してこい。残りの師団は拠点に留まり、訓練と警戒を怠るな。私の許可なく持ち場を離れることは許さん」


「三日だな? 了解した、ブライアン。必ず期限内に終わらせる」ラカは力強く答え、立ち上がるとジュナに同行を促した。




玉座の淵の惨劇


三日後 — 地下室


三日が経過した。湿った地下室で、ラカは捕らえた五人のエリート暗殺者の前に立っていた。彼らの体はボロボロで、爪は剥がされ、骨は砕かれ、ラカの拷問によって皮膚は切り刻まれていた。しかし、彼らは口を割らなかった。


「吐け、クズ野郎ども! 誰に雇われた!? 誰がジヴァノの部屋への道を作った!?」ラカは咆哮し、捕虜の一人の向こう脛にハンマーを叩きつけた。


捕虜はラカの顔に血を吐きかけ、掠れた狂気じみた声で笑った。「殺せ、革命の犬め……皮を剥がされようが、我らが口を割ることはない……!」


重い足音が廊下に響いた。ブライアンが独房に入ってきた。彼のオーラによる圧力があまりに凄まじく、五人の捕虜はブライアンが触れてもいないのに一斉に吐血した。


「喋る必要はない」ブライアンは冷たく言った。「お前たちが二週間前に国境で接触したことは分かっている。エルドリック王の秘密印を持つ者から、金貨五千枚と『永遠の近衛隊』の地位を約束された。そうだろう?」


捕虜たちの目は恐怖で見開かれた。自分たちが命をかけて守ろうとした詳細までもブライアンが知っていたからだ。


「残念だが」ブライアンは恐ろしい笑みを浮かべた。「お前たちはただの囮として、死ぬために送られたのだ」


ブライアンが手を振ると、五人の捕虜の首が同時に地面に落ちた。彼は無表情に手の血を拭った。「明日の夜明け。今すぐエルドリック城へ進軍する!」


「待て! 反対だ、ブライアン!」ラカが立ちふさがった。「明朝の総攻撃など自殺行為だ! 兵は疲弊している、新たな戦略が必要だ!」


「ジヴァノの血が復讐を叫んでいるんだ、ラカ! 敵が我々を嘲笑っている間に、私に待てと言うのか!?」ブライアンはラカの肩を強く掴み、その防具がひび割れるほどの力を込めた。


「ジヴァノは革命を勝利に導くために死んだんだ、感情に任せてお前が犬死にするためじゃない、この野郎!」ラカも怒鳴り返した。


ブライアンはラカを壁に叩きつけた。壁は崩壊した。「私の決定は絶対だ。お前が来ようが来まいが、私は明朝出発する」


ラカは瓦礫の中からゆっくりと立ち上がった。「……分かったよ。お前がどうしても明日の朝、地獄へ行きたいって言うなら……俺が最初にお前のためにその門を開けてやる」




決戦:反逆の果て


(中略:激闘の末、瀕死のブライアンがラカの亡骸を抱える場面から)


城の正門が開き、エルドリック王が傲慢に歩み出た。その傍らには、黄金の新しい鎧を纏った裏切り者、アーヴェンがいた。


「ハハハ! 見ろ、ブライアン・ジャヤ・クスマ!」王は高笑いし、死にかけのブライアンを指差した。「最強の怪物が、今や仲間の死骸を抱いて嘆くただの負け犬だ! 我が将軍たちを倒したところで、お前は仲間の屍の上に立っているに過ぎない! お前の負けだ、ブライアン! 全てを失ったのだ!」


アーヴェンは尊大に前に踏み出し、地面に落ちた『Under Sky』の紋章に唾を吐いた。「悪いな、ブライアン。王の提示した条件の方が、お前の自由などという馬鹿げた夢よりも魅力的だったんだ。ジヴァノの居場所を漏らし、プリシラの家に兵を導いたのは俺だ。最強の指導者様がボロボロになる姿を見るのは最高に気分がいいよ」


剣帝ヴァレリウスが複雑な眼差しでブライアンを見つめた。「数年前に言ったはずだ……私の下へ来いと。お前の才能は、こんな革命の溝に捨てるには惜しすぎる。だが、怪物は排除されねばならん」


「黙れ……貴様ら……」ブライアンが囁いた。その声は低かったが、血を凍らせるほどの憎悪が籠もっていた。「友と共に、貴様らを地獄へ送ってやる」


4対1の死闘


ブライアンは残りの命を燃やして突撃した。瀕死の身で四人の皇帝による同時攻撃を迎え撃つ。炎帝イグニスが巨大な火柱で彼を焼き、狩猟帝アルテミスが遠方から光の矢を降らせる。


死の直前、ブライアンは捨て身の策に出た。アルテミスの矢に肩を貫かせながら強引に肉薄し、イグニスの首を掴んだ。咆哮と共にイグニスの炎の槍を奪い取り、それを炎帝の喉笛に突き立てて爆発させた。一人目の皇帝、陥落!


息つく暇も与えず、ブライアンは残る全精力を込めて大剣を投擲し、アルテミスの頭部を粉砕した。二人目の皇帝、死亡!


最強の皇帝二人が無残に討たれたのを見て、エルドリック王とアーヴェンは恐怖に震え、城門の中へと逃げ込んだ。


しかし、ブライアンのスタミナは限界を超えていた。途切れ途切れの呼吸で、残る二人の皇帝の前にふらつく。そこへ、剣帝ヴァレリウスが聖剣ガランティーンを手に閃光の如く踏み込んだ。


ズシャッ!


冷徹な刃がブライアンの心臓を正確に貫き、背中まで突き抜けた。鮮血が噴き出し、ヴァレリウスの黄金の鎧を赤く染める。ブライアンの体は衝撃で跳ねたが、倒れはしなかった。それどころか、彼は胸に刺さった刃を素手で掴み、ヴァレリウスを逃がさぬよう指が骨まで斬れるのも厭わず引き止めた。


ブライアンは膝をついた。垂れていた頭をゆっくりと上げ、門の陰で震える王を、そしてヴァレリウスを血に塗れた凄まじい笑みで見つめた。


「ゴホッ……ハハハハ……」ブライアンは血の塊を吐き出しながら、憎悪に満ちた声を轟かせた。


「聞け、このクソ王……そして王国の犬どもめ!」 ブライアンは最期の息を振り絞って叫んだ。 「たとえ今、私が敗れようとも……貴様らに安眠の時など訪れない。必ずや、もう一人の私が現れるだろう……。地獄から蘇った私の魂が、貴様らの首を撥ね、その忌々しい所業の全てに報いを受けさせてやる!」


彼の紅く燃える瞳は、まるで彼らの運命を呪い殺すかのように鋭く射抜いた。


「待っていろ……私の復讐は、ここでは終わらない!」


ヴァレリウスが強引に剣を引き抜いた。ブライアンはよろめいたが、最期まで膝をついた姿勢を崩さなかった。敵の前で無様に倒れることを拒んだのだ。瞳の光は消えゆくが、その顔には血塗られた復讐の笑みが刻まれたままだった。


ブライアン・ジャヤ・クスマ。Under Skyの最高指導者は、敵味方の屍に囲まれ、二人の皇帝を道連れにして、戦場の中心で息絶えた。


夜明けの風が冷たく吹き抜け、エルドリック王国を永遠に呪縛する死の誓いを運んでいった。

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