真っ白な猫とシャンデリア
車掌さんのような人が
『本日は、ロケットへお乗りくださりありがとうございます。この美しい銀河を眺めながら宇宙旅行お楽しみください..』.とカタコトのようなアナウンスする。
その声に目が覚めた私は、あの真っ白な猫を探した。
いつもは私の足元にいるのに今日は、テーブルの上にあるオードブルやレストランで出るような食べ物を覗き込みながら、まるでチェックするかのように一つ一つ匂いを嗅いでいる。
私は、あまりの可愛さに
『どれを食べたいの?」ときいてみた。
背後から近ついた
私に気が付かなかったようで、少し嫌な顔をして、ぷぃッと横を向いた。
『ごめんね…、探索中(笑)』というと、また、しっぽを1回振った。
『あなた…もしかして、しっぽでお返事出きるの?』と聞くと、
まばたきを2回した。よくあるジョークのように。
私は、まばたきには気が付かなかったので、
『面白い猫さんだね』と言いながら、真っ白な猫を撫でた。
真っ白な猫は、大きなあくびをして、私の肩へ手を伸ばした。
『えっ?抱っこしてほしいの?』と聞くと
いきなり肩へ乗って、ジャンプした
その途端、天井にぶら下がったシャンデリアに飛び付き、ゆらゆらと揺らしはじめた。
私は、あまりの動きの早さと、シャンデリアの存在に驚きながら名前を呼ぼうとした…
『あなたの名前知らない...」と思っていると、すごい勢いで揺れるシャンデリアが、いきなり大きな音を立てて落下した。
がシャーン!!!!!!!!!!!!!!!
部屋の中を響き渡るような音に乗客があつまってきた
真っ白な猫は、そのままどこかへ行ってしまい残された私は一人何が起こったかわからないまま立ち尽くしていた。
車掌さんらしき人が慌てて部屋へ駆けつけた
乗客の声とシャンデリアの落下した音に声は書き消され、車掌さんらしき人が何か言っている言葉が聞こえない。
ふと気が付くとまた、真っ白な猫が私の足元にゴロンと横になり、スリスリしながら、ゴロゴロと喉をならしている。
『どこへ行っていたの?心配したじゃない』と声をかけると、そのまま寝息をたてながらすやすやと眠りはじめた。
落下したシャンデリアの方を見ると、もう、跡形もないように片付けられていた。
乗客も車掌さんらしき人もまた何もなかったかのように、話をしたり食事をしたり、笑い声が絶え間なく聞こえ。子どもたちが暴れまわっていた。
車掌さんらしき人が、
『先ほどは皆様申し訳ありませんでした。
シャンデリアの、接続部分が外れかけていたようで、お怪我がなく安心いたしました』とカタコトのようにアナウンスが流れた。
えっ!っとあなたを見るとやはりすやすやと寝息をたてている。
もしかして...わかってたの?もし子どもたちが走り回る時に落ちてしまったら、大きな怪我どころではないことを…。
真っ白な猫は、すやすやと寝息を、少しだけ薄目を開けて周りを見ていた。
撫でられる気持ちよさを喜ぶような仕草をしながら確実に周りの様子を薄目で見ていた。
しばらくすると、昨日と同じように、エレベーターのようなロケットのような物へ大勢の人が乗り込んでいく。私の角度からはいつもはっきりは見えないけれど、たくさんの人が乗り込んでいく。
旦那と思われる人も昨日乗り込んでいた。
あれは、チケットか何かで乗り込むのだろうか。
すると、乗客の中から声がした
『僕も乗りたい!』と。小さな子どもが泣いている。
車掌さんらしき人が、『ごめんな…君は乗れないんだ…まだ…、』とカタコトな言葉で背丈を合わせるように目線をあわせて話している。
真っ白な猫は、すやすやと寝息をたてていたはずなのに、その男の子の方へ走って行った
男の子は、『あっ!猫さんだ(笑)』と言いながら、真っ白な猫に頬ずりしている。
真っ白な猫は、可愛らしい仕草で男の子と遊びだした。
さっきまでぐずっていた男の子は、しばらくすると遊び疲れて寝息をたてながらすやすやと眠りはじめた。
不思議なその真っ白な猫は、少し背伸びをして、大きな口を開けてあくびを一度したかと思ったら私の方へまた、駆け寄りながら、足元へゴロンと横になり、スリスリしながら、私の方をお腹を出して見ている。
思わず可愛い仕草に私は、
『抱っこしても良い?もしよければ…』と話しかけると、私の膝に乗り手を肩へ伸ばしてきた。
えっ?私はゆっくりと抱き上げた。
真っ白な猫は、私の顔を見ながらほほに鼻をツンとつけた。
真っ白な綿を抱いているように軽く柔らかい猫は、ゴロゴロと喉をならしている。
ふと見ると少しの血が真っ白な毛についている。怪我をしているようで、ゆっくりと前足を見ると、少しだけ肉球が傷ついている。
私は、綺麗な布を探した。さっきのシャンデリアにぶら下がった時に傷をしたのだろう。
乗客の中に獣医さんでもいればと思っていると真っ白な猫は、ストンと私から下りて歩き始めた。
その方向にいる初老の男性が真っ白な猫に気が付く。
『おや…、?君は...お手々に怪我をしているね』と優しく抱き上げた。
真っ白な猫は、されるがまま初老の男性に治療をされていた。
治療が終わると優しく抱き上げた。
『さあ、もう、大丈夫。お行き…、』と優しく真っ白な猫に話しかけると、真っ白な猫は、ストンと下りて
振り向いたと思ったら『にゃん』と一声ないた。
初老の男性は、『可愛いな…、』と言いながら
『にゃん』と同じように猫へ言った。
まるで『どういたしまして』と言うように...。
初老の男性のところから私のところへ駆け寄りながら、今度は慣れたように私の膝へ乗り
すやすやと寝息をたてながら眠りはじめた。
私は、次から、次に色々なことが起こることで大切なことを忘れていた。
ごはんをまともに食べていないことを。
もう、2日は食べていないような気分がする。
不思議なことにお腹はあまり空かず、気が付くと私は、トイレに2日行っていない。
お風呂もはいっていない。それは乗客も同じでアナウンスでお風呂やトイレの話は聞いたことはない。
みんなトイレに行きたくないのだろうか。
しかし、私もトイレには行きたくならない。
人間としての生理現象が起こらない…。
それを考えると真っ白な猫もトイレには行っていない…。
もう一度、考えてみる。
これは確か私の夢の中だと思ったけれど、
整理しようにも少しずつ記憶が曖昧になる
はっきりしているのは、何かが起こっていることだけだ… 。
私は、記憶をたどるために、テーブルの上ににうつぶせになった。
(第3話終わり)




