144話
ダンジョンから出て、港町で売り買いをする。
売る物に関して、あまり良い素材がなかったけど、量は多かったので、金額はそこそこだった。
魔物が身に着けていた鉄製の武具は錆びてはいたものの、回収してあるので、時間が出来たら【錬金術】でインゴットにしようかな?
それを売れば、それなりに儲かるだろう。
もしくは、自分で使おうかな?
いろいろお店を回って、豆類を探してみたが、種類自体はあまりないようだ。
ただ、小豆っぽいのを見付けた際には、アヤノさんと二人でガッツポーズしてしまった。
餡こ、ゲットだぜ!
ついでだし、天草ないかな? 寒天作れば、アンミツが食べられそうだ。
オレは、酒よりは甘味の方が好きなので、正直嬉しい。
おはぎを食べたいけど、そうなると、やっぱりお米の問題になる。
アーガスト聖王国、いつ行こうかな?
お屋敷に戻ってから、庭でクライネ師匠と精霊──ジュリアとヴィヴィとで、模擬戦をする。
後から、ディーネとアヤノさんも参戦するだろう。
正直言って、一対三で勝てるとは思えない。
師匠だって、そんなことに期待していないはず。
それよりは、如何にして三人がかりの攻撃をしのぎ、防御して、負けないようにするか、だ。
その立ち回り方を学んでいる最中である。
三人が半包囲して攻めてくるのは、最早いじめとしか思えないけど、なるべく致命傷は避けて、避けきれない攻撃は受けてしまっても、すぐに距離を取るか、あるいは詰めるか、その辺の判断を素早く出来るようにしたい。
これに加えて、ディーネとアヤノさんが参戦すると、もう何も出来ないまま、蹂躙されてしまう。
【超回復】が追い付かないペースでダメージを受けることさえあるけど、ちょいちょいっとディーネが回復魔法を飛ばしてくるので、簡単にやられることなく、この地獄は続くのだ。
お子様には見せられない光景です。
あ、エリーゼには見せてないよ。まだ、未成年だからね。
なんやかんやあって、模擬戦は終了。
まぁ、少しずつ、一回の戦闘時間は延びている。
最初の頃は、数秒も立っていられなかったけど、今では数分、調子良いと十分近くは続けられるようになった。
これって、凄いことだと思うのだけど。
ちっとも誉めてくれないけど、調子に乗りがちなオレは慢心したくないので、その配慮をありがたく思います。
この模擬戦で溜まったストレスは、美味しい夕食と、その後に行く森の中の魔物で、解消したいと思う。
覚悟していて欲しい。
さて。
夕食は何かな?
魚介類と野菜をふんだんに使用した鍋物でした。
二種類あって、一つは塩味のあら汁風鍋。
もう一つは、味噌を使ったものだった。しっかりと出汁が出ていて、それが味噌と合って、とても美味しい!
オレが作った味噌は、ちょっと違う、微妙な感じだったけど、出汁がしっかりとしていると、十分に美味しくなるようだ。
もっとも、アヤノさんはちょっと納得していない様子でした。
「魚介類が美味しいから、それで誤魔化されているように思えます。
これが豆腐単品のお味噌汁なら、恐らく、物足りなく感じるでしょうね」
とのことだった。
なかなか厳しい評価だけど、わからなくはない。
豚汁にするとか、野菜を何種類も入れて具沢山の味噌汁にするとか、そんなふうにするしかないかな、今のところ。
ちなみに。
豆腐は、いつの間にかアヤノさんが作っていた。
大豆ではなくバカマメで、だったけど。
少量なら、それなりに手軽に作れるそうです。
スゴいね!
もう一つ、ちなみに。
鍋のシメは、うどんだった。
朝に仕込んだそうだ。
うどんが打てる女子高生。
スゴいね!
美味しい夕食の後は、森の中で狩りです。
昨日は猿の魔物と戦ったので、今日は別の魔物──鶏の魔物にしたいと思う。
単純に、鶏肉が食べたかったのだけど、そんなのまで森にいるとは思わなかった。
ディーネに聞いてみて、正解だったね。
そのディーネの案内で、目的地まで転移する。
そこには、周囲に散ってはいるけど、結構な数の鶏がいた。
夜中だからか、大人しくしているようだ。
それにしても……デカイなぁ。
1mくらいはあるかな? 恐らく雄鶏だと思う。その周りに、少し小さい身体の雌鶏が数羽いる。
ハーレムか、鶏のくせして。ちくせう!
脚が物凄い発達していて、あれで蹴られたら、骨が折れそうだ。
逆に言うと、モモ肉がとても美味しそうです。
じゅるり。
これだけいれば、しばらく鶏肉に不自由はしないな。
よし。ヤるか。
「「「「「ケコォォォォオオッ!!!」」」」」
うわっ!?
しまった!?
奇襲しようと、コッソリと近付き、魔法で狙撃したのだけど、一羽逃してしまい、慌てて追いかけたら、別の群れの鶏たちを刺激してしまった。
その鶏たちが一斉に鳴くと、さらに離れた場所にいる群れの鶏たちも鳴き出し、大変なことになった。
簡易マップを見ると、周囲の反応がどんどん近付いて来る。
その数は、余裕で百羽を越えそうだ。
マズイ。
昔にやった、緑の服を着た回転切りする剣士がお姫様を助けるゲームを思い出す。
無害な鶏をチクチク攻撃していると、突然大量の鶏が逆襲してくるのだ。
多分、誰もが一度は、やったことだろう。
……そんな現実逃避的な思い出はさておいて。
どうやって、この状況を打破出来るか考える。
もう囲まれているので、逃げられない。
ならば、迎撃するしかない。
相手は、飛べないただの──かどうかわからないけど──鶏だ。
背後からの攻撃に注意しつつ、【結界術】で防御をしながら、少しずつ撃破していこう。
おりゃー! やってやんよ!
終わったか……?
周囲には、鶏たちの死骸が散乱していた。
簡易マップを見ると、魔物の反応はもうない。
離れていくのがあるけど、これは逃げているのかな?
あぁ、良かった。
無事に済んだ。
オレだけ怪我があるけど、すぐに治る。
いつ怪我したのか、あまりよく覚えていない。
それだけ無我夢中だったんだろう。
「『アポーツ』」
魔法で死骸を回収しながら、時間を確認すると、もうすぐ夜が明ける頃であることに驚いた。
そんなに、経っているのか。
どんだけ戦っていたんだよ、全く。
もう、帰ろう。
そして、思う。
鶏には気を付けよう、と。
スキル
不死 状態異常無効 超回復
杖の才能 魔法の才能 高速思考
夜目 魔闘撃 魔力制御 魔力操作
魔法並列起動 バランス 身軽
空間把握 空間機動 空歩
杖LV.11 剣LV.9 体術LV.10(+1) 盾LV.9
投擲LV.9 必中LV.11 回避LV.11(+1) ジャンプLV.9(+1)
ダッシュLV.10(+1) 耐久走LV.9(+1) 解体LV.8
危険察知LV.9 錬金術LV.10 結界術LV.10
召喚魔法LV.11 時空魔法LV.7(+1)
火魔法LV.9 水魔法LV.9 風魔法LV.9
地魔法LV.9 氷魔法LV.9 雷魔法LV.10(+1)
光魔法LV.9 闇魔法LV.10(+1) 無魔法LV.11(+1)




