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第37話 ドラゴンキラー公爵

「それでね。森の中に行きたい訳よ」

「へぇ。確かに森の中は魔素が強いのは確かですね」


サロンがオープンした直後に来た3人組のパーティ。

まだ駆け出しだしという剣士二人と魔法使い一人。


まだ森の奥までは行ったことがないという彼らに森の中のは無しを聞いている。


「僕らがいけるのは丘の前ですね」

「丘があるの?魔物の森に?」

「はい。森の奥と手前を分けているのが丘です。その丘の上まで行けると冒険者としてはベテランクラスとして扱われます」

「まだ、そこまでは行けないのね」

「はい。もう少し装備をそろえて経験を積んでからでないと危険が多いので」

「その丘って、上の方も木が多いの?」

「丘の一番高いところは木は生えていませんね。広場みたいになっています」

「いいわね」


魔物が練り歩く森の中にあって。

ぽっかりと空いた広場。

そこの中心にあるガチャ神社。


「絵になるわぁ」

「そんなことまで行きたいんですか?」

「ええ。いくわよ」


3人組はちょっと引いている。

しっかりと経験を積んできている自分たちでさえ危険で近づけない丘。

そこに、このお嬢さんが行きたいという。


「それなら、上級の冒険者を集めないと、ですね」

「そうするわ」


どんなパーティがいいかな。

前衛に剣士を3人で後衛の右に魔法使いと左に僧侶。

そして後衛の真ん中には、お嬢様。


絵になるわぁ~。


そんな妄想をしていたら、ひとりのお客さんが入ってくる。


「おはよう。来たよ、クリスさん」


入口に立っているのは、プレートアーマーを身に着けたおじさん。

おっと、おじさん、じゃなかった。公爵様だ。


クリスの元婚約者の、トウラゴット・ヨハイム公爵。


「公爵様、その恰好は?」

「せっかく魔物の森に来るんだから、それっぽい恰好をした方がいいかなと」

「も、もしかして。ドラゴンキラー公爵様ですか?」

「なに、それ?」

「ああ。昔はそう呼ばれていたこともあったな」


公爵様は、公爵家を立ち上げた人。

それは王国を襲ったドラゴンを退治した軍功に対して与えられた、


「その赤い龍に剣のマークはまさに、ドラゴンキラー公爵です」


3人の初心者冒険者は、あこがれの目で公爵を見ている。

そりゃ、冒険者から貴族になった男はあこがれの対象になるはずだ。


すごい人だったのね。公爵様。


公爵はプレートアーマーのヘルメットを取る。

そこには、もっと驚く姿があった。


「公爵様、髪の毛が・・・」

「ふふふ。クリスさんのお陰でこの通り」


長髪に伸ばした髪を手で整えながら嬉しそうに言う。


「実はな。あれがもうなくなってしまったな。もうひとつもらおうとここに来たんだ」

「あー、あれですね」


「もうひとつ、もらえないだろうか」

「あー、そうですね。ひとつお願いがあるんですが」

「なんだ?」


ここにドラゴンキラー公爵を筆頭となるパーティが出来上がった。

足りないのは、僧侶のひとりだけ。


「いらっしゃいませ。あれ?おひとりですか?僧侶の方ですよね」


通りかがりの僧侶も入れてパーティは完成した。

目指すは魔物の森の丘のてっぺん。


そこにガチャ神社を設置して、「あれ」をゲットするのだ。


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