77話 絶対に勝ちます
入れ替わりでお兄様が戻ってくる。
「ミシェル、大丈夫かい?」
お兄様は私よりも心配そうだ。
そうよね、ここら辺で気合を入れておかないと。敵はトラウマの元凶であるあのジュリアナ様なのだから。
「はい、絶対に勝ちます」
「何と戦うの……?」
私の宣言にまったく事情を知らないお兄様は、目が点になっている。見てればわかるので説明はせずに、私は立ち上がった。
「では、行きましょう。お兄様」
「ええ~、ミシェル~!」
不満そうなお兄様の手をとって、待合室から出る。待合室から出てしまえば、お兄様は周りの目も気になるのか情けない声を出すのを止めた。そのまま手を引かれて、城内にあるパーティ会場へ案内してくれる。
大きな扉が近づいて、私の心臓は緊張で早鐘のように鳴っている。
大丈夫かしら。いえ、学校での居心地の悪さを解放するために、私はやるわ。他にもやることがいっぱいあるんだから。
「ノエル・シルヴァレーン様、ミシェル・シルヴァレーン様のお入りです」
名前を読み上げられて扉が開く。煌めくシャンデリア、色とりどりの豪華な料理、綺麗に着飾った貴婦人たち、小説や漫画に出てきそうなパーティ会場そのものだった。
第二王子の生誕祭ということもあって、ご子息、ご令嬢を連れている人が多い。私の父と母は、王様とお妃様の近くで側近として腰を降ろしている。
アウレリア様もフィリップ殿下の元婚約者であり重要な隣国へ嫁ぐ立場だから、フィリップ殿下の隣に腰を降ろしている。フィリップ殿下の服装は王家の金色と青のアクセサリーをつけている。アウレリア様もフィリップ殿下に倣ったような服装だ。アクセサリーだけは黒もつけていたので、誰かから贈られたのだろうと察しがついた。
お兄様に手を引かれて、私は王様とお妃様、フィリップ殿下、ライオネル殿下に挨拶をして下がる。
地位の低い順番に入り、王様たちに挨拶をするのだ。辺境伯の次に呼ばれるのは侯爵たちだ。ジュリアナ様が父親に手を引かれて入場する。
きゅっと手を握りこむ。できるだけのことをしよう。
案の定ジュリアナ様は王様たちに挨拶を済ませると、私の方に一直線に向かってきた。学校では鉢合わせしないように常にライオネル殿下が傍にいたので、ここぞとばかりにやってきたのだろう。
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