第46話 冒険者が見た物
「いくぞ、あともう少しだ」
「ああ」
剣士3人と魔法使いのパーティ。
魔物の森の丘で、ワイルドボアと闘っている。
身体中に剣の傷を受け、立っているのも辛そうだ。
「ボボボ、ボァ~」
ワイルドボアは3mにもなる猪の魔物。
一番の攻撃は、突進。
最後の力をふり絞って一番弱そうな魔法使いに向かって突進する。
「やばい、こっち来た」
「魔法を打て」
「もう魔力が来れた」
魔力の無くなった魔法使いはただの的。
突進されたら、命がない。
「させるかぁ」
突進する経路を読んで、割り込む形で剣士が向かう。
轟音を響かせて突進するワイルドボア。
間一髪で剣士が間に合う。
剣をワイルドボアに向けて構える。
「ボボボボボ、ボァ~」
一度突進を始めたら止まれない。
剣に向かって突き進むのみ。
剣士の剣がワイルドボアを捉えた。
吹き飛ばされないように踏ん張る。
ワイルドボアとの力比べ。
結果は剣士に軍配があがった。
「ふぅ」
倒したワイルドボアを見て、やっと力を抜くことができた。
「やばかったな」
「ああ」
ここに来るまでで、パーティはガタガタだ。
無傷なメンバーはいない。
まだベテランと言うには経験が少なすぎる彼らは、魔物の森の丘には初めての挑戦となる。
「よくまぁ、ここまで来れたものだ」
「だよな」
「もう少しで冒険者として一人前になれるな」
魔物の森の丘は、冒険者をしていれば必ず通る登竜門。
ここを越えてこそ、一人前の冒険者として扱われるのだ。
「よし、丘のてっぺんに向かうぞ」
「そこに何があるのかな?」
「何もありゃしないさ」
「そうそう。あるのは名誉という物だけさ」
そう言って4人は丘を登っていった。
森が切れて丘のてっぺんの広場に出る。
そこで見たものは・・・
「えっ、神社?」
「なんでこんなとこに神社?」
不思議に思って近づいてみると、鳥居があってそこから入る様だ。
「入ってみる?」
「ここまで来たんだから入らないと」
「そうだな」
鳥居から一歩足を踏み出してみると・・・入れない。
「なんだ?透明な壁があるぞ」
「本当だ。どうなっているんだ」
「あ、こんなところにボタンが」
『用事がある方はこのボタンを押してね』と書いてある。
「押すのか?」
「罠ではないか」
「ここまで来たんだから」
「押そう」
ピンポーン。
「こんにちは。ガチャ神社です。参拝の方ですか?」
「参拝・・・あ、そうです」
「では、少々お待ちください」
中からひとりの少女が向かってくる。
高級そうな服を着た少女。
「お入りください」
「はい。あ、入れた」
「本当だ」
「ここは、ガチャ神社。魔物の森の探索、お疲れさまです」




