解説
最初から最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
そして、お疲れ様です。
まず主人公の瑠諏ビンというヘンテコな名前ですが、最初の吸血鬼小説といわれる作品(1819年「vampyre」ジョンポリドリ作)に登場する吸血鬼がルスビン卿という名前らしいのです。
吸血鬼の話を書こうと思ったとき、この世で初めて吸血鬼が登場した原型となる作品を自分なりに探してみました。
ただし、あくまで赤いからすが調べた範囲なので当てにしないでください。
ちょっと読んでみたい気がしますけど、とても古い作品なので本は現存してないでしょうね。
漢字は適当に選んでつけました。
そして「吸血鬼は淫らな舞台を見る」という小説を書いた経緯ですが、ぼくの中には吸血鬼が出てくる映画や小説は不滅というひねくれた概念があります。
これからも吸血鬼が出てくる物語は尽きることなく生み出されると思いますから。
本当は人間と吸血鬼が戦争をするなんて構想もあったのですが、描写が残酷すぎてしまう恐れがあったので却下。
近未来の物語で第三次世界大戦などが勃発して市民の貧相な暮らしが描かれるというパターンはどうも好きになれなくて、それほど吸血鬼に怖さを感じさせない時代背景にしました。
人間の刑事と吸血鬼がコンビを組んで難事件を解決していくという発想のほうがオリジナリティもあっていいかなと思ったわけです。
結末は自分なりには決着をつけたつもりですが、不満な方がいたらごめんなさい。
この世で一番怖いのは人間という根底があってあのようなラストにしました。
地球を支配しているのは人類。でも、その人類がこのまま地球を好き勝手に使っていいものだろうかという疑問をこの小説にぶつけました。
吸血鬼は宇宙人だったという発想もそこから生まれました。
そして、もうひとつの裏テーマとして“自殺”も匂わせましたが、説教っぽくならない程度に盛り込みました。
実はこの作品の続編も頭の中にはちょこっとだけあります。
サトウ警部補が瑠諏ビンの影を追い、とんでもない事件に巻き込まれる……とか、篠田レミと幼い頃の瑠諏ビンとのエピソードなどなど。
では、次回作であえる日を願って、サヨウナラ〜
\(´▽`)/〜