隣国と再会
隣国に着いた僕たちは警備のおじさんから聞いたこの街で一番良いホテルに宿泊が出来るか確認しに行く事にした。
ちなみに話しを聞いたのはダリアで、相手は鼻の下を伸ばしながら教えてくれた。
やっぱりこういうところで美少女って有利だよね。
ホテルに着くと一泊で大金貨3枚する部屋なら空いていると言われたので泊まることにした。
正直なところを言うと、もう手持ちのお金が無くなってきていた。
明日は冒険者ギルドで割の良い仕事を探そう。
翌日ーーー
さっそくダリアと2人で冒険者ギルドに向かう。
なるべくレベルの高いモンスターと戦える依頼を複数こなすのが理想だ。お金が欲しいのもあるけど、ダリアのバフスキルが発動出来る1時間以内にモンスターをたくさん討伐してお互いのレベルアップを図りたい。
ちなみにおじさんは冒険者でも無いし別行動だ。
依頼を探すために冒険者ギルドに入るとたくさんの人がいた。
何人かの冒険者から視線が飛んでくるが無視して依頼があるボードに向かう。
まぁ、ほとんどの視線は僕じゃなくてダリアに向けられてるんだけど。
分かるよ。
うちのダリア可愛いよね。
ただ、ダリアぐらいの美少女だと面倒な輩に絡まれる事もあるわけで、
「おいおい、こんなガキじゃなくて俺と一緒に良いことしようぜ!」
こういうバカが出てくるわけだ。
そう、僕たちは早くも冒険者ギルドに併設されている酒場から出てきた既に出来上がっている酔っ払っいの男に絡まれた。
「お断りします」
ダリアはゴミを見るような目で男に言ったがさすがは酔っ払い。
そんなことは意にも返さずに口説き続ける。
「この俺が誘ってるんだぜ、良いからこっちにこいよ」
そう言ってニヤニヤしながらダリアの手を掴もうとするが流石にそれは看過できない。
隣国に来ていきなり問題を起こすのもアレだから軽くボコる程度にしよう。
そう思って攻撃をしようとしたんだけど、その前に割り込んで来る人物がいた。
「僕の連れに何か用かな?」
それは冒険者ギルドには不釣り合いの可憐な容姿をした金髪のオトコの娘だった。
「なんだよ、お前の連れかよ」
男はそう言って酒場に戻って行った。今ので酔っ払いが引き下がるという事はルカはこの街でそれなりに有名な冒険者なのかも知れない。
「また会ったね」
「そうだね、助かったよ」
「はい、こんにちわ」
まさかこんな直ぐに再会するとは思わなかった。
にしても、相変わらず可愛い顔立ちをしていてとても同性とは思えない。
「2人は依頼を探してるの?」
「あぁ、ちょうど今から良いのを探そうと思ってた」
「ふーん、2人は凄腕のヒーラーとか知らない?」
唐突にルカがヒーラーについて聞いてきた。
「何で?」
「実はとある方からの依頼で探してるんだ。もし知ってるなら仲介料を渡すよ!」
とある方って貴族とか何だろうな。身内の誰かが怪我を負ったとか?
でも、貴族ならよっぽどの貧乏じゃなければそれぐらい用意出来そうだ。
「もしかして病魔に侵されてるとか?」
「そうだよ、よく気づいたね。ここだとアレだから少し場所を変えない?」
「了解、美味しいスイーツがある店でお願い」
スイーツと聞いたダリアの顔が緩んだ。彼女は甘いものが好きだから、どうせなら美味しいスイーツのある店が良い。
「オッケー、この街は僕のホームだから任せてよ!」
ルカが自信満々な表示なので期待しておこう。
・・・
「それじゃあ本題に入るんだけど」
冒険者ギルドとは打って変わって女の子が好きそうなオシャレなカフェに僕たちはいる。
店に入りお互いの注文が終わった所でルカが話しを切り出し始めた。
ちなみに、ダリアはストロベリーパフェで僕がチョコレートパフェ、ルカはフルーツパフェを頼んでいた。
「僕が求めてるのは原因不明の病魔に侵されたお嬢様を治せる人なんだ」
「そんなに見つからないの?」
「うん。そもそも病気を治せるようなヒーラーの数が少ないのに、原因不明の病魔を完治させる人間なんて簡単には見つからない」
まぁ、ヒールってダメージを回復するシーンは思い浮かぶけど、病気を治すイメージは無いからな。
でも、状態異常を回復する魔法ならゲームにもあるか。
状態異常と病気って同じ扱いなのかな?
「お嬢様を治そうと挑んだ人はいたけど……」
この言い方からすると。
「失敗した?」
「うん、全員失敗した」
「それでエーデル国に?」
「うん。異世界人が紹介されたって言う噂はあったけど、特に目ぼしい人は居なかったかな」
まぁ、目の前に異世界人が居るんだけどね。
「お嬢様もいつまで保つか分からないんだ! 治せそうな人に心当たりは無いかな!?」
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