獣人族とステータス
「リンだよ」
「そっかリンって言うんだ」
「うん」
「ちなみに僕がレンで彼女がダリア」
「よろしくお願いします」
僕たちもリンに名乗りダリアが挨拶をする。
「レンとダリア……よろしく」
そう言って彼女はペコリと頭を下げてくれた。
どこかボーっとしてるイメージがあったけど、想像よりも礼儀正しい。
親の教育がいいのかも知れない。
「何でこの場所に来たの?」
「いい匂い……したから」
分かってだけど、やっぱり食べ物に釣られて来たんだ。
「1人なの?」
保護者はいないのかな?
「リン……一人で武者修行してる」
「そうなんだ」
「リン……偉いでしょ?」
そう言ってリンはドヤ顔をしながら頭をこちらに差し出した。
もしかして撫でて欲しいのか?
とりあえずゆっくりと撫でてみると気持ちよさそうに目を細める。
サラサラで撫でごこちも良かったし、リアルケモ耳に触れる事が出来て良かった。
「そういえば、リンって何歳なの?」
もしかしたら、こんなに言動が幼いのに中身は300歳とかかも知れない。
何か想像してみるとそれは嫌だな。
300歳が人間で言う10歳ぐらいならいいけど。
「10歳」
見たまんまの年齢だった。
でも、戦闘面ではこの年齢で武者修行の旅をしていても大丈夫そうなレベルだ。
ちなみにリンのステータスはこうなっていた。
ステータス
[ 名前 ] リン
[ レベル ] 135
[ 体力 ] 1830
[ 魔力 ] 220
[ 攻撃 ] 1900
[ 防御 ] 1870
[ 魔攻 ] 160
[ 魔防 ] 620
[ 素早さ ] 1930
[ スキル ] 底力、直感、鉄壁
まずレベルが135と高い。
それだけじゃ無くて、人族に比べると一部ステータスがはるかに高い。
この前の闇ギルドのボスの方が50ぐらいレベルが高いはずだけど、攻撃とか防御なんかのフィジカル系の能力は倍以上ある気がする。
逆に魔法系の能力は低い。
特に魔力と魔攻はレベルに対して能力値がだいぶ低い。
まだリンしか獣人族を知らないけど多分フィジカル系の能力値が人族より高く、魔法系の能力値は低いんだろう。
スキルも底力、直感、鉄壁と3つあって全部優秀だ。
底力は体力が半分を切った時に全ステータスが2倍になるというスキル。
直感はそのまんま勘が鋭くなるスキル。
鉄壁は受けるダメージを2分の1にするスキル。
こうやって見ると普通に強そうだし、どれも欲しくなるスキルだ。
それに、いくら強くても1人で旅をするには悪い人間なんかに騙されたりしそうだなって思ってたけど、スキルの直感がそれを防いでいたのかも知れない。
「もうすぐ日も暮れ始めるし僕とダリアは帰るけどリンはどうする」
「……リンはついて行く」
「じゃあ、一緒に街まで行く?」
「違う……リンも仲間入れて」
うーん、そう来るか。
まさか仲間に入れてと言われるとは思わなかった。
「どうして僕たちの仲間になりたいの?」
「リン……1人寂しくなった」
そう言って悲しそうにこちらを見てくるリン。
「そっか」
「それに2人についてくのがいい……楽しそう」
「レンもダリアも信頼出来る……そんな気がする」
それは直感が言ってるのかな。
僕としては見ていて癒されるしリンが仲間になっても問題は無い。
ちなみに、さっきから可愛いとリンに向けて思ってるけどそれは性的な意味じゃ無いからね。
小動物みたいで癒されるって事で僕は決してロリコンというわけでは無いから。
というか誰に言い訳してるんだろ。
「私はリンさんが一緒でも大丈夫ですよ」
ダリアが内心どう思っているのか気になったけど、彼女が了承してくれるなら問題は無い。
「分かった、これからよろしくねリン」
「ありがと……よろしくお願いします」
リンはそう言ってまたペコリと頭を下げる。
やっぱり可愛い。
「はい、よろしくお願いしますリンさん」
ダリアも笑顔で挨拶を返している。
こっちも可愛い。
右を見ても左を見ても可愛いとかここは天国では?
こうして僕に新しい仲間が増えた。
街に戻った後はリンの歓迎会を兼ねてレストランに行ったんだけど、リンはその小さな体のどこに入るのかってぐらい一心不乱に食事を平らげていた。
ダリアはリンの顔にソースなんがが付くと拭いてあげたりと世話を焼いている。
その光景に癒されるし、ダリアの表情を見ると僕に合わせてリンを受け入れた訳では無いみたいで安心した。
ホテルに戻ったその日の夜はリンが真ん中に入って3人で寝た。
あれ?
でもこれが続くとダリアと夜中にイチャイチャする時間が減るのでは?
リンが居てくれると癒されるから良いんだけど、ダリアと夜の時間が減ってしまうのか。
これは何か対策を考えねば。
まさか結婚もしてないのにこんな悩みを持つことになるとは。
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