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偽りの招待  作者: Than Nen
出会い
7/37

屋上7

『決定的なミスって何かしら??』



相変わらず、態度は変わっていない。


しかし、僕は見逃さなかった。


一瞬眉が上がったことに。


今までに無い、動揺とも取れる動作。


これは作為的ではなく、無意識なことであろう。



『では聞くが…』

『何故僕のことを知っている??』



そう、決定的なミスとは昨日の会話。


先ほどまでの会話を全て置き去りにして、勝負に出た。


何故、彼女は僕のことを知っていたのか…。


会話もしたことがなければ、同じクラスでもない。


それにこの学園は授業内容を自由に選択できると言う特徴がある。


僕は文系を選択していて、その中でも選択できる教科は多数ある。


しかし、その授業に彼女を見たことは一度も無い。


多数の授業を選択できると言うことは、それだけ生徒が多いと言うことになる。


学年に約400人近くがいるということを考えれば、一度も話したことがない人間の名前を知っているだろうか??


それに僕はサボリの常習犯だ。


彼女とすれ違う可能性は他の生徒に比べて少ない。



そして…


彼女は僕のことを断定的に聞いてきた。


普通他人の名前を確認するときは疑問系になる。


『神崎君ですか??』


あるいは


『神崎君??』


というような感じだ。


しかし彼女は


『神崎君でしょう??2年C組の??』


ご丁寧にクラスまで知っている。


もしかしたらたまたま知っていただけかもしれない。


ただ、それでは説明できないことがある。



『聞いたイメージと全然違うわね』



これが、決定打。


彼女は僕のことを知らない。


友人との話でたまたま僕の話題が出て、名前だけ知っているというような言い方だ。


初対面の相手の名前を一発で当てることができるのか??


いくら彼女が優秀でも、それは無理だろう。



『あら、それは迂闊だったわ』



今までの雰囲気が一変する。


不気味な笑みがいつの間にか消えていた。



『迂闊??冗談は止めてくれよ』

『これは君からの最大のヒントだろ??』



僕は言い切った。


先ほどの会話を含めて彼女はミスを犯していない。


ミスと思われている会話も、全て行為的。


そんな彼女がこんな些細なミスをするはずが無い。


だとすれば、残るのはただ一つ。


彼女の矛盾点を僕が追求するという図式しかない。


もしも僕が頭の悪い人間なら、この矛盾点達には気付かなかっただろう。


しかし、彼女はそれを僕が解くと理解した上で嘘を付いた。


となれば、僕のことをある程度知っていると仮定できる。



『全部、分かったんだ。鍵のこともね』


『そう…では聞こうかしら…』



そう言うと僕は、一気に言葉を畳み掛けた。

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