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生徒会VS??? 前振り

祝!!! 5000PV突破!



「太一と伊藤は、明日も生徒会か? 今は普通の授業だからいいけど、もうすぐ異能力の訓練も始まるぞ?」



 二人が最初に生徒会に呼ばれてから、数日後の夜。

 俺は心配になっていた。

 彼らは連日、日中のかなりの時間を、生徒会の人たちを過ごしていた。

 それこそ、授業の遅れが気になるくらいに。

 太一は、チキンライスの上に卵をのせながら、



「それがなあ、なんか面倒なことになってて」



 ◆◆◆



 〈太一目線〉



「奇襲対策?」



 聞いたときに、思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

 それを不快に思ったのか、氷室会長の表情が冷たくなる。



「相手はルールなんて考えないような奴らだ。『四月中には生徒会の椅子に座ってやる』と断言されたら、こちらとしても対策をせざるを得ない。そんなこともわからないのか?」



 二年生たちのせせら笑う声。

 しかし、奇襲か。



「その二人って、どんな生徒なんですか?」



 伊藤の質問に、倉橋先輩が答える。



「一人は、《障壁》の異能力。もう一人は、《振動操作》の能力者。この子たちと同じ2年生だけど、実力は学年でもトップクラス。正直、生徒会の面子だけでは難しいの」



 何となく納得した。

 優哉と同じ《障壁》の能力者はともかく、問題は《振動操作》の先輩だ。

 その気になれば、大地震も起こせる、非常に危険な能力だ。

 衝撃波だって起こせるだろうから、真正面から衝突すれば、甚大な被害が出る。

 なにより、この能力は



「遠隔でも有効だから、俺の能力が必要ってことですね?」


「なんだ、やればできるじゃないか」



 機嫌は直してくれたらしい。

 要は、見えない場所からの攻撃を想定しているのだ。

 俺が呼ばれたのは、先輩たちの能力では、遠くの索敵は難しいからだろう。


 そうなると、伊藤が呼ばれた理由は。



「《障壁》の方ですか」


「……思った以上に頭の回転が早いみたいだな。そうだ。奴は近距離での戦闘に長けている。あの厄介な壁を突破しなければ、俺たちに勝機はない」



 優哉の能力ばかり見てきたから、忘れてしまっていた。

 《障壁》の能力者は、その《壁》の形を自在に変えることができる。

 それこそ、円錐の形にすれば、コンクリートの壁を突き刺せる槍になる。

 また、一見すると普通の壁に見えても、触れてみるとおろし金のように細かい刃状になっていて、大ケガをする場合もある。

 もちろん、形状だけではなく性質も変化させることもできるから、それを使ってトラップを仕掛けることもある。


 それでいて、省エネな能力なため、持続時間は最長の部類に入る。

 攻防に関して、非常に応用力の高い異能力なのだ。



「でも、《無効化》がこっちにいるなら、問題はない。さっさとゴミどもぶちのめして、平穏な生活を取り戻したいものだよ」



 氷室会長は勝利を確信したように、込み上げる笑いを押さえていた。



 ◆◆◆



「あれじゃあさあ、なんか、俺たちの方が悪役みたいじゃないか……?」



 全くもって同感だ。



「それに、生徒会の評判って、あんまり良くないんだ。軍人が家族にいるってだけで、なにやっても怒られないんだから」



 実際、春休みに二瓶さんを襲っていた連中もそうだった。

 もし彼女が一般人だったら、抵抗は許されず、体を差し出す結果になっただろう。



「そう考えると、その生徒会に楯突いてる二人ってスゲーな」



 興味が湧いてきた。



「優哉ぁ、余計なことするなよ?」



 俺の心情を察したのか、太一はきっちりと釘を刺してきた。



 ◆◆◆



 翌日も、伊藤と太一は生徒会に呼び出された。


 あの日以来、太一は俺の分の弁当しか作らなくなっていた。

 争奪戦を恐れるというよりは、食べる暇がないかららしい。


 ちなみに、あの争奪戦の翌日は、二瓶さんの予想通り、弁当には卵焼きが入っていた。

 彼女に食べさせてもらったものと、全く同じ味。

 羨ましい奴らめ!





