スイーツと誘拐
「ふぁー」
意識が完全に覚醒してい無い状態で私はゆっくりと起床した。
ボケーとした頭の中でぼんやりと昨日の事を振り返る。
レン様から貰ったメイド服を着ての営み。レン様がいつも以上に興奮しているのが分かり嬉しかった。
私自信もメイドになりきってご奉仕したりと積極的だったので今になって恥ずかしさが込み上げてくる。
でも、メイド服を着ることで非日常感を感じる事が出来て少し興奮した。
だんだんと覚醒した頭で周りを見るとレン様が居ないことに気づく。
どうやら買い物に出かけたらしい。
私はこの後の時間で何をするのかを考える。
そう言えばまだ朝から何も口にしていない。
そう考えるとなんかお腹が空いてきた気がする。
昨日のカフェでレン様と食べたスイーツは美味しかった。
うん、朝ごはんはあのカフェで済まそう。
そうして着替えた私は昨日のカフェでショートケーキとチョコレートケーキにティラミスを注文した。
どのケーキもオシャレで食べる前からワクワクする。
ショートケーキはイチゴとクリームの甘さが上手くマッチしていて美味しかったし他のケーキも美味しかった。
スイーツならいくらでも食べられる気がする。
帰り道では良い匂いに釣られて美味しそうなドーナツを購入。
口に入れた時のしっとり感を残しつつふんわり感もあり、生地とクリームがいい感じにミックスされていて美味しかった。
レン様にもお土産として買って行こう。きっと喜んでくれるはず。
そう思って来た道を戻ろうとした瞬間に後ろから誰かに触られた。
そして景色が変わったと思った瞬間には体に強い衝撃が走り視界がブラックアウトした。
・・・
誰かの声が聞こえる。
「にしても良い女だな」
「ヤっちまおうぜ」
「バカ! ボスに殺されるぞ」
耳障りな男たちの声で意識が覚醒する。
どうやら私は誘拐されたようだ。
ただ体に異常は感じないし、まだ何もされていないみたいだ。
何が目的で私は攫われたのか。
そして、ここは森の中みたいで日は少し暮れ始めている。
どうやら結構の間、私の意識は飛んでいたようだ。
「ボス!」
そして、一番偉いやつが来たみたいだ。
「おい、狸寝入りしてんじゃねぇよ!」
この男には私が寝たふりをしていたのがバレていたようだ。
それにコイツは強い。私では勝てるビジョンが見えない。
「確かに可愛い顔してるな。元ボスが欲しがるわけだぜ」
元ボス?
「味見して良いですかボス!」
「ダメに決まってんだろ! 余計な事をしたら殺すぞ!」
「あなたは誰ですか?」
生きて帰るためにも、とりあえず情報を集めないと。
にしても陰湿そうな顔をしている。
絶対にこの男はモテない。
どうせ娼館で金を吐き出してカモにされてるんだろう。
「お前たちに潰された組織の生き残りだよ」
やっぱり元ボスと言ってたし闇ギルドの人間か。
「お前には人質になってもらうぜ。一緒にいた男は強いみたいだしな」
「自分よりも強そうだから人質を取ったと?」
レン様なら転移魔法もあるし人質を取られても戦えるだろう。
でも、私が弱いばっかりに人質という立場になってしまったのは悔しい。
「一応な! まぁ、俺様の方が強いだろうけどな!」
「あなたたちのボスは殺されたのに?」
「俺は腕っ節でボスに負けるとは思ってねぇ」
「それであなたが今のボスって事ですか」
コイツがボスだろうがカスだろうがどうでもいいけど、とにかくレン様が来るまでは時間稼ぎをしないと。
「そうだ。それでお前には聞きたいことがあるんだがよ」
「何ですか」
「俺にその男の情報を教えろ」
「レン様に勝つ自信が無いんですか」
「情報収集は基本中の基本だからな」
これは私に取っては時間を稼ぐチャンスかも知れない。
適当に嘘を吐いてこの場をやり過ごせばレン様は来てくれるはず。
「奴のスキルはなんだ?」
レン様はこの男の元ボスを殺しているんだから、それなり強いスキルを考えないと。
「触れた相手を殺すことが出来る能力です。あなたでは太刀打ち出来ないでしょ」
「嘘だな」
「何故ですか」
「この魔道具の力だ。相手が嘘をついていると赤く光る」
これが本当なら嘘は通じないですね。
「でも俺がその男に負けると思っているのは本当みたいだな、ムカつく女だぜ!」
「あなたみたいな女の子に相手された事ないブサオにレン様が負けるわけ無いじゃないですか」
あ、つい思っていた事が口に出てしまいました。
「あ!!」
余計な挑発でこの男の地雷を踏み抜いてしまったかも。
とりあえず謝ってみますか。
「すいません、つい本音が」
「お前ら! このクソ女が素直になるまで痛ぶってやれ!!」
そう言って私の方に向かってくるニヤニヤした男たち。
「やれお前ら!」
彼等は私を殴ろうと腕を振り上げたところで、乱入者によって首を斬られた。
「助けに来て頂いてありがとうございますレン様!」
途中からこちらに向かってくる気配を感じていた。
それがレン様だと信じていたけど、本当に来てくれて良かった。
「遅くなってごめんね」
笑顔でそう言ってくれるレン様はブサオの100億倍カッコよくて私に安心感をもたらしてくれた。
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