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「異世界は金で強くなるらしいので、現代から稼いで成り上がります」  作者: れいじ


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第77話「最初の試練」

第77話です。


ここから本格的に“試練”が始まります。


ローディアスが敗れたという事実。

それを目の前にして、レオンは初めて“願い”を口にしました。


ただ戦うのではなく、

“誰かを取り戻すための戦い”へ。


そして悠真。


これまで流される形で戦っていた彼が、

ついに自分の力で勝利を掴みます。


レベルアップ、そして新たなスキル。


ここが一つの転機になります。

 ――届かない。


 何度踏み込んでも。


 剣は空を切る。


 上空。


 白い羽を広げた存在が、静かに浮いている。


 距離が遠い。


 だが、それ以上に――近づけない。


「……っ」


 ローディアスは地を蹴る。


 踏み込む。


 その瞬間。


 光が集まる。


 避ける。


 だが、間に合わない。


 爆ぜる。


 衝撃。


 体が吹き飛ぶ。


 床を滑る。


 息が詰まる。


「……厄介だな」


 低く呟く。


 呼吸が乱れる。


 距離を支配されている。


 近づけない。


 削られる。


 それでも――


 立つ。


 剣を構える。


「まだ……」


 終わっていない。


 だが。


 光が満ちる。


 理解する。


 これで終わる。


「……そうか」


 小さく息を吐く。


 構えは崩さない。


「……悪くない戦いだった」


 次の瞬間。


 視界が白に染まった。


 


 ロペの館。


 三人は再びその中へ足を踏み入れた。


「ようこそ我が館へ」


 声が響く。


 前と同じ。


 決められた調子。


「これより試練を開始する」


 淡々と続く。


 悠真が小さく呟く。


「……どういうこと?」


 だが、レオンは動かない。


 聞いている。


「挑戦者は――」


「待て」


 レオンが割って入る。


 空気が止まる。


 声が途切れる。


 一瞬の沈黙。


「……なんだ」


 初めて、“応答”になる。


 レオンが言う。


「先に入った男がいるはずだ」


「ローディアスだ」


 間。


「……先の者は敗北した」


 あっさりとした答え。


 悠真が息を飲む。


「……マジかよ」


 レオンは続ける。


「……生きているのか」


「命はある」


「ただし、試練からは外れた」


 静寂。


 意味は分かる。


 だが。


「……ふざけんなよ」


 悠真が吐き捨てる。


 レオンは一瞬だけ目を伏せる。


 そして。


「……頼む」


 低く言った。


「こちらが勝てば」


 一拍。


「ローディアスを返してほしい」


 空気がわずかに揺れる。


「……ほう」


「願いか」


 間。


「いいだろう」


「貴様らが勝てるならな」


 条件は成立した。


 悠真が息を吐く。


「……マジでやるのかよ」


「やる」


 レオンは即答する。


 ダービラが言う。


「合理的だ」


「悪くない」


 その時。


 空間が揺れる。


「では――」


 一瞬の間。


「貴様らに与える最初の試練だ」


 気配が現れる。


 前方。


 一人の存在。


 白い羽。


 宙に浮く。


「……なんだ、あれは」


 悠真が呟く。


 レオンは構える。


「……来るぞ」


 天使が動く。


 速い。


 だが、見える。


 レオンが踏み込む。


 剣を合わせる。


 衝撃。


 互角。


「……通るな」


 小さく呟く。


 悠真も動く。


 レベルアップカードを発動。


 体が軽くなる。


 視界が広がる。


 踏み込む。


 横から入る。


 剣を振る。


 天使が反応する。


 受ける。


 弾かれる。


「……っ!」


 だが崩れない。


 戦えている。


 それが分かる。


 天使が反撃。


 悠真を狙う。


 速い。


 だが――見える。


 避ける。


「……いける!」


 思わず声が出る。


「油断するな」


 レオンが言う。


「分かってる!」


 ダービラが手をかざす。


「動きを鈍らせる」


 魔法。


 一瞬、天使が止まる。


「今だ」


 レオンが踏み込む。


 一撃。


 深く入る。


 天使が崩れる。


 悠真が追う。


 踏み込む。


 迷いはない。


 一閃。


 刃が通る。


「……当たった!」


 だが、まだ倒れない。


 天使は踏みとどまる。


 レオンが言う。


「畳みかけるぞ」


 三人が同時に動く。


 連携。


 崩れる。


 そして。


 悠真が踏み込む。


 一撃。


 深く入る。


 静止。


 次の瞬間。


 天使の体が光に変わる。


 消える。


 静寂。


「……やった勝った」


 悠真が呟く。


 その瞬間。


 視界に表示が浮かぶ。


 Lv.2 → Lv.3

 身体能力:+小

 反応速度:+小

 新規スキル:解放


「……また来た」


 さらに変わる。


 スキル獲得

 【斬撃波】


「……これ」


 剣を振る。


 空気が裂ける。


 見えない刃が走る。


「……マジかよ」


 ダービラが言う。


「興味深い」


 レオンが頷く。


「使えるな」


 悠真は剣を握る。


 強くなっている。


 はっきりと分かる。


「……いける」


 小さく呟く。


 空間が揺れる。


「ほう」


 あの声。


「勝ったか」


 一拍。


「ならば――次だ」


 空気が変わる。


 まだ終わらない。


 だが。


 もう違う。


 レオンは前を見る。


 悠真も顔を上げる。


 ダービラも動かない。


 ローディアスはまだ戻っていない。


 だが――


 勝てばいい。


 それだけだ。

第77話を読んでいただきありがとうございます。


今回は三つの大きなポイントがあります。


まずローディアス。


戦いの詳細は描いていませんが、

“敗北した”という結果だけを提示しています。


見えていないからこそ、

その強さや状況の厳しさがより伝わる形にしています。


次にレオン。


これまで冷静に状況を判断してきた彼が、

今回は“頼む”という選択をしました。


合理ではなく、感情。


この変化は今後にも関わってきます。


そして悠真。


初めて自分の力で勝ち切り、レベル3へ。


さらに新スキル【斬撃波】を獲得しました。


これにより、これまで届かなかった相手にも

対抗できる可能性が生まれています。


ただし――


試練はまだ始まったばかりです。


次回はさらに強い相手、

そして“本当の難しさ”が見えてきます。


引き続きよろしくお願いします。

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