68.side ダイアナ 2
泣きすぎたせいか朝から頭が少しボーッとする。
考えないようにしていても気付いたら頭の中はリアム様の事でいっぱいで……。
お昼休みになるとリオネル様がレティシア様を迎えに来て二人は仲良く教室を出ていった。
そんな二人を見るのが大好きだったのに今は少し羨ましい気持ちが勝ってしまう……。
私もお昼にしようと席を立ち上がると目の前に誰かが、立っていた。
見上げた先に居たのは……。
「リアム様…?」
「ダイアナ、すぐに見つかって良かった」
リアム様が笑顔で私の頭を撫でると周囲から黄色い悲鳴が聞こえてきた……。
突然、現れた騎士科の上級生に皆が注目している。
しかもリアム様は攻略対象なだけあって顔立ちはとても整っている。
皆の視線に気付いたリアム様が私の手を引いて教室から出るとお昼に誘われた。
「ダイアナはいつもここで昼休みを過ごしているのか…静かな場所で良いね」
いつもお昼を過ごしているベンチに並んで座るとリアム様が私に微笑みかけた。
「あの…私に何か用があって来られたのでは…?」
「ん…?あぁ、そうなんだけど…とりあえずお昼を先にいただこうか?」
リアム様と一緒に買ったパンを一口食べるけど緊張して味がしない。
「ダイアナと並んで座ってパンを食べてると昔に戻ったようだな」
「そうですね…」
昔、孤児院で私が焼いたパンをよくリアム様と一緒に食べた。
あの頃はリアム様が貴族だとは知らなくてたまに遊びに来る大好きなお兄ちゃんとしか思ってなかった…。
好きで好きでたまらなくて、いつもリアム様の後ろを追いかけた。
「昨日も聞いたが…ダイアナは、騎士科に何か用事があって来たのかい?」
「……」
「もしかして婚約者が騎士科に?」
「こ、婚約者なんて居ません!!」
思わず大声を出してしまい慌てて口を押さえる。
そんな私の様子を見てリアム様は吹き出した。
「ダイアナは元気な方が可愛い」
私の頭を撫でるリアム様の手は優しくてあの頃と変わらなかったけど…
私は何故か泣きたくなった。




