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こうしてガスラと決闘することになったのだが、ここでまたひと悶着があった。
「おい! 審判! ガスラが持っている武器は猟銃じゃないか!」
オルトが指摘した通り、ガスラの持っているのは銃口が長い猟銃だった。チラッと審判は見て、「いえ、剣です」と澄ました顔でほざいた。
「どこが剣だ!」
「小さくついているじゃないですか」
どうやら審判は銃口の先についてる小さな剣を言っているようだ。これで弾が飛んできても剣と言い張るのだろうか?
オルトと傍聴人は文句を言っているが、審判はいたって普段通りの顔で「証人は決闘場から出て行ってください。傍聴人は静かに」と注意した。
「……嘘でしょ。銃で戦うつもりなの」
戦わないクレアは高座でこの様子を見ながら不安げな顔になり、エルゼに「どうしましょう」と聞いた。エルゼは特に表情を変えずに「大丈夫でしょう」と言った。
「だってガスラって狩りとかよくやっていたのよ。絶対に負ける」
クレアは絶望的な顔になるがエルゼは目線を合わせて、「助太刀を信じてください」と言った。
「……」
「とりあえず、この剣の鞘を少しだけ抜いてください」
自信なさげなクレアだったが刀である私を手に取って、鞘を少しだけ抜いた。
シャキン
クレアは目を見開いて、刀から人間の姿に実体化した私の目が合う。彼女が持っていた刀を手に取って刃を鞘に戻す。
みすぼらしい着物を着た髪も整えていない野武士の姿である私。妙齢の女性と並んではいけないような汚さだ。
オルトも私の姿に息をのんでおり、傍聴人の声も大きくなっている。
「助太刀。銃の弾は切れる?」
エルゼの言葉に「ああ」と返事をして、私はガスラの前に立つ。
「俺と戦う奴はこいつか」
「ええ、そうです」
「随分と汚いな」
「腕は確かです」
ガスラは「これなら一発で倒せそう」と半笑いで呟く。本当に銃で戦うようだ。正々堂々、公明正大の精神はどこに行った。
まあ、いい。
私は一礼をして刀を右腰の位置にして左手で柄を握って、目線はガスラの目を見る。この行為にガスラはたじろぎ、舌打ちをする。
そしてエルゼが提示した証拠を思い出す。
小さな器のくせに尊大で男尊女卑な姿勢と物言いで見苦しい奴だ。
よろしい、決闘だ!
審判が「始め!」と言った瞬間、銃声が鳴り響いた。




