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61話 魔王復活までの流れ

「そうなると誰が狙ってくるのかもわからない……」

「犯人を捜しだすにも敵が多くてな。調べられることは調べていたんだが、収穫はない。そんな折、お前が占いを始めたと聞いて、記憶が戻ったのかもしれないと思ったわけだ」

 だけど私は幼い頃の記憶は戻っていなかった。ライオネル殿下と初めて会ったような反応をしたから、様子を見てたわけね。

「大きな目標としては、ライオネル殿下が毒を盛られるのを防ぐこと、アウレリア様が無事に隣国へ嫁いでいただくことの二つでしょうか」

 私の言葉にライオネル殿下は大きく頷く。

「幼い頃の私がこれ以上、毒についてのことを記載していないなら、ここから情報は望めないでしょう。私、この件について試してみてほしいことがあるのですが」

 小さい声でしてほしいことを話したが、ライオネル殿下は私の提案に顔を曇らせる。

「大事になるな……時期はもう少し後のがいいだろう。情勢的にもまだ隣国との不和は報告されていない」

 毒殺されるよりも早く手を打つ必要がある。アウレリア様の噂話が隣国に漏れ聞こえたらタイムリミットだ。

「わかりました。では、引き続きすり合わせを行いましょう――」

 私は幼い頃の私が書いた記載をライオネル殿下に共有した。

 内容は簡単に言うと世界が滅びるまでの一連の流れが記載されていた。

「アウレリア様とフリィップ殿下が恋仲という噂を、隣国ヴァレリアン帝国が聞きつけたことが始まりです。隣国は、不貞疑惑から講和条約の違反としてカイリス国への侵略を再開。戦争が激化していきます」

「二人の恋仲の噂は国内ではだいぶ大きくなってきているな。隣国にも噂が届くのは時間の問題か」

 ライオネル殿下は唸る。現実問題、起こり得ることが容易に想像できる。

「隣国の侵略の原因をどうにかできれば一番いいですけど……」

「戦争が激化したとしても、俺がいれば抑止力になるはずだ。だが、俺は毒を盛られ、右下半身不随により戦場には立てなくなった。代わりに兄上が戦場で指揮を執るが、力及ばずに死んでしまう。兄上の死亡により国の敗戦が決まるわけだ」

 フリィップ殿下は死ぬ間際、勇者の剣をケイティに託したのよね。

「フィリップ殿下亡きあと、大切な人を亡くしたアウレリア様が塔から落ちて自殺をします」

「敗戦しただけは収まらず、講和条約の婚約が破棄となってしまうわけか。隣国との繋がりが完全に無くなっては、どうしようもないな」

 一連の流れでカイリス国が滅ぼされてしまうのだ。しかも、その影響でカイリス国が密かに封印していた魔王が復活してしまう。

「カイリス国壊滅五、封印が解けて魔王が復活します。ライオネル殿下は魔王が復活することを悟ると、魔王封印の道具を末の妹に託し、迷いの森へと逃がします」

「俺自身は動かない足を引き釣りながら最後まで戦ったが、魔王に殺された。と」

「魔王は国も隣国も巻き込んで世界を壊滅させました」

 そういう内容だ。逃がされた妹君の子孫がゲームの主人公である勇者になるのだ。

面白い、楽しい、と感じて頂けたら、

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