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異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


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70話

静かな空気の中。

レイカの問いが残る。


「他には何と戦ってた?」


さっきの続き。

ユイも、まだ整理しきれていない顔でこちらを見ている。


俺は短く言う。


「モンスター」


「それと――」


「魔王軍」


はっきりと、ユイが小さく息を飲む。


「……やっぱりいるんですね」


「いたな」


過去形。レイカがそこを拾う。


「いた、か」


「ああ」


「もういない」


それだけで、意味は伝わる。

レイカの目がわずかに細くなる。


「……お前らがやったのか」


核心。少しの沈黙。

相棒が軽く口を開く。


「『最後はな』」


シエルも続く。


「『長かった』」


俺が短く言う。


「時間はかかった」


「何十年も戦った」


ユイが呟く。


「……何十年」


さっきの数百年と繋がる。

レイカが腕を組む。


「規模はどれくらいだ」


「国単位か?」


「それ以上だ」


即答。

レイカが少しだけ笑う。


「……そうか」


納得している。そのまま続ける。


「モンスターはどうだ」


「普通にいた」


「ダンジョンみたいなものか?」


「似てるが違う」


「外にもいる」


「常にか」


「ああ」


日常の中に戦いがある世界。

ユイが小さく言う。


「……大変そうですね」


「慣れる」


俺は短く答える。

相棒が続ける。


「『最初はな』」


「『すぐにそれが普通になる』」


シエルも頷く。


「油断スルト死ヌ」


当たり前のように言う。

ユイが苦笑する。


「それは……ちょっと嫌ですね」


「だから強くなる」


シンプルな話だ。

レイカが少しだけ前に乗り出す。


「魔王軍はどんな連中だ」


「統率されたモンスター」


「人型もいる」


「知能も高い」


「厄介だな」


「ああ」


短いやり取り。

だが、密度は濃い。


「数は」


「多い」


「終わりが見えなかった」


少しだけ間。


「だから長くかかった」


ユイが静かに聞いている。

さっきまでの混乱とは違う。

ちゃんと話として受け止めている。


「……怖くなかったんですか」


小さな質問。

俺は少しだけ考える。


「最初はな」


「途中からは、そうでもない」


「慣れか」


「それもある」


相棒が小さく笑う。


「『怖がってる余裕もなかったがの』」


「『次にどう生きるか、それだけじゃ』」


シエルが静かに言う。


「仲間モ、減ッタ」


少しだけ空気が変わる。

ユイが言葉を失う。レイカも何も言わない。


数秒の沈黙。


俺が軽く言う。


「全部終わった」


「だから戻ってきた」


それだけで締める。

レイカがゆっくりと頷く。


「……理解した」


「お前らがどういう連中か」


完全ではない。だが、十分だ。


「よく生きてるな」


「そうだな」


それ以上の言葉はない。

ユイがぽつりと言う。


「……すごいですね」


素直な感想。

シエルが少しだけ首を振る。


「……普通」


「私タチハ」


「それが普通ダッタ」


ユイが少しだけ笑う。


「じゃあ、私からしたらすごいです」


その言葉で、少し空気が柔らぐ。

レイカが背もたれに寄りかかる。


「……いい話を聞いた」


「そうか」


「だが」


少しだけ笑う。

まだ夜まで長くなりそうだ。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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