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毒・毒・毒!!  作者: マネージャー
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君の名は?



 悲惨な事故とでも言っておこうか……そこで死んでしまったのがある意味良いタイミングだったのか、休憩するために【求】からログアウトした。



 そこで遅めの朝食兼早めの昼食を取って、夜まではぶっ続けで【求】をするつもりだ。



「なるほど……NPCと一緒に行動するのは特殊ってわけでもないんだな」



 カップ焼きそばをすすりながら、【求】の攻略スレ、質問スレとかなりの数の掲示板があって、その中から新人向けの質問スレをチョイスして覗き見して、コメントも書き込んでみた。



 NPCが仲間になる事はあるみたいだし、最初にクエストと表示されなくても、途中から開始するのもあるらしい。これはあの女の子に当てはまるのでは? 容姿は目立つ方だと思うけど、問題なのは毒を食べる事だな。【夢キノコ】なら間違いで済むけど、【ガナガナ蛇】を食べるのは特殊過ぎだ。



「何かのクエストと無関係なわけがないよな。原初の森にいたわけだし、あの子のイベントがあるなら、俺が最初の可能性があるのか」



【求】が発売して一年以上経過しながらも、誰も知らないクエストを最初に出来るのは嬉しいかも。そのためには女の子と一緒に……



「待てよ……待て待て!! 俺が死んだ事でイチバンに戻されるとして、あの子はどうなったんだ? 放置状態で魔物にやられたりは……」



【イチバン】近辺にいる魔物は【ガナガナ蛇】だけじゃないだろ。そいつに襲われてしまったらどうなる? 殺されでもしたら、何のクエストかも分からずに消滅する……NPCが死んだ事で、無くなったイベントもあるらしい。



「そんな事したら非難の的にされるんじゃないか? もしかしたら、別のプレイヤーの方について行くのもゼロじゃない」



 俺は女の子が無事なのかを確認するため、本日二度目の【求】の世界へ。。スマホの連絡ツール『コネクト』からメッセージが届いた音が聞こえたけど、仕事でもないし、今は放っておいても大丈夫だろう。



「いらっしゃい。依頼はまだ大丈夫なんだが、【薬草】でも買いに来たのかい?」



 俺が目覚めたのは【イチバン】にある道具屋前。街の中でも宿屋じゃなく、クエストを達成した場所。宿屋を一度も訪ねてないのも理由かもしれない。



「それはまた後で……急いで【ガナガナ蛇】と遭遇した場所に行かないと」



 女の子が腕を噛んだまま復活という事は無かった。吸収缶も装着した状態。【ガナガナ蛇】の毒は……取り込みは終了してない。無くなってない事に安心したけど、まずは女の子が無事なのかを確認しないと。



「……ん? 急に俺の手を握ってくるのは誰だ?」



 道具屋が引き留めるため……じゃなくて、俺が捜そうとしてた人物。あの女の子だ!!



「急に消える。困る。臭い。薄い」



 カタコトなのは変わらない。確かにプレイヤーが急に消えるのは、NPCにとって驚く事かもしれない。俺を見つけるのに困ったという事なんだろうけど、『臭い』と『薄い』というのは……あれか!! 吸収缶を着けた状態だからか?



「はぁ~……無事だったか。今回も俺を見つけるんだよな……一度出会った人物には【空気のような存在】は通じないだったか?」



 道具屋も俺に話しかけてきたからな。それにしても、今回は登場と共に噛みついてきたりはしないんだな? 理由は一体何なんだ?



「まぁ……街の中で噛まれないのは安心だな。手を繋ぐって事は一緒についてくるって事だよな」



 今回は離れる事は無さそうだから、街で彼女の情報を探してみるか。クエスト発生には一人のNPCだけでは駄目な時もあるらしいからな。最悪、【イチバン】とは無関係かもしれない。



「酒場、ギルドの中にあるクエストかもしれないし、まずは……っと、その前にする事があるか」



 彼女の名前を聞いておかないと。おい!! とか、お前!! と呼ぶのは流石に圧があるよな。少しの間かもしれないけど、一緒に行動するのなら名前は知っておくべきだ。



「本当に俺と一緒に来るのなら、名前を教えて欲しいんだけど」



 女の子はコクコクと頷きながらも、途中から困った顔になった。



「名前……名前は何? まだ……ない?」



 名前が何かを知らない? これは……俺が彼女の名前を決めても大丈夫なのか? まぁ……仮の名前として、途中で変更してもらえばいいか?



「名前は呼び名というか……俺の呼び名はヤク中。ヤク中……分かるか? 君の名前は……」



 可愛い名前でも付けてあげた方がいいよな。特徴は紫の髪? 黄色の瞳? 蛇を食べたのが印象的だから蛇子(へびこ)……はないよな。職業【毒】の俺と一緒に行動する事になって、毒好きだとすれば毒実(どくみ)……



「蛇子……毒実……英語だとポイズンだっけ? ポイは……良いんじゃないか?」



「ヤク中……ポイ? ポイ、ポイ、ポポイ、ポイ!!」



 彼女は俺を指差しながら『ヤク中』と呼んだ後、『ポイ』という名前が気にいったのか、何度も自分の名前を呼んでいる。とはいえ、表情は乏しいのか、笑顔になってないのが勿体ない。

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