↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
1/42

プロローグ まだ見ぬ世界へ


「じゃあ、私、行くね。お父さんとお母さんによろしく」


 黒曜石の壁に囲まれた巨大な空間の中で、一人の制服姿の少女――秋月遥が旅立とうとしていた。

 ミディアムショートの黒髪を揺らし、期待に満ちた表情には、わずかな緊張も見える。


 目の前には、一辺が1.5メートルほどの立方体が置かれている。

 黒っぽい金属のような表面を淡い青色の光がゆらゆらと覆い、薄暗い空間をぼんやりと照らしている。


「遥、本当にいいのね? 今ならまだ……」

「いいの、お姉ちゃん。私が行くって決めたから」


 遥は首を横に振った。


 両手でスケッチブックを抱え、画材を入れたカバンを肩から下げている。

 まるで、近くへ写生に出かけるかのようだ。


「そう……。分かったわ。気をつけてね。あなたの絵を楽しみにしてるわ。悠真くんに見せた後でいいから、私にも見せてね」

「も、もう、またそんなこと言って……じゃあ、行ってきます」


 遥は少し照れたように微笑んで、高さ30センチほどの大きな円形ステージに上がった。


 そこには、もう一人の少女がいる。

 だが、その少女はどういうわけか、薄い光をまとっていた。


「いってらっしゃい」


 遥の姉、薫は軽く手を振り、遥の横に立っていた少女にうなずきかけた。


「はいはい。んじゃ、ちゃっちゃっと行くわよ」

「うんっ」


 遥が嬉しそうに返事をした瞬間、彼女たちの姿は消えた。


「……お願い、無事に帰ってきて」


 薫は、不安な表情のまま、つぶやいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。