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172話

 午後4時。ダンジョンに突入します。


 ジュリアとヴィヴィ、ユミルを召喚して、配置に付かせる。

 そして、ディーネとアヤノさんは後衛に。

 オレは前だ。


 本来ならば、アヤノさんを前衛にするところだけど、今日は後ろに。

 何故なら、オレの剣の稽古を兼ねて、魔力による強化の変化に身体を慣らさないとならないからだ。

 アヤノさんは比較的早く慣れたのだけど、オレはもう少し時間が必要なようだ。

 実戦の中で、さっさと慣らそう。


 では、行くか。

 二、三時間くらいしかないから、サクサクと進めましょうかね。




 オーガが良い練習相手です。

 最初は動きに加減が上手く出来ず、オーバーな動作が多かった。

 相手の振り回す武器を避けるにも、懐に入ろうとしたら、体当たりして吹き飛ばすくらいだったのだ。


 一緒に現れたオークなんか、脛を蹴ったら骨が砕けてしまった。

 オレとしては、足払いのつもりだったのだけどね。


 こんなんじゃダメだ。

 頭に思い浮かべた動作を、正しく過不足なくこなさなければ。

 仲間との連携が覚束なくなって、危険に晒してしまうではないか。


 もう少し練習を続けたいと思います。


 でも、先にも進みたいなぁ。

 地下二階に行く階段は、どこにあるのだろう?




 よしよし。

 身体はもう慣れた。

 アヤノさんからも、及第点をもらうことが出来たぞ。

 まだまだ精進する必要はあるけどね。


 うん。

 やっぱり実戦の中で、怪我をしながらだと、身に付くのが早い。

 オーガの棍棒を避けながら、そう思う。


 ぶぅん、という風切り音を耳で聞きながら、目は周囲にいる別のオーガを見遣る。


 ジュリアは盾でオーガの足止めをしていた。

 心配はいらないかな、あれなら。

 あ、メイスでオーガの足の指を潰した。痛そう。

 あれを倒すのも、時間の問題だね。


 ヴィヴィは空中殺法を繰り広げている。

 ふむ。

 あれは参考になる。

 でも、背中の羽ありきの動きなんだよなぁ。真似し辛い。


 っと、背後から矢が飛んできた。

 ユミルだな。

 相変わらず、正確無比なワンショットキルだ。

 眼球に矢が突き刺さるだなんて、嫌すぎる死因だし。


 オーガの後方から石が投げられる。

 でも、心配はいらない。

 水のカーテンがオレたちの周りを囲う。

 ディーネの仕業だ。

 オーガの投石ごときなら、十分過ぎる支援となり、遠距離攻撃なんて怖くない。


 む?

 オーガの破れかぶれの特攻で、別のオーガを相手していたオレの背後に抜けられてしまった。

 バスケでいうスクリーンと一緒だ。オーガの癖に、生意気な技術を使うんだな……。

 しかし、無駄なことである。

 石斧をユミルに振り下ろそうとしたその瞬間、そのオーガの胴体が両断されている。

 アヤノさんの居合い術だ。

 後衛の守りにアヤノさんがいるのだから、不安など全くないね。


 一〇体以上オーガが現れたときはどうなるかと思ったけど、さほど苦労しないで全滅させることが出来た。

 通路の大きさから、それ以上の戦力に囲まれることはないだろうから、地下一階の魔物と戦うのにもう問題はないだろう。

 もちろん、油断はしないけど。


 後は下に降りる階段を見付けるだけだ。

 でも、もう時間切れです。

 帰りましょう。


 アヤノさんは残念そうだけど、こればっかりはね……。






 家に帰って、夕食の時間です。

 今日の献立は何だろうな?


 いろいろな豆を煮込んだスープだった。

 トマトベースで、様々な香辛料が使われているので、見た目よりも複雑な味で驚いた。

 ドワーフの伝統的な料理なのだと、レベッカが言っていた。

 他にも、鶏の唐揚げなど、美味しそうな料理ばかりだ。


 しかし、このスープは辛い。

 酒が進むと言って、クライネ師匠はパカパカと杯(さかずき)を空けているけど、気持ちはわかる。

 オレも久し振りに飲んでしまった。

 【状態異常無効】があるから、酔えないんだけどね。

 美味しかったから、満足です。


 えー?

 何故ディーネは一口飲んだだけで、倒れるの?

 水の精霊ではないか。

 だから、より良くアルコールが吸収される?

 そういうものなんですか?

 仕方ない。

 少し休んでいなさい。

 ん?

 ヴィヴィとエリーゼが看ててくれるのか。じゃあ、お願いするよ、よろしく。

 ジュリアとユミルとレベッカは、師匠と一緒に飲み続けているしな。

 ついでに、この酔っ払いどもの面倒も頼んだよ。


 あ、アヤノさんは飲んだらダメ。

 未成年の学生なんだから、禁止ですよ。

 異世界だから、とかは関係ない。

 このあと勉強するんだから、我慢するように!

 ほら、行くよ。

 逃げないと、絡まれる。

 そうじゃないと、勉強どころではなくなるんだから!




 別室に移動して、勉強タイムです。

 微かに、クライネ師匠とレベッカの騒いでいる声が聞こえる。

 まあ、これくらいは許容範囲内だね。


 ニューカント王国の成り立ちを勉強しよう。

 生き証人であるクライネ師匠に話を聞きたかったけど、酔っているので諦めよう。

 また、次の機会にでも。


 学院でもらった資料を読みながら、参考文献で確認する。

 わからないことがあれば、載っていそうな本を調べる。


 異世界に来ても、やっていることはそんなに変わらないなぁ。


 そんなことを思うとおかしくなってしまい、アヤノさんに不審に思われた。けど、考えていたことを話すと納得してくれて、結局二人でクスクスと笑いながら、勉強を続けるのだった。


スキル

不死 状態異常無効 超回復 

杖の才能 魔法の才能 高速思考 

夜目 魔闘撃 魔力制御 魔力操作

魔法並列起動 バランス 身軽 

空間把握 空間機動 空歩  

杖LV.12 剣LV.11(+1) 体術LV.11 盾LV.11(+1) 

投擲LV.10 必中LV.12(+1) 回避LV.12(+1) ジャンプLV.10 

ダッシュLV.11(+1) 耐久走LV.1(+1) 解体LV.10 

危険察知LV.11(+1) 錬金術LV.11 結界術LV.11

召喚魔法LV.12 時空魔法LV.9(+1) 

火魔法LV.10(+1) 水魔法LV.10 風魔法LV.10 

地魔法LV.10 氷魔法LV.10 雷魔法LV.10

光魔法LV.11(+1) 闇魔法LV.10 無魔法LV.12(+1)

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