再会と酔っ払い
僕たちはビュッフェで食べ過ぎて動けなくなったリンを休憩させる為に部屋へ戻った。
本当は少し休憩したら冒険者ギルドへ向かう予定だったけど、リンはしばらく動けなさそうだし一度寝かせた方が良いかも知れない。
まぁ、あれだけ食べればお腹いっぱいになるのもしょうがない。
基本的に肉とか米やパスタなんかのお腹に溜まりそうなものしか食べてなかったし。
「予定ずれる……ごめん」
「別に大丈夫だよ。急いでる訳でも無いし」
食べ過ぎて予定が遅れたことを気にしてたのか。
それから2時間ほど寝てリンが復活した。
「リン動ける……もう大丈夫!」
起き上がった彼女はそう言ってその場でジャンプをしていた。
どうやらかなり気合いが入っているようだ。
「そう言えばリンも冒険者なんだよね?」
冒険者ギルドへ向かっている途中で彼女に聞いてみた。
旅をしていたと言うし、戦闘力のあるリンなら冒険者としてお金を稼ぐ選択肢を取るのかなって勝手に思っていた。
まぁ、別に冒険者じゃなくても特に問題は無いんだけど。
違ったら違ったでギルドに着いたらリンを冒険者登録するだけだし。
「リン……冒険者」
「やっぱりそうなんだ。ちなみに冒険者ランクはどれぐらいなの?」
彼女のステータスは高いし僕たちよりもランクは高いかも知れない。
「Bランク……だよ!」
リンはドヤ顔でそう言った。
僕とダリアは2人ともCランクだからこの中で1番ランクが高いのはリンという事になる。
「え!?」
そういえばダリアにリンのステータスを教えてなかった。
自分よりも小さいリンのランクが高くてビックリしている。
そんな中でダリアに衝撃を与えているリンは褒めて欲しそうにこちらを見ている。
「Bランクか、凄いじゃん! 僕もダリアもCランクだからこの中じゃ一番上だね!」
そう言いながら頭を撫でると嬉しそうに尻尾を揺らしていた。
「えっへん……リンが皆んなを守る」
実際、僕に何かアクシデントが起きてダリアを守れない時はリンに期待している部分はある。
Bランク冒険者というだけあって彼女のステータスはかなり高い。
まぁ、そうならないように僕がなんとか出来れば良いんだけど。
いくら強いと言っても幼女に頼るのはなるべく避けたいし。
「でも……レンの方が強い気がする」
実際に戦って見ないと分からないけど、ステータスを見る限り勝てるとは思う。
「レン様は強いですからね!」
と、ダリアが誇らしげに言っている。
好きな子にそう言ってもらえるのは素直に嬉しいし、その評価に見合うだけの強さを早く手に入れたい。
とりあえず大国を一人で完封できるぐらいの力を目指している。
そうすれば大抵の事は何とかなる気がする。
大国がどのぐらい強いのか分からないし、現状ではまだ足りないだろうけど。
その為にもまずはレベルを上げて強くならないと。
「リンも……今より強くなる!」
「じゃあ、皆んなで強くなろう」
「はい、私も強くなりたいです。足手まといはごめんですから!」
「リンも……2人に負けない!」
ダリアもリンも気合いは十分だ。
僕も2人に負けないように頑張ろう。
・・・
「ガッハハハ!!」
決意を新たに冒険者ギルドに入ると昼間から酒を飲んで騒いでる集団がいた。
いたというか、何か見たことある顔がテーブルの真ん中にいる。
「兄貴あんな所に美少女がいますよ!」
「なに! それじゃあ挨拶しないとな!」
そう言ってこちらに意気揚々と向かって来た人物はその美少女のゴミを見るかのような冷たい目線を見てその場で固まった。
「おい! ちょっと付き合えよ姉ちゃん!」
手下らしき人物がそう言うと兄貴が慌てて止めに入った。
「バカ! 止めろ!!」
「どうしたんすか兄貴?」
「コイツらは俺の知り合いだ。少し話してくるからお前らは戻ってろ」
「分かりました! あとで味見させて下さいね!」
「貴様! うちの娘に手を出す気か!!」
「娘!! 俺たち向こうに戻ってます!!」
キレた兄貴を見てビビった手下が元いたテーブルに慌てて戻って言った。
そして、その兄貴はダリアにめちゃくちゃビビっていた。
「久しぶりだなお前たち」
「久しぶり? 私には少し合わなかった間に昼から酒を飲んで手下を従えてナンパをしているような知り合いはいませんが?」
まぁ、自称父親だからね。
「これには訳が!」
必死に取り繕うとするおじさん。
まさか1週間ぶりぐらいにあったおじさんがあんな風になっているとは。
あれじゃあ物語に出てくる、酔っ払って主人公に絡みに行った結果ボコボコされる三下みたいだ。
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