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09

荒野の探索を続ける俺達は、新たなモンスターを見つけた。

サンドバイパーという名前が見える3mはありそうな大蛇だ。しかも2匹いる!


「多分噛まれると毒になるっす!」


「解ってる!」


そして俺達は全速力で駆け出してサンドバイパーに突進する。

鎌首をもたげた蛇たちは迎撃の姿勢を取っていた。

俺は剣を正眼に構え、迎え撃つ体勢になった。


プシュッ!


「うわっ!!」


毒霧だ!

蛇は牙から毒液を発射してこちらにかぶせて来た。

メイは持ち前の機動力でバックステップして避けたようだが、俺はもろに浴びてしまった。


「いててててて目が痛い!」


思わずうずくまり目をおさえてしまう。

と、そこに蛇の一匹が予想もしない横っ飛びで折れに被さってきた!

動きがトリッキー過ぎる!


「ウワァ!」


大蛇が体にからみつき締め付けてくる!

痛ぇ!!


「……うぎ……くなろぉ……」


助けを求めるにも、メイは向こうで蛇の対処に追われている。

そしてこっちをしめる力は万力のようにどんどん強くなり、肋骨からビシッという音がした。


「いでぇ!!」


そしてその隙を逃さず蛇はもがく俺に向かってかみついてくる。

せめて首は守らなければ!

受けに回った左手が蛇にかみつかれ、腕から全身へと痛みが走る。

毒だ!


「あっ……がぁ……」


俺はとっさにジャッカロープに変身するが、毒や肋骨の痛みはそのままだ。

だが拘束がゆるんだ!

蛇の体を踏み台にして跳ね上がり、ヒトに戻って空中から蛇をねらう!


「チェェェェイヤァァァァッッ!!!」


しかし蛇も然る者で、そのまま体をバネのように弾ませてこっちに向かってくる。

だがおれは空中でへびの顔をいなすと、首のすぐ後ろにテブテジュをくいこませ、着陸にあわせてのこぎりの様に一気に引いた!


ガリュリュ!


そして蛇の首が半ば両断された。


「ふぅー」


残心 の間、気配が変わることはない。

これで勝ちだ。諸目でよかった。


さてメイの方は、というと。

カポエイラの様な体術で蛇の噛みつきをを交わし、いなし、時に噛まれても真鍮の脚には牙が立たない!


「リャァァーッッ!!!」


そして噛みつかんとつっこんできた鎌首を両足で挟み、倒れ込む要領で地面にたたきつけた!


その隙を逃す俺ではない。毒に視界はやられぼやけている、ゾンビに変身し、埋まっている鎌首に対しつかみ掛かり全力で握りしめて窒息死させた。


「勝った……のよね?」


「一応そうっすね。うぉー痛」


思わず肋骨に手が行く。


「大丈夫?」


「多分大丈夫っす。ちょっと肋骨折られたんすけど……」


「重症じゃない!とにかく町に帰って、宿かなにかで止まりましょう。


「そっすね…この状況では戦うのは無理っす」


そして俺は蛇の死体を見て思う。

きれいなもんだ、はぎ取り出来ないのが残念だな。


「あーはぎ取りの事考えてた?」


「……うん」


「うーん……よっし!」


「へ?」


「私が解体するわ!肋骨痛くてもある程度は手伝えるでしょう?」


「まぁ……努力するっす。」


そして俺とメイの蛇解体が始まったのだった


「うおっソウル!」


そのサンドバイパーのソウルは俺に吸い込まれ所持ソウルの中に入る。


「いいなー」


「まぁ、貢献度の問題なんすかねぇ」


そして俺は水袋を傾けて、目を洗う。

大夫と見える様になってきた。

その間ではメイが蛇の死体相手に四苦八苦している。

どう剥いだらいいのか解らないのだろう。


「手伝うっすよー」


「おねがい」


まず蛇ののど元からしっぽに掛けて真っすぐ切り込みを入れる。

ついで内臓を取り出し、腹腔を洗う。

そして大蛇の首を切り落としたら、次は皮剥ぎだ。

切り口の皮にいくらかナイフをさしこみ、剥く前哨にする。


「むくっすよーあいてて……」


「ふぅん、これでどうやって剥くの?」


「まぁ見てみるっすよ!」


べりべり……ビーッビビッビーーーーーッッ


蛇の皮があっさりと剥けていく。

見ていたメイは目を丸くしていた。


「っし!これで終わりっす」


「あとは毒腺のある牙っすね……」


「うーん」


長さ5cmほど、ふとさ1cmのまっすぐの牙である。それだけならいいのだが、内部に毒腺があり、これついていなければこの針の毒は供給されないだろう。何に使うにも困るものだ。


