第6話 3人だけの秘密にしましょう
第6話 3人の秘密
「最近、なんか変なのよね」
メイドのクララは不審に感じていた。
お嬢様と執事のエックハルトさん。
ふたりでひそひそ話していると思っていたら、今度は見習いのノーラも。
3人が妙に仲がいい。
ここはひとつ。
ノーラを絞めて、口を割らせよう。
「ノーラ、ちょっと来てくれる?」
「えっ、何かなぁ?」
「お嬢様たちと私に隠れて何かやっていない?」
「えーー。やってない。やってない」
怪しい。やっぱり怪しい。
「今日はおやつにおいしいケーキを焼こうと思うんだけど、どう思う?」
「ケーキ、大好き」
「でも、隠し事する悪い子にはケーキは無しね」
「えーーー」
やっぱり、隠し事しているんじゃない。
でも、簡単にはしゃべりそうもないわね。
朝10時くらいになると、ノーラがこっそり、庭に行こうとする。
昨日も同じ頃に庭に行っていた。
今日は、ノーラを追跡しちゃうの。
隠し事が何か判明させるためにね。
あれ?ノーラだけじゃなくて、お嬢様も来た。
あ、エックハルトさんも?
3人が集まって手をつないでいる。
何をするのかな。
「うわっ」
あまりにびっくりしたから、声が出てしまった。
手をつないだ3人がいきなり消えたのだ。
消えた所に立ってみても、何もない。
あ、ひとつ気になるのは、変な切り株みたいな置物が置いてあるくらい。
どこへ行ってしまったのか。
不思議すぎるっ。
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「クララには見つかってないわよね」
「うん。こっそり、出てきたから」
「私も大丈夫。倉庫に行くふりして出てきたから」
クララにばれたら、ガチャ仲間にクララも入りたがるはず。
一回にいけるのは3人までだから、ひとりお留守番になってしまう。
「毎日ガチャやりたいから、クララにばれちゃ駄目なの」
「そうそう。ばれないようにするのに限る」
本当のこと言うと、私はクララにばれてもいいと思っているんだ。
だって、私がいないとガチャはできないから。
でも、ふたりに引っ張られて、クララに内緒で行動している。
「そうよ。3人の秘密よ。いいですわね」
いきなり、大人に変身したノーラが言う。
大人に見えるカチューシャしているな。
お気に入りなんだね。
「ノーラ、かっこいい大人になっているよ。だけど、ガチャするときは普段のノーラに戻ってね」
「はーい」
カチューシャを外して、13歳のノーラが応えた。




