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毒・毒・毒!!  作者: マネージャー
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『僕を食べなよ』スタイル……じゃなくて

「本当に何なんだよ!! 戦闘のチュートリアルはモリンコでいいだろ」



LV5 【ウルフ・森】 HP??? スキル 【噛みつき】



「LV5!! スキルが開かれてるのは【噛みつき】を受けたからか」



 敵の名前は【ウルフ・森】。狼が葉っぱの鎧を身に纏っている姿だ。そいつは俺の首部分を噛み千切り、距離を取っている。というか、いきなりLV5は酷すぎないか?



『貴方は不意討ちを受けました。不意討ちはクリティカル率をアップさせます。更に弱点となる場所に攻撃を受けるとクリティカル率がアップします。この二つが同時に発生するとスマッシュHITとなり、クリティカルの威力が1.5倍増になります』



「それは一番最初に説明する事じゃないだろ!!」



 不意討ち、先制攻撃でクリティカル率アップや、弱点を突く事でクリティカル率がアップするのは俺が攻撃する時で、受けるタイミングじゃない。



「……って、ウルフが攻撃してこない? ターン制でもないし、警戒してるわけはないよな?」



 チュートリアル中という事もあって、【ウルフ・森】が攻撃出来ない状態なのか? 一回の攻撃でスタミナ切れ? 【薬草(食用)】で回復したのに加えて、今度はこっちが攻撃する番!!



『【空気のような存在】は嗅覚が鋭い獣系の魔物には通じないので注意してください』



「攻撃の指示じゃなくて、今更【空気のような存在】の追加説明!!」



 このチュートリアルの文字なんか期待せず、【ウルフ・森】をどうにかしないと。【ウルフ・森】がまだ動かないのは、俺の攻撃待ちかもしれないし。



「ワオーン!!」



「そこまで待っておきながら攻撃かよ!?」



【ウルフ・森】は雄叫びを上げた。俺の体は震え、HPは減ってないけど、力が抜けていく感じがする……効果が『戦闘終了まで力が-2』!!



 それだけじゃなく、雄叫びに反応して、【モリンコ】が俺……というか、【ウルフ・森】に気付いた。【仲間を呼ぶ】ってやつか!!



「死ぬの前提のチュートリアルか!! 普通は勝てるようになってるもんだろ」



【ウルフ・森】に全く攻撃出来てないし、力も下げられてる。【モリンコ】も戦闘に加わったら、ボコボコにされるのはこっちだ。けど、流石に何もせず終わるのだけは嫌だ。



「くそっ!! 薬草はまだ一つ残ってるんだ。せめて、【ウルフ・森】は倒す……いや、全滅させてやるさ」



 ここで薬草を食べる。攻撃すれば回復するタイミングもないだろうし、全快にして敏捷を元通りにしておかないと。



「力が下げられても、こっちの本命は毒のダメージなんだからな」



 俺は【ウルフ・森】に攻撃。【モリンコ】は動きが鈍く、こっちまでたどり着いていない。その間に弱らせておかないと。けど、【ウルフ・森】は後ろに下がった。こっちの攻撃を予想してじゃなく、先に後ろに下がった感じだ。



「隙を窺ってるのか? それとも【モリンコ】合流まで待ってるとか? 序盤の魔物でこんな行動されたくないんだけど……って、あれ?」



「【ウルフ・森】が急に倒れて、素材に変化したんだけど!!」



 攻撃したわけでもないから毒のダメージはないはずだし、吸収缶は外してたけど、臭いだけだろ? そうじゃないと【イチバン】の兵士も死んでるはず。



『職業【毒】の身体の一部が捕食される、血を吸われる等の場合、相手に強力なダメージを与えます。ただし、相手が毒所持者であり、自身よりも強力であれば無効とされる』



 捕食されるのは【ウルフ・森】が使用した【噛みつき】。【空気のような存在】だけじゃなく、職業【毒】のパッシブスキルの追加説明だよな。獣系の魔物主体と考えても良さそうだけど……『僕を食べなよ』スタイルはどうなんだ? リスクがあり過ぎだろ。スキルの毒を入手も基本受け身なわけだし、防御力ありきの壁役でもないから。



『今回のチュートリアルは終了です。継続された戦闘をお楽しみください』



 と、チュートリアルが終わったみたいなという文字が表示された。



「何だろう……この損した気持ちは。それにウルフの雄叫びはいらなかっただろ」



 不意討ちされただけじゃなく、【ウルフ・森】がLV5だった時の驚き。仲間を呼ばれた時の恐怖が馬鹿みたいだ。それに二回目の【薬草(食用】を使ったのも無駄だった気がする。



「おっと……モリンコが残ってるのを忘れたら駄目だよな」



【モリンコ】が息を吸い込み、溜めの態勢でこっちを向いている。まだ少し離れているけど、スキルを発動するモーションか? 多分、吐き出すタイプのスキルなんだろうけど毒液は……ないか。道具屋から貰った地図を信じると、【原初の森】にある毒は【夢キノコ】と俺?のはず。魔物の影はなかった。



 というわけで、スキルを回避するために周りながら前進。【モリンコ】は溜め状態が限界に達して、全く別方向へとスキルを発動した。それは無数のネチョネチョした糸。ダメージというより、動きを遅くさせるみたいな。



 モーションも分かりやすいし、発動するのも時間が掛かる。攻撃が避けやすいのは流石LV1だ。



 俺は【モリンコ】との距離を詰めて、頭部に一撃。スキルを発動したせいか、動きが止まり、狙い易かったのもある。それに弱点はクリティカル率をアップさせるからな。



「よし!! クリティカルが出たよな」



【モリンコ】のダメージ数は表示されなかったけど、後ろにぶっ飛ばされた。それに毒が付着してようで、頭の上にシャボン玉みたいなのがプカプカと、出ては消えを繰り返してる。体の色が変化するのが分かりやすいけど、魔物の色にもよるだろう。【モリンコ】は緑色だし、毒状態を示すのが緑色だとすれば判断がつきにくい。



 そんなわけで、俺がもう一撃を加える前に、毒のダメージで倒してしまった。

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