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俺と私は紙一重  作者: ねむ44
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泳げちゃうのよね、私

なんだよ、なんなんだよ。なんで…………


「こんなに見学者が多いんだよ……」


ギラギラと輝く真夏の太陽の下。俺は女子専用のビート板に両手を乗せて、水面にプカプカ浮かびながら独り呟く。

見学者用のテントはいかにもガラの悪そうな女子で埋まっていた。

ナイスバディーのくせによぉ…………。

ぺたんこの俺が頑張ってるってのに……!

男子とは違い、女子は未だにビート板を使った泳法を学んでいた。軽い軽い。余裕だね。


「せんせーい! すいませーん!」

「はい? 霜北さん、どうしたの?」


さあ、この辺りでちょっと遊んでみようかね。


「あのー、もっとばしばし泳ぎたいんですけど……」

「え!?」


え!?って、おかしくないか?

なんで中二で小学生レベルをやってんの?


「ダメですかね?」

「あなた……泳げるの?」

「よゆーですよ?」


男子は四泳法はもちろん、メドレーまでやっていたんだよ。しかも小学生時代に水泳教室に通っていたという実績もありだ。


「じゃあ、6番レーンで泳いでみて?

先生、あなたが本当に泳げるか見極めるから。」

「了解しました!」


軽い身のこなしでプールから上がり、水着を軽く引っ張る。男子の水着よりもぴっちりとしているというのが一番の感想だ。

先生には秘密らしいが、恵が日焼け止めクリームを塗ってくれた。女子にとって日焼けは厳禁らしい。


「よーし! 久々に思いっきり泳ぐぞー!」


帽子とゴーグルをセッティング。

プールサイドに立ち、くっしん、しんきゃく。

かーらーのー……飛び込み!


ザブンとスタイリッシュに水に入る。

人魚よろしく、ドルフィンキックで25mを泳ぎきる。

ぺたんこ最高!水の影響を受けないぜ!


「ぷはぁ! 気持ちいー!」


水から顔を上げると、俺は注目の的だった。

約30人の女子の目線が全て俺に向けられていたのだ。これを「視線で穴が空きそうだ」というのだろう。


「あははー……、どうもー。」


『『『『柚姫ちゃん、すごい!』』』』


無人だったはずの6番レーンに人が押し寄せてきて、割と小柄な俺は揉みくちゃにされる。


「あうー。」


この後、俺はたっぷりの撫で撫でを受けた。

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