「やっぱ鏃とか吹き矢かな?」


「他もあるとおもうっすよねぇ」


とりあえずもう一つある蛇の頭は保留ということ鞄の中に詰められた。

で、とりあえずステータス欄も開いてみる。




ライト ヒト・スピリット

強さ:素人を少し超えた。


身体:結構動ける。

精神:そこそこ。

魔法:未知数。


所持スピリット

ヒト・スピリット

ゾンビ・スピリット

ジャッカロープ・スピリット


所持ソウル

所持ソウル

ソコラビット・ソウル×2

マンキー・ソウル

ボルフ・ソウル×2

フォレストビー・ソウル

サンドバイパー・ソウル




「ソウル結構たまったなぁ」


「私の方もよ……何かに使えないかしらねぇ」


「あれ…でも…なんか合成できる気が……」


「マジ!?」


「ここで合成してみるっす!」




『合成可能』


ボルフ・ソウル×ボルフ・ソウル=ボルフ


ボルフ・ソウル×ボルフ・ソウル×サンドバイパー・ソウル=レッサーオルトロス




「おお、二種類もあるっす」


「どんな内訳なの?」


「ボルフと、レッサーオルトロスっす!」


「えっ!?オルトロスですって!?」


「そうっす、知らないモンスターっすけど覚えあるすか?」


「ギリシャ神話に出てくる金羊毛の羊の番人よ」


私としてのお薦めは、断然オルトロスね、とメイは続けた。


「うーん、じゃあオルトロスになるっす!」


そして体から光球が飛び出し、しばらくぐるぐる回って一つになった後。俺の体に吸い込まれる。


「っじゃ、変身して見るっす!」


「おー!」


体が一瞬ぼやけ、自分は四足歩行の動物になっているな、という感覚がやってくる。

それより奇妙なのは顔の感覚だ。なんだか脳が二つあるみたいで並列試行を迫られている。これはきつい。


「ヴォン!」


鳴き声はボルフよりはるかに勇ましい。

そして気付いた事だが、しっぽは蛇らしく、何かを噛むことも出来るようだ。

あー……そういえばこんなモンスター見たことある気するよ。

で、メイはというと。


「ヤッター!かっこいい!オルトロスよオルトロス!まさか出来るとは!!」


……大変興奮していた。


「モフっていい?ねぇモフっていい!?」


『あー……構わないっすよベフッ!イタタタタ!」


「やーんこの毛のちくちくする感じーかーわーいーいー」


見た目、多分恐ろしげなモンスター何すけどね

しかも今の体格は黒い超大型犬といったサイズだ。

しがみつきさえすればある程度メイも運べるだろう。

……それはそれとして。


「肋骨折れてるんすよ!もちょい優さしくお願いするっす!」


「あぁごめんごめん」


彼女はそういって俺の体から起きあがったのだった。




ライト オルトロス・スピリット

強さ:素人を少し超えた。


身体:そこそこつおい。

精神:まぁまぁ。

魔法:火魔法が得意。


所持スピリット

ヒト・スピリット

ゾンビ・スピリット

ジャッカロープ・スピリット

オルトロス・スピリット


所持ソウル

所持ソウル

ソコラビット・ソウル×2

マンキー・ソウル

フォレストビー・ソウル




これがオルトロスのステータス何だが…


「火魔法!ついに魔法が来たっす」


「あー、魔法ってモンスターの生態なんだっけ?」


「だから鍛えればいろんな事が出来るようになるみたいなんすよ」


「そうねー、私も今に魔法持ちの変身手に入れてやるんだから」


そして俺達はもう少し荒野を探索したあと、町に帰る道を歩いていた。


「ここはモンスターまばらねぇ、レベリング向きじゃないわ」


「そっすねー、どこまで行っても赤い石ばっかり……鉄とか作れないかな?」


「あはは、またライトの物作り癖が出てきてるね!」


「気になると作らずに居られないんすよねー」


「何にせよ、それは明日にしましょう」


そっすね、そして俺達は西の門を通ってセーフティゾーンからログアウトしたのだった。



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