表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
牛飼いと守護精と  作者: 久保 公里
第13章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

618/618

第13章-40 修道院

「陛下に領主を命じられてから、領地の経営状態をずっと確認していたのですが、かなりひどいものでした。かなりの額が彼女の浪費に使われておりましてね。兄も止めることができなかったようです。まあ、兄も見栄体裁が強いほうですから、羽振り良く見せたかったのでしょう。ですが、それでは領地は成り立ちません。そのようなわけで、修道院送りとなりました」


「修道院って、どんなところですか」


 修道院送りになったと聞いても、ライモンにはピンとこない。話を聞いていると、本当に世間というか、もの知らずだというのがわかる。


「今回彼女が送られるのは、辺境にある大神の修道院です。清貧を旨として、女性のみで暮らしております。貴族出身のものがほとんどですが、身分の差なく、同じ修道服を着て、同じものを食べ、神に祈り、労働しなければなりません。神に仕える身となるわけですから、今までと同じ生活はできません。おそらく、彼女にとっては死よりも辛い罰かもしれませんね」


「若いころの奥方さまを存じておりますが」


 アイネズの言葉に、ロウゼンがゆっくりと口を開いた。


「嫁いでこられたころから、派手なものがお好きで、高価なものばかりを買い求めておられました。見かねて、私も幾度かお館さまに苦言を呈しましたが、お聞き入れなさいませんでした。奥方さまはご自分の意のままにならないと騒ぎ立て、お館さまにつらく当たられておられましたので、お館さまも奥方さまの思うようにさせておられました故、いつかこのようなことになるのではないかと危惧しておりましが」


 今度はロウゼンが深く息を落とした。


「ですが、私もすでに領主館を辞した身、関係ないと思おうとしましたが、結局このようなことになってしまいましたか」


 領主のもとで騎士たちをまとめていたロウゼンではあったが、本来、主家の内情について物申す立場ではなかった。いや、思っていても口に出せる立場ではない。苦言を呈するならば、家令の立場でもあった侍従頭のヒイラギの役目だろう。


 だが、それでも言わずにはいられなかったのだろう。それがゆえに、煙たがれようと。


 だが、ライモンにはそのような事情は分からなかった。


 それを聞いて、アイネズが苦笑する。


「私も王都でうわさは聞いていたのです。それで書状で何度か兄にやめさせるように申していたのですが、聞き入れてもらえるはずもなく。おかげで私は領地の立て直しに苦労させられそうです」


 今度は情けなさそうに、アイネズが吐息をついた。その肩を落としたようすに、ライモンは思わず苦笑せざるを得なかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