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異世界から帰ってきただけだが?  作者: Саша


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46話

相模原ダンジョン。


中層を抜け、さらに下へ。


ここから先は、昨日よりも一段階深い。

空気が少しだけ重くなる。


「『……少し変わったな』」


シエルが周囲を見ながら言う。


「『ああ』」


俺も同意する。


「『敵の質が上がる』」


相棒が刀に手を添える。


「『やりがいが出るの』」


そのまま進む。しばらくして、最初の気配。

オークよりも大きい影。


曲がり角の先。


「『来る』」


シエルが小さく呟く。


次の瞬間。巨体が現れた。


オーガ。筋肉質な体。

手には大きな棍棒。

低く唸る。


「『一体か』」


「『いや』」


シエルが即座に否定する。


「『もう一体、後ろ』」


気配を読む。

視界外だが、確実にいる。

俺は軽く手を上げる。


風で後方を払う。


ドンッ。


もう一体が姿を現す。


「『正解だ』」


「『当然』」


シエルは短く返す。


前後から挟まれる形だが問題ない。


「『前任せる』」


「『任された』」


相棒が前へ。踏み込む。


ザッ。


一瞬で距離を詰める。

オーガが棍棒を振り下ろす。


だが遅い。

横へ流し、懐へ。


ザンッ。


深く斬る。

血が飛ぶだが倒れない。


「『硬いの』」


後ろ。もう一体が迫る。


シエルが弓を引く。


ヒュンッ。


目。正確に射抜く。だが、それでも止まらない。


「『効いてるが、足りない』」


「『補助する』」


俺が手をかざす。

雷を走らせる。


バチッ。


直撃。

オーガの動きが一瞬止まる。


「『今だ』」


シエルが二射目。


喉元。


三射目。


脳天。巨体が崩れる。


同時に前。

相棒が一歩踏み込む。


刀を引く。


「『終わりじゃ』」


ザンッ。一閃。


首が落ちる。

静寂。


「『……こんなものか』」


「『まだ序盤じゃ』」


相棒が言う。

シエルは小さく頷く。


「『そうだな』」


そのまま進む。さらに奥。

通路が広くなる。

そして複数の気配。


「『多いな』」


「『群れか』」


現れたのは――リザードマン。


五体以上。

それぞれ武器を持っている。

統率も取れている。


「『少し面倒じゃの』」


「『だが問題ない』」


シエルが即座に位置を取る。

高所へ。俺は前に出る。


相棒も横へ。同時に動く。

リザードマンが突っ込んでくる。


連携しているだが。


「『遅い』」


相棒が消える。


ザッ。


一体、首が飛ぶ。


シエルが撃つ。

二体、同時に急所を貫く。

俺が風で軌道をずらす。


攻撃が逸れる。

残り二体。同時に来る。

俺は手を上げる。


「『止める』」


空気が締まる。重力を少しだけ変える。

動きが鈍る。


「『今』」


相棒が踏み込む。シエルが撃つ。

同時。


終わる。

数十秒。


それだけだった。


「『連携は落ちてないな』」


シエルが言う。


「『落とす理由がない』」


俺が返す。相棒も頷く。


「『体が覚えておる』」


さらに奥へ。だが、ここで少しだけ空気が変わる。


静かになる。


「『……来る』」


シエルが低く言う。


気配が一つ。だが――重い。

明らかに今までと違う。

奥の影から、それが現れる。


黒い鎧のような外皮。


人型。だが顔はない。

武器は長剣。


ゆっくりとこちらを見る。


「『人型……だが違うな』」


「『上位個体じゃの』」


相棒が言う。シエルが目を細める。


「『強い』」


短く、断言。俺も同意する。


「『ああ』」


だが問題はない。


「『やるか』」


「『当然』」


相棒が笑う。

シエルが弓を引く。

三人、同時に構える。


静かな空間。次の瞬間。

戦いが始まる。

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