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 channel. 

 






「ところでカラ」

「何だいウツロ」


「あの子たちはどうなんだい?」

「どうとは?」


「あの子たちさ。……まさかムクイにばかり世話をさせているから把握していないんじゃないだろうね? 幾らムクイが『管理者』ったって、この《保護区域》の『主』たるきみがそんな様で良い訳無いんだけど」




「わかっているさ、ウツロ」


 そんなに気にせずとも────カラさんの喉が鳴った。ウツロさんの声は聞こえない。黙ったのか。それとも兄だか弟だかの、ウツロさんにも判別付け難い兄弟の行動に苛立ったのかもしれない。

 



 やがて「とにかく、」口を開いたようだ。




「“時期”が近いんだから」




 そして口を噤んだ。もう喋る気など無いように。喋らないと、言うように。




 カラさんの「そうだな、」返答によっては。




「確かにそうだ。まぁ限界なんだろう。ここは───この《保護区域》は時間の流れが停滞しているから、実感としては薄いけれど。あの子たちがやって来て《外》では数十年経っている。……潮時、なんだろうね」




 声音はわざとらしい程に真剣でやはり嘘臭くて。舞台演技のデモテープを聴いている気分になる。

 

 ……いや。




 ラジオドラマ、のほうが正しいかもしれない。




「あの子の容体もそうだけど、何より最近は『王』がうるさい。頻繁に使者が来て、ムクイも大変そうだし」


「『王』……今は弟になったのか。前は父?」


「そう」




 短く、ウツロさんに返しカラさんが黙る。紅茶のポットを置いて来たから、案外注いで飲んでいるのかもしれない。次を継いだのはウツロさんだった。




「あの子たちも大変だ」


「あの子たちがいるから大変、とも言うけれどね」




 言葉の合間に噛み砕かれる笑い。



 

 予測した通り、今は二人の話題だった。




 王……『王』か。


 昨日の刺客を思い描く。




『王』。錬金術と技術の入り乱れた世界を統べる頂点。




『王』はあきらめないだろう。




 カラさんがこの《保護区域》を護る限り。




 二人が……玉響と刹那がいる限り。







 僕が『管理者』たる“守り人”でいる限り。







 あの《世界》は追って来る。







 【→It continues to 【3:楽園の条件】.】

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