167話
午前5時になりました。
未だに、ダンジョン地下一階にいる。
ここのダンジョンは、どうやら相当広いようだ。
数時間探索しているけど、階段はおろか、端にすら辿り着けない。
これは数日かけて、腰を据えてやらないとダメだな。
元々時間をかけるつもりではあったけど、その思いを強くしました。
それに魔物も多い。
オークにオーガ、スライム、蝙蝠、さらに大蜘蛛や大蟻などの昆虫もいて、それがひっきりなしに襲いかかってくる。
魔物を無視すれば、もう少し探索が進んだかも?
そうは思うけど、ま、最初だしどんな魔物がいるのか把握するまでは、慎重に行くべきなんだろう。
ユミルを加えた連携がスムーズに行って、戦闘が楽しくなってきていたのは、内緒です。
そうだな。
放課後にはアヤノさんを加えてまたダンジョンに潜るつもりだから、そのときは探索を優先しよう。
では、戻るとしますか!
……戻る時間を考慮に入れてなかった。
転移の用意を怠っていたのでした。
反省……。
家に着いたのが、午前6時30分。
本当なら少し勉強したり、軽い稽古をする予定だったけど、時間が中途半端になってしまった。
どちらかしか出来ないな……。
仕方ない……。
今は勉強をしよう。
ある程度予習をしておかないと、授業についていけないからな。
それは時間の無駄になる。
ちょっと身体がウズウズしているけど、それは我慢するしかない。
「おはようございます」
「ダンジョンに行っておったのか? もう朝稽古は終わるぞ」
「スミマセン。時間を忘れていました」
アヤノさんとクライネ師匠がやって来た。
二人とも汗だくだな。
『清浄』の魔法で、汗やら汚れを取り除く。
「ありがとうございます」
「ダンジョンはどうだったんじゃ? 攻略出来そうか?」
「かなり広いみたいですし、魔物も多くて、時間がかかりそうです。
ま、ゆっくりやりますよ」
「そうか……」
軽く頷いて、クライネ師匠は家の中に入って行った。
オレもアヤノさんと一緒に戻る。
朝食まで勉強しなければならない。
あまり時間はないから、効率良くやりましょう。
もっと一日の時間が長ければ良いのになぁ……。
勉強を終えて、朝食を食べて、学院に行く。
そういえば、十数年前はこれが当然の生活をしていたんだった、と思いながら、教室に入り、着席している。
懐かしいというのか、何なのか。
それにしっくりする語彙を考えてみるけど、微妙にわからない。
頭の上を飛び交う雑音を聞き流しながら、そんなどうでも良いことをつらつらと思い浮かべ、現実逃避する。
教室に入った瞬間、レオナルド殿下とイザベラ公爵令嬢が待ち構えていた。
昨日の模擬戦がどうしたとか、殿下に色目がどうとか、物凄く騒々しい。
アヤノさんを見ると、教科書を読んでいて、ほぼ聞き流している。
勉強していますよ、というポーズなのだが、お二人には全く通じていない。
というか、自分の話したいだけ話しているので、周りが何していようが、気にしていないようだ。
まぁ、そんなだから、こちらも話を聞き流しているのだけど。
しかし、これが続くようなら、何とかしないといつまでもこのままだよね。
軍曹先生に相談してみようかな。
おっと。
チャイムが鳴った。始業時間だね。こういうのも懐かしい。
昨日はそんなこと思わなかったから、それだけ余裕がなかったのかな? オレも緊張してたみたいだ。
オレはそんなことを考えながら、教室に入ってきた軍曹先生の顔にビビりつつ、授業に集中するのだった。
昼休み。
アヤノさんを昼食に誘おうとする王子様と、それを邪魔したいイザベラ嬢を撒き、オレたちは職員室に向かった。
軍曹先生に王子様たちのことを相談するためだ。
休み時間の度にオレとアヤノさんのところにやって来て、キャンキャン騒々しいので、何とかして欲しい。
それと、昨日の模擬戦が納得いかなかった様子の王子様は、今日も相手をするように言われたのだけど、正直言って面倒なので、それも軍曹先生に相談したい。
というか、普段はどうしていたんだろう?
王子様相手に、どこまでやっていたのか、どういう対応が正しいのか、ちょっと教えて欲しい。
「──というわけなのですが……」
「ふむ。貴様らニホンジンは、そういった礼儀作法はあまり気にしない、と聞いたことがあったが」
「確かに気にすることは少ないです。貴族なんていないですから。
ですが、日本以外の諸外国の中にはそういう国もある以上、完全に無視は出来ません。
というか、日本にも皇族がいらっしゃるので、全く気にしないわけではないです。
関わることはほぼないですけど……」
アヤノさんが軍曹先生に説明している。
オレは記憶喪失ということになっているので、一歩引いている。
まぁ、常識とか、そういった部分は覚えている設定なので、王族の対応はどうしたら良いのでしょう、というのも不自然ではないはず。
「そうか……。
ならば言うが、この学院にいる以上、殿下であろうと、ただの生徒である。
どういう対応をしたところで、不敬罪になるということはない。
少なくとも、殿下や我々教師がそういったことで罰することはない」
ほっ。良かった……。
「……という建前になっている」
って、おい!
何だ、その言い方!
不安になりますよ!
「そんな顔をするな。
我々は人である以上、全て本音をさらけ出して生きてはいけんのだ。
……そうだな。
殿下やイザベラ嬢のことについては、こちらで何とかしよう。
貴様らは殿下たちに対して、他の生徒と同じように相手すれば良い」
むぅ。
これは……どうにもならないかもな。
軍曹先生が彼らに、どういうOHANASHIをするのか、そして、その後の王子様たちがどういう対応をオレたちにしてくるのか。
それ次第で、オレたちも対応を決めないと。
オレは思わず出てしまう溜め息を、我慢するしかないのだった。
スキル
不死 状態異常無効 超回復
杖の才能 魔法の才能 高速思考
夜目 魔闘撃 魔力制御 魔力操作
魔法並列起動 バランス 身軽
空間把握 空間機動 空歩
杖LV.12 剣LV.9 体術LV.10 盾LV.10
投擲LV.10 必中LV.11 回避LV.11 ジャンプLV.9
ダッシュLV.10 耐久走LV.9 解体LV.10(+1)
危険察知LV.10 錬金術LV.11 結界術LV.11
召喚魔法LV.12 時空魔法LV.8
火魔法LV.9 水魔法LV.10(+1) 風魔法LV.10
地魔法LV.10 氷魔法LV.10 雷魔法LV.10
光魔法LV.10 闇魔法LV.10 無魔法LV.11




