59話 束の間の休憩
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「ん・・・」
目が覚める。倒れたメルティと岩陰で眠るリリアがいた。
ってことはそんなに時間は経ってないのか。
【ステータス】
_________
ハルト
MP2000
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2000か、だとしたらそこそこ回復速度速いのかも。
というか代行者同士の戦闘は一瞬だったな。
強いからこそ短い時間で勝負が決まるのか。
「いてて」
指が少し痛むが気にせずメルティの元に向かう。
口を開けさせ腕を剣で斬り血を飲ませる。
「意味あんのかな」
そう思いつつ一応血を飲ませる。
「・・・ハル、君?」
お、目が覚めた。
「大丈夫?」
「うん、これ。ハル君の血?」
頬を紅潮させうっとりとした表情で舌なめずりをする。
「俺の血、だが・・・」
そんな顔で血を舐められても困る。
「さてと、リリアも無事かな」
立ち上がり次はリリアの元に向かい念のため治癒魔術をかける。
「メルティ、とりあえず進もう」
「そうだね。場所もばれちゃったし移動しないと危ないかも」
リリアを抱き上げおんぶする。
「重い・・・」
「ハル君。そういうことは女の子に言わないの」
「す、すいません」
少し睨み気味に言われたので敬語が出てしまった。
「まぁ、取り敢えず移動しよう」
「うん」
そうしてメルティと俺は港町へと向かったのだった。
・・・
数時間後。
日が暮れてきたのでちょうどいい洞窟に入り体を休めることに。
「はぁ、疲れた・・・」
リリアをそっと降ろす。
「お疲れ様。ハル君、リリアの調子はどう?」
「・・・まだ起きないよ」
そう、リリアはメルティが気絶させてから一向に目を覚まさない。
心配だが今はやることがある。
「メルティ、リリアを手刀で気絶させたとき骨は狙ってないよな」
「うん、死なない程度に打っただけだし」
「信じるよ」
「ありがと♡」
「にしても腹減ったな。メルティ、狩りに行ってきてくれないか?俺はリリアのお守をしないと」
「はーい!行ってくるね!あ、でもハル君。【浮気】しないでね?」
ゾクッと背中に何かが走る。
「浮気の定義にもよるが、善処する」
「ならいいの」
メルティは笑顔で狩りに向かった。
「はぁ、考え物だな・・・」
リリアの髪をなでる。
「リリア、起きてくれよ」
反応はない。だが気のせいかもしれないが少し表情が穏やかになった気がする。
「俺が守るから。安心して眠っててくれ」
俺はまだ弱い。メルティの足元にもおよばないだろう。
俺にはないが足りない?力か?速さか?いいや、違うな。
全部足りない。
魔力も、精神力も胆力も何もかも足りない。
握りこぶしを作り地面を殴る。
「クソ・・・」
代行者の襲撃で俺は何もできなかった。
メルティが居なかったらとっくにリリアも俺も死んでただろう。
弱肉強食、それは理解しているつもりだ。
だけど、納得は出来ない。
メルティの件もそうだ。
仮にメルティを怒らせたら俺に止められるか?リリアを守れるか?
答えはNOだ。抵抗する間もなく殺される。
俺じゃなくて、リリアがだ。
そんなことには絶対にさせない。
へこたれるな俺!リリアを守れ!自分の身ぐらい自分で守れ!
心の中で自分を鼓舞し落ち着かせる。
「ふぅ~」
最後に溜息。
「よしっ!」
すっきりした。心の底に沈殿していた憑き物が取れた気分だ。
近くの枝を集め火をつけ焚火を作りメルティの帰りを待つ。
そんなこんなで数十分後。メルティがイノシシのような生物を持ち帰ってくる。
「お、おぉ。大物だな」
「そう?小物だと思うけど」
ドスン、と音を立ててイノシシ(?)を置く。
指を振りイノシシ(?)を一瞬で捌き肉だけにする。
「これでよしっと」
見えなかった。何をしたんだ?
レベルが違う・・・。
肉を受け取り棒に刺す。
火にかけ焼きあがるのを待つ。
やがて肉はいい匂いを周りに広めながら焼けていく。
「食べるか」
「そうだね」
焼きあがった肉を手に取りかぶりつく。
少し臭いが案外うまい。
米が欲しくなる。
そういえば両親は元気にしてるかな。
今頃大騒ぎかもな。
警察沙汰になってるかも。
「はぁ・・・」
ため息が出る。
「どうしたのハル君。元気ないよ?」
「少し考え事をな」
「そっか」
「・・・」
「・・・」
しばらく静かな食事タイムが過ぎる。
「なぁ、メルティ。もし、もし俺が死んだらどうする?」
「・・・殺した奴の四肢を切断して五臓六腑を破裂させるかな。そいつの大事なものも全部壊して最後は私も死ぬ」
案の定だが重い愛だな・・・。愛と言っていいのかは定かではないが。
「そうか、死なないよう気を付ける」
「そうしてね」
メルティを見つめる。
「メルティ、頼みごとがある」
「なに?」
「リリアの事なんだが。これから俺はリリアと距離感が近いこともあると思う。見過ごせとは言わないがリリアに危害を与えないでほしい」
「・・・わかった。とは言いたくない」
俯きかげんに呟くメルティ。
「だよな・・・」
「でも、私と一回でいいからヤってくれたら、許すかも」
今度はメルティに見つめられる。
「それは・・・」
言葉がつまる。すぐに決断できるようなことじゃない。
仮にも相手は処女の少女だ。俺が簡単に奪っていいものじゃない。
初めては相手にも後悔のない形でしてもらいたい。
両方が満足できる結果でするべきだと俺は思う。
「考えさせてくれ」
「ハル君がそういうなら」
そのあとは互いに一言もしゃべらずよる飯を食べ終わる。
「寝ようか」
「私は見張りをしとくね」
「有難いが大丈夫か?嫉妬との戦いの後遺症とか」
「それは大丈夫。代行者は死なない限り自然治癒が勝手に起動するから」
マジすか・・・。俺の魔力制限付きの治癒魔術とは格が違うな。
「じゃあ遠慮なくねさせてもらう」
「うん、おやすみ」
俺は最後にリリアを少し見て地面に寝転がった。
おそらくまた執筆スピードは遅くなると思いますが読者の皆様、完結まで突っ走りたいと思いますのでよろしくお願いします。案外すぐ完結かもしれませんが。




