第九話 狂乱のアマゾネス
「ふっ!所詮貴様はその程度!守りに入ることばかり考えるから、真に大切なものを守れず失うこととなる!」
また大げさな。
たかがファスナーの閉め忘れで。
「攻撃こそ最大の防御なり!我が名は風面来!」
手に武器を持った、ハワイアンダンサーみたいな妖怪が現れた。
上半身はほんっとギリギリの、リボン一本。
下半身は腰蓑なんだけど、かなり密度が薄くって。
激しく動き回っているから良いようなものの、動きを止めたら絶対に見えますよね、それ!
「だから攻撃こそ最大の防御なのだ!」
すげえ説得力だけど、風面来って……。
「貴様、風面来を知らぬ!? 名づけ親は隆K一郎先生だぞ!」
隆K一郎……?
「『花のK次』の原作者である!ぽっと出の『くっころ騎士』などと一緒にするな! 守ると言えば聞こえは良いが、所詮はただの臆病者!一歩を踏み出せずに男を逃し、○○○に蜘蛛の巣張っているに違いない!」
「失礼な! 必然性があれば、私だって脱ぎます!」
もうわけわかんねえから。
脱いでくれるのは大歓迎だけど。
ぎゃあぎゃあ言い争いをしているふたりの後ろから、ひょいと清楚風ヤンキーが現れた。
「ふたりはライバルなんだぜ。ここんとこ、風面来のほうがのしてるって言うか、威勢が良いんだけどな?」
君がここにいるってことは、どこかにち○毛が挟まってるってことだよね?
できるだけ無難な場所にお願いしますね?
「調べる?はいこれ」
リモ子さん?今度は何を隠してくださったんです?
忘れ物は勘弁してほしいんだけど。
まあいいや……って、なぜスマホ?
「アプリ作ったんだ。現代妖怪の分布が分かるんだよ」
リモ子は理系女子なのである。リモコンだけに。
「これだから頭でっかちは!現場百遍、足で稼げ!」
まあ、ち○毛を散らすには実際足を運ぶ必要がありますわね。
お二人もライバルでした。
ともかくスマホを覗き込む。
風面来が大量に密集している地域があった。
これは東京の……永田町?
「脛に傷持つ身であろうとも! 引かぬ!守らぬ!顧みぬ! 大声で言ったもん勝ちなんだよ!」
投擲した武器が飛んで行き……再び戻って来た。
あっ。
風面来か!
たしかに最近、「あるある」だった!
案の定、自分に刺さってひっくり返ってるし。
すわ丸見え!?と、思わず近づいたところ。後頭部を盾で殴られた。
目を覚ました時には、姫騎士がマントで隠してやっていて。
なんだかんだ仲良いのね。
「しかし人間の女子ならいざ知らず、妖怪ごときにスマホをいじられているようでは。その脇の甘さ、いつか身の破滅を招くぞ?」
「操を守れ、浮気するな」ではなく「浮気するなら秘密を守れ」と言われるか。
それでいいのか、聖姫騎士。
リモ子がアプリを閉じた。
現れるのはホームページ、G○○GLEのはずだったのに。
まとめサイト・「ガチウヨ速報」にすりかわっていた。
……真野さん?
隆K一郎先生では無く、柴田錬三R○先生だったかもしれません。
いつか確認しておきます。




