パーティー
2月14日、バレンタインデーが終わり、平穏な日常が戻ってきた。
「おはようっ、櫻田」
「あぁ、おはよう。東間」
いつも通り挨拶を交わす二人。
しかし、その後はシーンと静まり返る。
「…あっ、あのさ」
通学途中で東間が櫻田に話しかける。
櫻田は「なんだ?」と聞く。
「皆でさ、パーティーでも…しない?」
「はっ…?」
櫻田は思わず足を止めて驚く。
『いったい何を言い出すのかと思えば、パーティーだなんて』というような顔をしていた櫻田に
東間は次のように説明する。
「いやぁ~バレンタインデーがダメになったじゃん?だからさ、パーティーしようよ。稲井君も
呼んでさっ」
「あぁ~…なるほど。それ、いいかもな」
東間が考えたにしては悪くない話だった。
このまま何もせずに終わってしまうのはどうかと思っていた櫻田は、東間の提案に賛成する。
「だろっ?テスト終わった後なら宮間君も怒らないだろうしさ」
「そうだな。それがいい」
『正しい判断である』と櫻田も認める。しかし…。
「よし。じゃあ櫻田、宮間君達に言うの任せたからっ」
東間は櫻田の両肩を強く叩いてそう言った。しかも満面な笑顔で…。
それを聞いた櫻田は「はぁっ!??」と思わず朝から大声を上げてしまう。
「道久君には私が話しておくから。そんじゃあ、よろしくねぇ~!」
「あっ、待てこらっ!逃げんな、東間ぁーーー!!!!!!!!!!!」
自分が提案しておいて楽な方を取り、人に面倒な方を押し付けて素早く逃げる東間を櫻田は必死で
追いかける。だが結局、櫻田が木崎・宮間にパーティーの話をすることになり、仕方なく彼らに会い
に行くことになった。
少人数教室前で櫻田は木崎と宮間にパーティーのことを話した。
「テストが終わったら皆でパーティーしませんか?道久君と稲井君、東間も一緒に」
「パーティーねぇ~…どうする、結斗?」
「…」
二人共、あまり乗り気でない雰囲気。
櫻田は『どっ、どうしよう…怖い』と思いながらも宮間の言葉を待つ。
「…良いんじゃないか?期末終わりなら」
「ほっ、本当ですか!?」
「ただし、櫻田と東間の期末考査の点数が悪かったら…パーティーは無しだ」
「えっ…!?」
「当たり前だろ?お前達が計画したことなんだから」
「いや僕じゃなくて東間が…「お前達二人は仲良いだろ?それなら一緒だ」
「…」
『そんなのめちゃくちゃだぁー!!?????????』
仲が良いから道連れだと言われているようなものだ。
櫻田じゃなくても、そう言われれば誰しも頭にくるだろう。
「それが嫌ならこの話はお断りだ」
「…いいですよ」
「ん?」
「やってやりますよっ!その条件でやりますっ!その代わり、僕達が勝ったらどんなパーティー
だろうと文句言わないでくださいね?」
「あぁ。良いだろう」
「約束ですよ。じゃあ、僕はこれで失礼します!」
櫻田は二人にそう言うと、自分の教室へと戻ってしまった。
「いいのか?あれで」
櫻田が去った後、木崎が宮間にそう尋ねる。
だが宮間は何も答えない。
「さっきのお前、すげぇ感じ悪かったぞ?あいつはともかく東間が悪かったら…「問題はない」
黙っていた宮間が突然口を開き、木崎は少しびくっとする。
「俺が教えたんだ。あいつらは必ずやれる」
「…あっそ」
自分の教えに自信を持っている宮間に木崎は呆れていた。
けれど、木崎は宮間がなんだか楽しそうにしているのを見て『まぁ、いっか』とそれ以上口出し
するのをやめたのであった。




