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異世界で自由に生きたい  作者: 鯖の味噌煮
3章
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その後とご褒美



「おー!!」



 目の前には僕の記憶を元にイメージした高校の制服に似た服を来ているダリアの姿。



 普段着ない服を着たダリアの可愛さもそうだし、深夜にこんな制服姿の美少女とホテルにいると言う興奮で、色々な気持ちが溢れてつい声を出してしまった。



 そんな僕の様子を見ていた彼女はもじもじと手を体の前に持ってきて、少し頬を赤らめて恥ずかしそうにしている。





 いや、お前は何をしているのか?







 と言われれば、ドラゴンと戦う前にダリアが約束してくれたご褒美を貰っている最中だ。



 ドラゴンを倒してゴミ掃除をしたあと、ダリアとリンがいる場所に転移で移動した。

 ダリアからは「無事で良かった」とホッとしたような表情で言われた。



 心配をかけてしまったみたいで申し訳ない。



 逆にリンからはドラゴンを倒した事でキラキラとした瞳で見られていた。

 興奮しているのか尻尾を高速で揺らしている様子は小動物感があって可愛かった。



 疲れているのもあるし、この達成感をまだまだ味わっていたかったので、冒険者ギルドへの報告は後回しにして街に帰ることにした。



 というか、この戦いの後にそんな面倒臭いことやってられないと言うのが本音なところだ。



 一応、他の冒険者の様子が気になったので上空から様子を見たが大丈夫そうだった。



 ゴブリンキングやゴブリンシャーマンなんかの取り巻きに加えてドラゴンも僕が倒したと言う事もあってか、大物と戦う必要が無かった冒険者たちはゴブリンやホブゴブリンの数を減らすことに成功していた。



 この様子なら問題なく殲滅戦も遂行できるだろう。



 戦いが終わって大勢の冒険者が戻ってくる前に、ドラゴン討伐のお祝いも兼ねて皆んなで祝勝会を開いた。



 大量の料理をお腹の中に入れたリンはホテルについて直ぐベッドの上に移動して、そのままスヤスヤと寝てしまった。

 今日は1日中動いていたし、ドラゴンとの戦闘を間近で見て興奮していたのも理由の1つだろう。



 ゴブリンキングと戦えなかったストレスもあっただろけどドラゴンを見たことで、それも全て吹き飛ばしてくれたみたいだ。

 そこに関しては、あのグリーンドラゴンに感謝してもいい。



 正直なところ、リンをどうやって早く寝かす考えていた僕には都合が良かった。



 そのあと、あらかじめ予約を取っていた少しお高い別のホテルにダリアと移動した。

 無いとは思うけど、万が一リンが途中で眠りから目覚めても問題ないように、ちゃんとダリアと2人で出かけて来るという内容の置き手紙も机の上に置いてきた。





 そして、現在に至るというわけだ。



「今日は色々ありましたね」



 制服姿のダリアが僕が腰をかけるベッドの横にいやってくる。

 普段と違う服装だからか、いつも以上にドキドキするし変な気分になってくる。



「今日は楽しかったですか?」



 彼女が問いかけてくる。



「正直に言えば、疲れたけどそれ以上に楽しかった」



 ダリアからの問いに素直に答える。



「そうですか、私は不安でしたけど」



「ごめん」



「冗談です。いえ、それは嘘になってしまいますね」



「冗談では無く本当に心配だったんですよ。」



 続けてダリアは心配してましたと言う表情で僕に告げる。

 好きな子にそんな表情をされると、余計に申し訳なくなってくる。



「うん、ごめんね」



 謝ることしか出来ないというか、他にダリアにかける言葉が頭の中から上手く出てこない。



「ましてや相手はドラゴンですし。遠くから見てるだけでも凄い迫力を感じましたよ」



 遠くからでも己の存在を他者に強烈に認識させられる事が出来るというのは、さすがはドラゴンと言った感じか。



「それは僕も感じたよ」



「途中で逃げようとは思わなかったんですか?」



「でもダメージは受けたけど重症を負うことは無かったし、防御面で不安を感じなかったから特にそういう気持ちになる事は無かったかな」



 ドラゴンと戦っていて感じたのは、勝てなくても負ける事はないだろうと言うことだった。



「凄いですね」



「そんな事ないよ。ダリアのスキルが無ければ僕にドラゴンと戦う力は無かった」

 


 ドラゴンと戦っている時も思ったけど、本当にダリアには助けられている。

 今回の事だけじゃ無くて日常生活でも。



 そもそも、ダリアが隣に居てくれるだけでも僕は嬉しいし。

 


「私の力が少しでも役に立っているのなら嬉しいです」



 少し嬉しそうな表情でダリアが言う。

 


「戦闘では私が役に立つ事は少ないので」



 今度はさっきの嬉しそうな表情から一転して、自嘲するように言葉を吐き出す。



 ダリアの戦闘力は僕だけじゃ無くて、リンよりも低い。

 彼女に表立って戦ってもらうようなシーンは今まで無かったし、逆に僕の結界に守られるような事の方が大きかった。



 だから自分は役に立っていないと言う不安や、やるせなさなんかを感じているのかも知れない。



「ダリアがその事を気にするのなら今から強くなれば良いよ。僕もできる限り手助けをするから一緒に強くなって行こうよ」



「レン様」



「それと、僕も今回みたいな事はなるべく控えるようにするよ」


 

「いえ、レン様は好きにやって下さい。私は自分がレン様の足枷になるのは嫌ですし」



「別に足枷だなんてそんな事は思わないよ」



「それに見ていて不安になる時もありますけど、私はレン様が自由に振る舞っている姿が1番好きですから」



 彼女が花が咲くような笑顔で嬉しい事を言ってくれる。



「ダリア」



 僕は隣に居たダリアをそっとベッドに押し倒す。

 薄暗い部屋の中で自然とお互いの唇が近づいていく。そのあとも角度を変えながら何回も柔らかいキスを繰り返す。



 そして、行為は徐々にエスカレートしていき、夜が過ぎ去っていった。



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