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エピローグ


 バスロ牧師が「決闘令嬢!」と怒鳴った。


「貴様! よくも守護者が現れる盾を壊してくれたな!」

「……その前に守護者を止めてください。でもあなたが言っても止められないでしょうけど」


 エルゼがそう言うとバスロ牧師が「何だと!」と怒る。


「精霊が出る武器と言うのは勝つまで戦うのです。彼らに和解なんてありません。物が和解なんてしないでしょう?」


 常識でしょう? とばかりにエルゼが言うからバスロ牧師が「処刑だ!」と怒り出した。一方、審判は盾が壊れているのに呆然としている。

 傍聴席では、少なからずいる古典的教えの者達が乱闘を始めている。


 もはや大混乱になる、その時だった。


「皆の者! 静粛に!」


 真っ白な牧師の服を着た老人がそう言って被告側の入り口から入ってきた。後ろから続々と一般の黒い服の牧師が入ってくる。その一団にオルトがいた。

 多分、真っ白い牧師服を着ている老人が一番偉い人物なんだろう。彼の姿を見て審判はすぐに頭を下げて、バスロ牧師は真っ青になった。

 この老人の存在は大きいようで傍聴席の人々も黙り込み、貴族席も頭を下げている人間さえいる。


「バスロ牧師。我が国の宝を無断で持ち出しましたね」


 重々しく老人はそう言った。この発言にバスロ牧師より審判の方が絶望的な声を出していた。


「あなたには何かしらの処罰が下ります。それまで謹慎してください。そして審判、あなたもです。持ち出し許可証の確認を怠りましたね」


 子供に言い聞かすような穏やかな口調で二人の処遇を老人は告げた。この通達に審判は「申し訳ございません」と素直に謝る。一方、バスロ牧師は黙っていたが「司教様」と言った。

 司教とは随分と大物が出てきた。


「私は脅威になる者を処刑しようと……」

「噂には聞いていましたが、リラと言う少女を魔女として処刑しようとして、そこにいる決闘令嬢が判決非難したから決闘裁判を行っていた」

「はい。だから守護者様のお力を……」

「私は決闘裁判するまでもなく、この少女は魔女ではないと思っているよ」

「だけども!」

「話しは後で聞こう」


 そう言って司教はエルゼを見た。


「決闘令嬢。君にも聞きたい事がある。一緒に来なさい」


 断ることが出来ない用件を告げて、エルゼは優雅にカーテンシーして「分かりました」と言った。





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