空白一マス/宿題が進まない理由/臆病な積極者/勇気をください/確認/宝箱に入れるだけ
2年次に発表した作品です。
素晴らしい恋愛系の詩を書く先輩が引退した後だったので、恋愛要素の強いものを書こうと模索していました。結果小っ恥ずかしいものしか書けませんでしたトホホ
『空白一マス』
埋まらない空白一マス
いったいどこで間違えた
交差する文字達は
歪な美しさを放つだけ
私とあなたのクロスワード
いったいどこですれ違った
消しゴムで消えない文字達は
解き直すことはできないとただ主張
私が埋めた縦列と
あなたが埋めた横列で
できた言葉達は美しいのに
中央にひとりぼっちの空白一マス
たった 一マス
『宿題が進まない理由』
通知音が短く鳴り響く
手を伸ばしてあなたか確認
その数秒間がもどかしい
違ってたら残念だけど
あなただったらとてもうれしい
しかしそんなことはめったになくて
出てきた画面は意地悪だ
そう思ってしまった友人に小さく謝罪
ため息一つと素早い返信
宿題に目を向けたそのとき
もう一度ピロンと鳴り響く
画面に出た名前は
それから宿題は進まなかった
『臆病な積極者』
ふと目が合ったとき
廊下ですれ違ったとき
周りに人がいなければ
横に友達がいなければ
お互い手を振りあったり
にこって笑ったり
時には少し話したり
何かしらのアクションをして
特別な関係ではないけれど
あなたがどう思っているかはわからないけれど
少しだけ期待させて
この瞬間を幸せだと思わせて
『勇気をください』
例えば恋愛映画を見た時
ヒロインを私と重ねてしまうんだ
例えばラブソングを聴いた時
君を思い浮かべてしまうんだ
例えば友達の恋バナを聞いている時
胸がギュッとなるんだ
ああ、もう全部ふっきれて
君のもとへ駈け出して
君の目を見て
この想い伝えるんだ
なんて
今の曖昧で居心地の良い関係を望む私には
到底できないことです
『確認』
あなたの後ろ姿はずるい
私よりも大きくて、広くて
あなたのすべてを物語っていると錯覚させる
あなたの後ろの席は安心できるの
あなたが前を歩いていると落ち着くの
だけど私がこんなふうに思っていること
あなたは何も知らないから
時々つまづいたふりをして
あなたの背中にキスを落とすの
――この感情は恋なんだ って確認するために
『宝箱に入れるだけ』
あなたの「おはよう」も
彼らの騒がしい声も
彼女の少し高い笑い声も
君の喉が震わす声も
もう聞こえなくなっちゃった
恋心を抱いた彼の微笑みも
常に不機嫌そうなあいつの嬉しそうな顔も
強いと思っていた不良の悔し涙も
笑顔の絶えなかった委員長の本気で怒った顔も
もう見えなくなっちゃった
汗水垂らして走った体育館も
あの人に会いたいなんて不純な動機で通った図書室も
何度も呼び出され怒られた職員室も
なんだかんだで楽しかったHR教室も
全部、全部、全部が
もう遠い、遠い彼方の存在になっちゃった
悲しくなって時々泣いちゃうんだ
帰りたいって叫んじゃうんだ
どうすることもできないってわかってるのに
そんな時は口ずさむんだ
私たちの校歌を
そんな時は読み返すんだ
あの日が詰まった卒業アルバムを
塗り替えるんじゃない
忘れるんじゃない
ただ今は宝箱の上に粗雑に入れるだけでいい
私たちは何一つ失ってない
いつでもあの青春を振り返れるように
次に宝箱を開けるのは嬉しい時にって約束をして




