79話
ちょっと短いです。
そういえば、ジュリアがこの辺りを偵察してくれたんだっけ?
忘れてたよ、ホントにゴメン。
ヴィヴィのインパクトが強かった。
わざわざありがとう。
おっと、ヴィヴィも一緒に行ってくれたんだよね、ありがとう。
それで、何かあった?
杖……が落ちていた?
あぁ、ヴィヴィを封印していたアレ?
その封印を壊すのに利用したアレ?
……そういえば、気付いたら持ってなかったな。
落ちていたから、拾ってきてくれたのか。
うん、ありがとう。
見た目は、普通の杖だ。
長さは2m近くある。
特に、装飾されているわけではなく、シンプルな造りだ。
材質はよくわからない。
触ってみても、金属のようでもあり、木材のようでもある。
ただ、わかることもある。
これは『鍵』だ。
なんでかわからないけど、オレはそう思った。
地面に杖を突き刺した。
勝手にメニュー画面が浮かび上がる。
それにざっと目を通して、画面をタップした。
周囲の景色が変わった。
今までは平原だったのだが、急に石造りの部屋になったのだ。
ここは……お屋敷の地下室だな。
どうやらこの部屋は【空間魔法】を利用することで、部屋の面積を拡張させていたようだ。
さらに、幻を使って様々な光景を映し出すこともできる。
そうすることで、擬似的に広大な敷地を使える、というわけだ。
この部屋の機能を利用して、ヴイーヴルを封印。
そして、お屋敷内ををループさせて、万が一に備えていた、と。
何故、このような部屋があるのか?
何故、ヴイーヴルを封印することになったのか?
全くわからないけど、まぁ、そんなことはどうでも良い。
ヴイーヴルのヴィヴィはオレと契約したし、このお屋敷も、誰も使っていないようなので、オレが使わせてもらおう。
それで良いのだ。
お屋敷内をいろいろ見てみた。
先程までは、時間が止まっていたり、ループしていたりと、きちんと見られなかったんだし。
建物自体は、二階建ての10LDKだ。
一部屋一部屋はとても広く、天井も高い。
上水道はともかく、下水道もちゃんとあるし、風呂、水洗トイレも完備だ。
正直、この建物は、日本人が作ったんじゃね?
そう疑っている。
地下室は、運動場として使おう。
平原だったり、森だったり、昼、夜、雨天と、様々な状況に変化させられるのだ。
訓練にとても便利だし、あるいはピクニックとかにも使えそうだ。
魔法版VR空間とでも呼ぼうか。
とても面白い。
とりあえず、拠点となる家が手に入った──不法占拠だが気にしない。
ここを中心に活動しよう。
まずは……港町に戻らないと!
宿の部屋から転移して、そのままだったんだ!




