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異世界で自由に生きたい  作者: 鯖の味噌煮
4章
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出発と新たなる出会い



「景色がいいですね」



 ダリアが窓の外を見ながら言う。



 僕たちは馬車に乗って次の街に行くために移動しているんだけど、確かに綺麗な花がたくさん咲いていて心が和む。



「この辺りは景色がいいと有名なの」



 今喋った彼女の名前はエリス。この馬車に乗る唯一の護衛だ。

 客も僕たち以外にはおらず、リラックス出来て良い感じだ。



「そうなんですね」



 ドラゴンを倒した翌日に冒険者ギルドへ向かうとギルドマスターに呼び出された。

 そこでドラゴンやゴブリンキングを僕が倒した事を知っていたギルドマスターからランクの昇格と報酬を貰った。



 ドラゴンの素材も売ればもっとお金が手に入っていたかも知れないけど、せっかくの貴重な素材だから持っておく事にした。



 そしてCランク冒険者からAランクの冒険者になることが出来た。



 その後、僕は一ヶ所にとどまる気はないので次の街を目指す事にした。



 そして今は移動中の馬車の中にいる。



「止まれ!!」



 野太くて大きな声が聞こえてきた次の瞬間に馬車が急停止する。



「全員外に出てこい!」



 前方には小汚い感じの男たちが20人ほど集まっている。

 先頭に立っている男の見た目は40代ぐらいに見えるが、髭を剃ったらもっと若いかも知れない。



「どうするの?」



 とりあえず、どうするのか聞いてみる。



「全員で素直に外に出ましょう」



 御者の男が怯えたように言う。



「めんどくさいから嫌だ」



 当然あんな連中の言う事に従う気が無い僕は断る。



「私が相手をしよう」



 護衛のエリスが自分が盗賊の相手をすると宣言する。



「だ、大丈夫でしょうか? 相手は人数も多いですし勝てるんでしょうか?」



 そんなエリスに御者が疑問をぶつける。



「確かに私はまだCランク冒険者だが、腕っ節には自信があるから安心してほしい」



「そうは言っても、彼らに逆らって負けでもしたらもっと悲惨な事になるのでは無いでしょうか!?」



 少し強めに御者の男が言う。

 やたらと降伏する事を勧めてくるなコイツ。



「あなたたちもそう思いませんか」



 そして僕たちに同意を求めてきた。



「どう考えても戦った方がいいでしょ。どうせ降伏したってろくな事にならないんだから」



 僕たちが自分の意見に同意すると思っていたのか驚いたような表情を御者の男。



「その通りだ。では私は行ってくる」



 そう言ってエリスは1人で飛び出して行く。



「彼女が負けたら私たちがどんな目に会うのか分かりませんよ! 大人しく要求を聞いていた方が生き残れるかも知れないのに!」



 何故かキレ始める御者の男。



 降伏したってダリアやエリスといった美少女に可愛いリンがいるんだから荷物を渡して解決という事にはならないだろう。



 まぁ、この男だけなら無事に済む可能性も少しだけあるのかも知れないが。



 しかし、男の懸念とは裏腹に盗賊たちはエリスによって人数を減らされて行く。



「止まれ!!」



 大きな声が響きダリアの目の前に刃物が突きつけられる。



 犯人は御者の男で、どうやら盗賊の仲間だったようだ。



「この女がどうなってもいいのか! 武器を下ろせ!!」



 そう言われても武器を下ろさないエリス。まぁ、武器が無くてもコイツらぐらいだったら簡単に倒せるだろうけど。



「聞こえないのか!! 武器を下ろせって言っているだろ!!」



 エリスに無視されて怒鳴る御者の男。



「やめた方がいいわよ」



 冷静に返答するエリス。



「本当に殺すからな!!」



 そう言って叫んでダリアの方を向いた瞬間に何かが男の頭を貫く。

 この攻撃は僕が放った氷魔法のアイスランスだ。



 まぁ、この程度の相手はダリアでも殺せただろうけど。



「だから言ったのに」



 いざという時の秘密兵器だっただろう御者の男が死んだあと、エリスが残りの賊をスムーズに片付けていった。



「終わったわ」



 生きている賊を縄でしっかりと縛り終えたエリスが僕たちに報告する。



「お疲れ様、何か賊と話してたの?」



 彼女は賊と何やら会話をしている様子だった。



「この賊の規模やリーダーについて聞いていたんだ」



 情報収集してたのか。



「なるほど。確かにまた僕たちを襲って来るかも知れないしね」



「あぁ、私はこれから賊の討伐に向かおうと思うのだが、君たちはどうする?」



 エリスは盗賊団を討伐しようと思っているらしい。


「別にこっちから攻める必要は無いのでは? 向こうから来たら退治すればいい」



 わざわざ面倒な事を自分からやらなくても。



「それだと私たちは良くても他の犠牲者が出るかも知れないだろう」



 エリスは当たり前のように言い放った。



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