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異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


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71話

静かな流れの中でふと、ユイがシエルを見る。


「……シエルさんって」


「いつから一緒だったんですか?」


自然な疑問。シエルが少しだけ考える。

言葉を選ぶように。


「……最初ノ方」


「森」


「森……?」


ユイが首を傾げる。

俺が少しだけ補足する。


「エルフの森だ」


「へぇ……」


想像が追いついていない顔。

シエルがゆっくり続ける。


「……最初、私ダケジャナイ」


「仲間、イタ」


その言葉で、空気が少し変わる。

レイカも黙って聞いている。


「……人間、エルフ、他モ」


「バラバラ」


ユイが小さく聞く。


「どんな人たちだったんですか?」


シエルが少しだけ目を伏せる。


「……強イ人」


「優シイ人」


「変ナ人」


短い言葉。

だが、確かにそこにいた。


相棒が小さく笑う。


「『変なのは多かったの』」


「『まともなやつの方が少ない』」


俺も少しだけ頷く。


「そうだな」


シエルが続ける。


「……最初ハ、多カッタ」


「デモ」


少しだけ間。


「減ッタ」


静かに言う。

ユイが言葉を止める。


「……戦いで、ですか」


シエルが頷く。


「……死ンダ」


「守レナカッタ」


淡々としている。だが、軽くはない。

レイカが静かに聞く。


「他には」


「……抜ケタ人モイル」


「国ニ帰ッタリ」


「別ノ場所ニ行ッタリ」


戦いだけじゃない。

それぞれの理由で離れていった。


相棒が少しだけ遠くを見る。


「『あの頃は、まだ選べたからの』」


「『戦うか、逃げるか』」


俺が続ける。


「どっちも間違いじゃない」


「生きてるならな」


シエルが小さく言う。


「……最後ノ方」


「少ナイ」


「ほとんど残ってない」


ユイが小さく呟く。


「……それでも続けたんですね」


「ああ」


俺が答える。


「やめる理由がなかった」


相棒も続ける。


「『やめたら終わりじゃったからの』」


「『自分たちも、世界も』」


シエルが頷く。


「……ダカラ、戦ッタ」


シンプルな答え。

レイカが小さく息を吐く。


「……重いな」


「そうでもない」


俺は言う。


「その時は、それが普通だった」


ユイが静かに言う。


「……でも」


「今聞くと、やっぱり重いです」


苦笑する。

シエルが少しだけこちらを見る。


「……デモ」


「最後、残ッタ」


「……私タチ」


その言葉には、少しだけ強さがある。

相棒が小さく笑う。


「しぶといからの」


「それは否定しない」


俺も軽く返す。ユイが少しだけ笑う。


「なんか……」


「ちゃんと生き残った人たちって感じしますね」


「そうだな」


シエルがぽつりと言う。


「……ダカラ、今アル」


今ここにいる理由。

それだけで十分だった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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