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13


 こうしてガスラと決闘することになったのだが、ここでまたひと悶着があった。


「おい! 審判! ガスラが持っている武器は猟銃じゃないか!」


 オルトが指摘した通り、ガスラの持っているのは銃口が長い猟銃だった。チラッと審判は見て、「いえ、剣です」と澄ました顔でほざいた。


「どこが剣だ!」

「小さくついているじゃないですか」


 どうやら審判は銃口の先についてる小さな剣を言っているようだ。これで弾が飛んできても剣と言い張るのだろうか?

 オルトと傍聴人は文句を言っているが、審判はいたって普段通りの顔で「証人は決闘場から出て行ってください。傍聴人は静かに」と注意した。


「……嘘でしょ。銃で戦うつもりなの」


 戦わないクレアは高座でこの様子を見ながら不安げな顔になり、エルゼに「どうしましょう」と聞いた。エルゼは特に表情を変えずに「大丈夫でしょう」と言った。


「だってガスラって狩りとかよくやっていたのよ。絶対に負ける」


 クレアは絶望的な顔になるがエルゼは目線を合わせて、「助太刀を信じてください」と言った。


「……」

「とりあえず、この剣の鞘を少しだけ抜いてください」


 自信なさげなクレアだったが刀である私を手に取って、鞘を少しだけ抜いた。


 シャキン


 クレアは目を見開いて、刀から人間の姿に実体化した私の目が合う。彼女が持っていた刀を手に取って刃を鞘に戻す。

 みすぼらしい着物を着た髪も整えていない野武士の姿である私。妙齢の女性と並んではいけないような汚さだ。

 オルトも私の姿に息をのんでおり、傍聴人の声も大きくなっている。


「助太刀。銃の弾は切れる?」


 エルゼの言葉に「ああ」と返事をして、私はガスラの前に立つ。


「俺と戦う奴はこいつか」

「ええ、そうです」

「随分と汚いな」

「腕は確かです」


 ガスラは「これなら一発で倒せそう」と半笑いで呟く。本当に銃で戦うようだ。正々堂々、公明正大の精神はどこに行った。

 まあ、いい。

 

 私は一礼をして刀を右腰の位置にして左手で柄を握って、目線はガスラの目を見る。この行為にガスラはたじろぎ、舌打ちをする。

 そしてエルゼが提示した証拠を思い出す。


 小さな器のくせに尊大で男尊女卑な姿勢と物言いで見苦しい奴だ。

 よろしい、決闘だ!


 審判が「始め!」と言った瞬間、銃声が鳴り響いた。




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