67話
正直、所持金が心許なくなったので、各ギルドに行きたいと思います。
『アイテム』の中の素材を売り払えば、それなりの金額になるだろう。
というわけでやってきた冒険者ギルド。
昼間から酒を浴びるほど飲んでいるムサい男たちがいるが、オレに絡まなければ、特に問題なし。
さっさと用事を済ませて、次に行こう。
魔物の死骸を売り、それなりに懐が暖かくなった。
形の歪な真珠について訊いたら、魔法使いギルドなら買い取るかも、とのことだったので、そちらに行くことにした。
魔法使いギルドでは、真珠を魔法の触媒に使うので買い取りたい、ということだった。
粉末にするので、形はどうでも良いのだとか。
ちょっと悩んだが、なかなかの金額だったので、売ってしまった。
まぁ、そのうちに、また手に入るさ。
職人ギルドでは、ポーションをいくつか売った。
船乗りに必須の品なので、いくらあっても構わない、と言われたのだが、そんなに持ってないよ。
時間があったら、作ろうかな?
そんなこんなで金策していたら、日が落ちてきた。
夕日が海に映り、良い景色です。
ディーネと二人で停泊している船を眺めていたら、お腹が空いたので、夕食を取ることにした。
あ、宿屋を探してない。
……やっばい。
こんな時間だけど、空いている宿屋、あるかな?
……………………
………………
…………
……
散々歩き回って、ようやく見付かりました。
もう完全に暗くなっている。
ただ、そのお陰で、良い宿屋があった。
なんと、風呂があるようだ。
時間を指定すれば、その間はいつでも使用できる。
なんてありがたい。
旅の汚れを落としましょう。
テンプレなら、良いところなのに客が少ないというバージョンは、地上げ屋がいて困っている、という展開があるが、この宿屋は違った。
単純に、立地が悪いのだ。
町の出入口も、各ギルド、商店、港、それぞれからそこそこ距離が離れている、という場所にあった。
何故か、と老店主に尋ねたら、
「わざとだよ。余生をあくせくして過ごしたくなかったんだ」
ということだった。
あまり詳しいことは訊かなかったが、そこそこに生活できれば、儲からなくても、それで良いのだという。
羨ましいことだ。
オレもいつかはそんな暮らしがしたい、と思った。
将来の夢として、考えておこう。
美味しい夕食を頂いて、風呂に入った。
あー、最高です。
普段から、水に不自由はしていないので、こまめに身体を洗っていたけど、たっぷりのお湯に浸かるのはやっぱり別物だな。
さっぱりとした気分で、部屋に戻る。
ディーネに冷たい水をもらって飲んだ。
コーヒー牛乳が飲みたい。
どこかに、コーヒー豆ないかな?
いつかは見付けてやる。
そして、風呂上がりにコーヒー牛乳を飲むんだ!
さて、戯れ言はともかく。
今夜のこれからのことを考えよう。
・部屋で休む→却下
その必要はないし、することがなくて、暇である。
ただ、必要に迫られて、そういう機会があるかもしれないから、暇潰しの道具を探しておくべきだな、本とか。
ポーション作るとか、【錬金術】を研究するとかあるけど、いつでも良いしな。少なくとも、今ではない。
・魔物狩り→保留。
今まで散々してきた。
しなければならない理由は今のところないが、やらない理由もないので、保留に。
・移動→保留。
この宿屋を拠点に、この大陸を探索する。
水を使った疑似ワープが可能なので、夜の時間を利用して、うろつき回る、というのもアリだと思う。
・森の中→保留。
正確には、メルガルド大森林の中の、謎のお屋敷のことだ。
気になります。
何故、あんな森の中にお屋敷があるのだろうか?
誰が、いつ建てたのか?
どうして、魔物だらけの森の中にあって、壊されていないのか?
疑問が尽きない。
本当に気になる。
行って確かめたいが、夜中というのがネックだ。
暗い中でははっきりしないのでは、とも思う。
うーん……。
どうしたものか?
よし、決めた!
夜中の暗い間は、お屋敷の周囲を探索する。
あまりにも危険なようなら、お屋敷も諦めよう。
そして明るくなったら、お屋敷を探検だな。
時間がかかるようなら、適当に宿屋に戻って、改めて行けば良い。
よーし!
気合い入れて行くぞ!