 …………が、ここ数日、一つ異常事態が起きていた。


 夕方、寮に戻ってから、俺は二瓶さんを自室に呼んだ。

 玄関先で立ち話。

 話題はもちろん、太一の料理である。



「いや~、ビックリするほど同じ味だったよ。しっかし、なんでまた?」


「太一の料理を食べて、他の料理食べるくらいなら、再現する努力した方がいいと思わない?」



 ……納得。

 しかし、太一の行動には疑問がある。



「でもさあ、いくら作っても、相手に食べてもらえないんじゃ意味ないよね? なんか最近、おかずが()()同じなんだけど」


「あ~、やっぱり?」



 彼女曰く、「別に私に食べさせるわけじゃないんだけど、私のこと考えながら作ってると、中身は私の好みになるんだよね」


 ……

 …………


 なにこの熟年夫婦のような安定感。


 実際、太一の心情を反映するかのように、弁当のおかずは見事に偏っていった。ふたを開けると、いつも同じおかずとご飯。

 不味いとは言わない。飽きるわけでもない。

 ただ、あまりにも毎日同じ弁当だと、少し恐怖を覚えてきた。

 まるで機械で作ったかのような、そんな印象。


 俺もさすがに悪いと思って、自分で何とかすると申し出たのだが、「料理しない日を作っちゃうと、太一の精神が崩壊する」と二瓶さんからキツい忠告を受けた。

 いくらなんでもそれはないだろう、と太一に相談したところ、「……頼む、おまえ以外に弁当作れる余裕がない」と、若干スレスレな発言をしたので、おとなしく弁当はもらうことにした。


 しかし。

 なんだろう。味は悪くないのだが、最近の彼の料理からは、妙な重圧を感じる。

 この状態について二瓶さんは、「ストレスが溜まる→料理したくなくなる→いつもしていることをしなくなるので、調子が狂う→ストレスが溜まる」の負のスパイラルを回避するための苦肉の策だと言っていた。



「何がそこまでストレスになってるの? 二瓶さんがあのホルスタイン先輩に嫉妬してるの知ってるから?」


「それもあるけど、多分、こんなに長期間になると思ってなかったからだと思う」



 彼女が言うには、太一は規則正しい生活が習慣になっているので、夜8時に帰宅するなど、今までしたことがないのだとか。



「しかも相手が生徒会だし。あいつにとっては仇みたいなもんだよ。嫌いな人と長時間一緒にいるって、辛いでしょう?」



 今の太一にとって、生徒会の人たちと過ごす時間は拷問に近いのだろう。



「そっからご飯作ってってなると、あいつの体には相当負担かかってると思う。原動力がなきゃ、いまごろはあいつの料理は破綻してる」


「もしかして、その原動力ってのが、二瓶さんのこと?」


「…………」



 無言で照れてんじゃねーよ!!!!!!



 ◆◆◆



 このままでは、毎食がだし巻き玉子になってしまう。

 いや、もうなってるけど。


 卵の割合が高すぎる。

 3人分しか作ってないのに、1日で10個入りを消費するのは尋常ではない。


 俺は個人的に、生徒会と対立している勢力を調べることにした。

 春休みの一件で、俺は上級生にも広く知られていた。

 幸いだったのは、ほとんどの先輩方は、俺に悪印象を持っていなかったことだ。

 泣いて感謝した先輩もいた。

 ……あの3人、どれだけの人を泣かせてきたんだろう。


 それはともかく、生徒会に反抗する勢力について質問すると、快く教えてくれた。

 ただし、教えたあとになって、少し心配そうな顔をして



「でも、そんなの聞いてどうするんだ? まさか、あの二人に協力するのか?」


「いえ、そこまでする勇気はないです」


「まあ、いくら生徒会の奴らが横暴でも、君らに実害があるわけじゃねえからな」



 生徒会の評判はすこぶる悪かった。


 さて。



 教えてもらった情報をもとに、その二人がいるという場所に向かった。

 屋上とか、使われていない教室とかならベタなのだろうが、二人が根城にしていたのは、なんと()()()




 え、不登校?

今回、やや長編になりそうです。

主人公、ようやくガチ戦闘…………?





ブックマーク、文章・内容評価、ご感想を頂けるとモチベーションになりますので、よろしくお願いします!


次回は8月19日更新予定です。

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