ドラゴンとご褒美
「レン様! 上空に何か大きなモンスターがいます!」
何かの叫び声が聞こえるのと同時にダリアからの報告が入る。
とりあえず飛んでいるモンスターのステータスを覗いてみる。
[ 名前 ] グリーンドラゴン
[ レベル ] 185
[ 体力 ] 12000
[ 魔力 ] 18000
[ 攻撃 ] 10500
[ 防御 ] 9860
[ 魔攻 ] 11150
[ 魔防 ] 9400
[ 素早さ ] 13500
[ スキル ] 超再生
何となくそんな気はしてたけど、やっぱりドラゴンだったんだ。
さすがはドラゴンというだけあってレベルの割にステータスが異常に高い。
というか高すぎない?
異世界人よりも成長の早い僕よりも遥かにドラゴンの方がレベルに対してステータスが高い。
しかも、超再生とかいう厄介なスキルも持ってるし。
ファンタジー系の小説でドラゴンと言えば最強種の一角に数えられる事が多いだけあってやっぱり強いね。
でもダリアにかけて貰ったバフスキルの効果時間が残ってて本当に良かった。
使用時間が1時間で再度かけるまで1日必要だから、早いタイミングでドラゴンが来てくれて良かった。
これが無ければグリーンドラゴンには手も足も出なかったし、とっと転移で逃げていたと思う。
とにかく今考えるのはバフがかかっているという事を考慮しながらも、ドラゴンと戦うのかどうかの選択だ。
「レン様、もしかしてドラゴンですか?」
「うん、しかも鑑定して見たけど無茶苦茶強いと思う」
「ドラゴン……初めて見る」
とりあえず、僕が戦うのかどうかは置いておいてもこの2人は明らかにステータスが違うから帰したい。
「ここは引きましょうレン様」
ダリアは僕に撤退する事を提案してきた。
「ごめんねダリア、僕は戦いたいかな。でも安心して。危険だと感じたらすぐに転移魔法で逃げるから」
ゴブリンキングも異世界に来てから戦った中でトップクラスにステータスが高かったけど、グリーンドラゴンはそれとは比にならないぐらい強い。
正直に言うと今までの敵はステータス的にも勝てるだろうと思っていた。
けど、今回の敵は確実に勝てるという自信はまったく無い。
それでもドラゴンと戦いたいという気持ちがあるのはこれだけ強い相手と戦える機会は少ないと思うからだ。
今後のためにも自分と同じくらいのステータスを持つドラゴンとの戦いを経験しておきたい。
「分かりました。私とリンはどうしますか? このまま街に向かって逃げた方が良いですか?」
「いや、2人は離れた場所に隠れてて。結界も張っておくから」
「分かりました」
「リン……戦いたい」
そっかー、リンはドラゴンと戦いたのか。
ゴブリンキングとの戦いにも参加出来なかったから鬱憤が溜まってるのかも知れない。
でも、下手したら一撃で殺されるような相手と戦わす事は流石に出来ない。
ゴブリンキングと1対1で戦うぐらいだったら問題ないけど、なんて言っても相手はリンよりもステータスが何倍もあるドラゴンだからな。
「ちょっと、リンとはステータスが違いすぎるから今回は引いてくれないかな。あのドラゴンの攻撃は1発でも当たると死んじゃうかも知れないぐらい強いんだ」
「分かった……レンは大丈夫?」
さっきの理由で納得してくれて良かった。
でも、逆に心配させちゃったかな。
「大丈夫だよ、僕は強いから」
「うん……分かった」
「それに勝てそうに無かったら直ぐに逃げるから」
「そのセリフは……カッコ悪い」
確かにさっきのセリフの後での逃げる宣言はカッコ悪いな。
でも、命あっての物種だからね。
生存する事は最優先事項だ。
「レン様、ご武運を」
「ありがとう、必ずドラゴンを倒して帰って来るから!」
あれ、少し死亡フラグみたいなセリフになった?
まぁ、なんでもいいか。
そんな事を考えているとダリアが近づいてきて、
「今夜はドラゴン討伐記念にレン様が買ってきてくれた服を着て待ってますね」
僕の耳元でそう言って囁いた。
そう、実はあの変態店長が勤める店でオーダーメイドした服が1着届いているのだ。
どうしよう、想像したらドラゴンとかどうでもいいから早く帰りたくなって来た。
まさか、これがダリアの僕とドラゴンを戦わせないための作戦なのか!
というか、それだけじゃ無くて耳元で囁かれるのもゾクゾクして気持ちよかったです!
地球にいた頃はYouTubeでasmrの配信を見てたのが懐かしい。
僕は耳元で結構耳元で囁かれるのが好きだったから。
いや、今はそんなことよりもドラゴンとの戦いに集中しなきゃ。
そして、とっととドラゴンを倒してダリアとの夜を楽しもう!




