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異世界で自由に生きたい  作者: 鯖の味噌煮
1章
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ランクアップとパーティー結成


「漆黒の勇者一行から話を聞いた。そこの彼女が言っていた内容と同じだった」



「彼等は素直に話したんですか?」



 ダリアが疑問に思ったことを、ギルドマスターに質問する。



 その事については僕も思っていた。

 そんな素直に自分の非を認めるような人たちには見えなかったし。



 昨日みたいに最後まで足掻こうとするのかと思った。




「ちょっと脅したら全部吐いたってわけよ」



「なるほど」



 まぁ、強面だもんねこの人。

 ビビって洗いざらい話したんだろう。



「それで、もう一回確認するんだが。漆黒の勇者一行の奴等は自分たちが逃げる為に、後ろから君を攻撃して囮にしたという事で良かったかな?」



「はい、その通りです」



 ギルドマスターがもう一度尋ねて、ダリアがそれを肯定する。



「そうか、話してくれてありがとう。君が無事で居てくれて良かったよ」



「それで彼等はどうなるのでしょうか?」



 ダリアが漆黒の勇者一行の処遇について質問する。

 確かにそれは気になるよね。



「あぁ、彼等の行為はギルド側からの信用を失うような行為だ。ギルドは個人の争いには基本的に関与しないが、こんな事をする冒険者を使いたいとは思わないからな。ましてや、今回はギルドからの指名依頼だ。ギルドの顔に泥を塗るような行為は許せるものじゃない」



 まぁ、そんな冒険者は信用出来ないよね。



「とはいえ、ギルドにやれる事はギルド資格を停止することぐらいだ」



 ギルド資格の停止か。冒険者として今まで活動していた彼等には重い罪と言えば罪だけど……



 何か、次に見たときは犯罪者になってそうだな。

 普通にやれる仕事が無くなって薄暗いことに手を出してそうだ。



「いえ、それで十分です」



 ダリアも納得した様子だ。



「そうか、ありがとう。では次の話だ」



 次?

 何かあったけ?



「ワイバーンを倒した君についてだ」



「僕?」



「あぁ、ワイバーンをソロで倒した実力者だ。それがFランクという訳にはいかないだろう」



 お、この流れはもしかしてランクアップしたりするのでは。



「おめでとう、今日から君はCランク冒険者だ!」



「おめでとうございますレン様!」



 ダリアが自分の事のように嬉しそうな表情で祝ってくれる。



「うん、ありがとうダリア」



 異世界に来て3日、ついにFランク冒険者から卒業か。



「本当なら最低でもBランクぐらいにはしたいんだがな。さすがにFランクから直ぐにBランクという訳にはいかないんだ」



「いえ、ありがとうございます」



「後はワイバーンの討伐報酬だが、白金貨1枚と大金貨2枚だ」



 おー、日本円で言ったら120万円だ!



「後は、ダリア君にも今回の依頼金として大金貨6枚だ。迷惑をかけたお詫びとして、金額に色も付けといた」



「ありがとうございます」



 お金を貰った僕たちはギルドマスターに礼をしてから部屋を退室した。







・・・

 






 ギルドマスターとの話を終えた僕はダリアに少し待ってもらい、ゴブリン討伐の依頼を受付へ報告しに行った。



 ワイバーンとの戦闘や一連の騒ぎで忘れていたけど、元はゴブリンを倒すために平原に行ったわけだからね。



 貰ったお金は銀貨10枚で、当たり前だけどワイバーンと比べたら対比が凄い事になっている。



「良かったら、このあとご飯でも食べに行かない?」



 用事を済ませた僕はダリアを食事に誘う。



「はい! 喜んで!」



 そうすると、彼女は二つ返事で了承してくれた。



 ねぇ?

 これ僕に気があるんじゃない?



 と勘違いしちゃいそうになる。

 だって、ご飯に誘ったら笑顔で喜んでくれるんだよ。



 しかも、僕に誘われて嬉しそうだったし。



 自分から誘っておいてアレだが、昼食は彼女がおすすめしてくれたイタリアンっぽいレストランで取ることにした。



「うん、美味しい!」



「お口に合うようで良かったです」



 僕はカルボナーラを頼んだ。濃厚な味付けと大きめに切ったベーコンがマッチしていて美味しい。



 ダリアは上品に野菜がメインのスパゲッティを食べている。

 見た目がカラフルで見栄えが良くオシャレに感じる。



「ダリアは良くこのお店に来るの?」



「はい、週に何回か来ます」



 ダリアはこの店の常連のようだ。



「じゃあ、この街も長かったりするの?」



「いえ、2週間ほどです。レン様の事はあまり見た記憶がないのですが、この街にはいつからいらっしゃるのですか?」



 この街どころか異世界に来て、まだ1週間も経って無いからね。



「2日ぐらい前だよ」



「こちら、ご注文のチーズケーキとチョコレートケーキになります」



 話している途中でデザートがやってきた。僕はチーズケーキで彼女はチョコレートケーキを頼んでいた。



 どちらのケーキも見た目が良く食欲を誘う。



「うーん! 美味しい!」



 ダリアも美味しいそうにケーキを食べている。スイーツが好きなのか、満足そうにチョコレートケーキを食べている姿は年相応で可愛らしい。



 僕が食べたチーズケーキも濃厚で程よく酸味も感じる事が出来て美味しい。

 生地もサクサクしていて食べやすく、全体的に満足できる一品だった。



 お互いにケーキを食べ終えたところで、そろそろ本題に入る事にする。



「ダリア」



 改めて彼女の名前を呼ぶ。



「はい」



「僕は冒険者をやりながら色々な場所を見て回ろうと思ってるんだ。もし君さえ良ければ、一緒にパーティーを組んでくれないかな?」



 ダリアをパーティーに勧誘する。

 僕はこうやって人を誘った経験が無いからかなり緊張した。



「私で良いんですか?」



「ダリアが良いんだ!」



 彼女が自信無さげな様子で聞いてくるから僕は力強く肯定する。



「私は訳ありですよ」



 僕がパーティーを一緒に組みたいと思ったんだからそんな事は気にしない。



「僕にだって色々あるよ。君に話していないこと」



 もしかしたら、僕はダリア以上の訳ありかも知れないしね。

 何たって異世界から来てる訳だしね。




 彼女は少し悩んだそぶりを見せる。



「本当は私からお願いしたいくらいでした。でも、レン様の足を引っ張ってしまうかなと」


 

 そんなことは無いし、戦闘面で考えても彼女のスキルは有用だ。

 


 それに、ダリアも僕と一緒にいたいと思ってくれていたなら嬉しい。



「そんな事ないよ。大丈夫、何か合ってもダリアは僕が守るから!」



 何か勢いで小っ恥ずかしい事を言ってしまった気がする。


「ありがとうございますレン様。 改めてこれからよろしくお願いします」



 彼女は僕の「守る」発言に少し照れていたが、僕とパーティーを組んでくれる事になった。



「うん、よろしくね!」



 こうして、僕の旅路にダリアという新しい仲間が加わった。





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