第43話 魔物の森の丘にいる主は?
「魔物の森の丘、ついたわね」
だんだんと丘が近づいてくる。
話に聞いていたように丘の上の方には木が生えておらず、開けた広場になっている。
「あの真ん中にガチャ神社、いい感じじゃない?」
勝手に想像して笑顔になってくる。
冒険者も恐れる丘の上。
きっとそこは、パワーが満ち溢れているだろう。
そこにガチャ神社があれば、きっと欲しいアイテムが手に入いる。かもしれないわね。
「まずはあそこを占拠しちゃいましょう。と言っても、飛竜君がいるから簡単ね」
丘の上の広場までひとっとび。
今日、お友達になったばっかりの飛竜君だけど、なかなかできる奴だったのね。
「ん?」
勝手にガチャ神社を設置して、その後のことを考えていたら、ちょっと異変に気付いた。
最初は飛竜君が反応しだ。
「ギャオ~スッ」
大きな鳴き声を上げる。
のんびり遊覧飛行と思い込んでいたから、びっくりしてしまった。
ゆったりとリムジンに乗っていたら、いきなりダンプのクラクションを浴びせかけられた気分。
「な、なに?」
「ギォオッ」
丘の上に何かいる。
それも、丘の上のてっぺんに。
なんだろう?
ふわふわした物。
毛皮?
近づいてくると、だんだん分かってくる。
狐?
さっきのストライプフォックスだろうか?
いや違う。
まずサイズが全然違う。
身体のサイズは3mを超えて4mに近い。
しっぽまで入れたら5mになるんじゃないか。
巨大狐だ。
飛竜君に気づいて立ち上がった。
綺麗な銀色の毛を逆立てている。
しっぽが7本もある。
なんだ、こいつ。
「でも、大丈夫。飛竜君の方が強いよね」
いくら大きいといってもしょせんは狐。
ドラゴンの仲間の飛竜君の敵ではないわね。
「ちょっと脅かしてやりなさい」
ぴゅーっと大狐に向かって急降下していく。
「かがぉーーー」
いきなり大狐が咆哮をあげる。
飛竜君はぴくっとしたけど、負けずに近づく。
「ががぉーーー」
もう一度咆哮をあげる。
狐と龍、どっちも負けていない。
「参ったわね。意外と強そう。あれがいたら、丘の真ん中に降りられないじゃない。
ガチャ神社計画が揺らいでしまう。
なんとか、ならないだろうか。
飛竜君だと私を乗せて大狐と戦うのはあまりいい手じゃない。
お互いの力を計算すると、私が振り落とされてしまう可能性がでかい。
「あ、いいこと思いついた」
飛竜君にお願いして、丘の上の広場の一番端っこに降ろしてもらう。
そして、飛竜君だけで大狐を対峙してもらう。
「うん。ここまではいいわね」
飛竜君と大狐はお互いに牽制している。
ある意味、身動きできない状態だ。
その間に私はピンクのリュックから携帯用ガチャ樹を出す。
お供えをして、お祈りをする。
「大狐をなんとかするアイテムをお願いします」
ぴかっ。ころころころ。
《狐使いのブローチ:☆☆☆☆》
「やった!また出たぞ」
龍使いの次は、狐使い。
ペンダントとブローチの違いはあるけど基本は一緒だろう。
狐使いのブローチをして大狐に向かって言葉を飛ばす。
「おすわりっ」
大狐は急に動きが静かになり、座る感じになった。
「次は3回廻ってコン!よ」
大狐はぐるぐるぐると大きく3回廻ってみて、その後私に向かって「コン」と鳴いた。
成功ね。
狐のあなたは私のお友達。
「ちょっと端っこに移動してお座り」
ちゃんと広場の端っこにいってお座りした。
うん、準備はできた。
ガチャ神社を展開してみよう。




