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前世の俺は攻略キャラだったらしい  作者: 弥生 桜香


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攻略キャラとの出会い1

「えっ……。」


 放課後家路につこうとした和希は目の前にいる、だけど、本来ならばいるはずのない人物に思わず足を止め、自分の目を擦る。


「和希ちゃん、どうしたん?」

「あっ、ううん、えっと。」


 今隣にいるのは瑛瑠だけだった。

 紅葉は剣道部に頼まれごとがあり、連行されてしまい、それに桂子がついていったのだった。

 だから、こうして一緒に帰るのは瑛瑠だけとなり、和希はいつものように帰ろうとした。


「……あー、目の前のイケメンなにーちゃんに目を奪われたん?」

「………。」

「へ?冗談やろ、和希ちゃんっ!」


 黙り込んでいる和希に冗談を言った瑛瑠は顔を青くしながら和希を揺さぶる。


「ちょ、瑛瑠ちゃん…、気持ちわるい…。」

「……お前、何やっているんだ。」


 和希たちの奇行に耐え切れなかったのか、和希を混乱の渦に陥れた冬牙が彼女の傍にやってくる。


「日向さん、何でこちらに。」

「……。」


 和希の問いかけに冬牙は黙り込む。


「和希ちゃん、和希ちゃん、このイケメン誰やの?」

「あー…。」


 瑛瑠は興味津々というような目をしているように見えるのだが、長年傍に居た和希が気づいてしまった。

 瑛瑠が冬牙に警戒を抱いている事に下手な答えをすれば冬牙は容赦なく彼女たちの討伐対象に入ってしまうだろう。


「夏子さんの知り合いの方よ。」

「……。」


 和希は無難な答えを言ったつもりだったが、スッと眇められた瑛瑠の表情を見て失敗したように思った。


「ふーん、夏子さんの知り合いの方ね。」


 気温が下がったような気がした、でも、それも一瞬だった。


「うふふ、うち、西瑛瑠っていいます。」

「……。」


 瑛瑠はニコニコと笑いながら手を差し出すが、冬牙はその手を決して取ろうとしない。


「……日向さん。」

「………。」

「……。」


 戸惑う和希。


 ジッと見つめ合う、否、静かに睨み合う一組の男女。


 いつまでこの沈黙が続くのかと和希が胃を痛めるが、それも意外な形で収まることなる。


「……ってっ!」

「……かよ…。」

「……そ…。」

「日向っ!」


 誰かが冬牙の名前を叫び、和希が振り返えると、こちらの方に三人組の男と、それを追いかける私服の男性がいた。

 正直和希は理解していなかった、でも、反射的に体が動く。


「退けっ!」


 男の一人が自分の目の前にいる和希を牽制するように腕を動かすが、それよりも、先に和希が動く。

 男の力を利用し、和希は男をまず、一人沈める。


「がっ!」


 男はいきなりで対応できずに、呻き、そして、和希は容赦なくその無防備な腹に一撃を食らわす。


「ぐっ!」


 苛烈な一撃を食らった男は顔を顰める。

 当分動けなくなったと判断した和希は次の男に対峙する。


「何だ、この女。」

「くそ、後ろからも来ているぞ。」

「……。」


 男の一人は無防備そうな瑛瑠を見つける。

 しかし、それよりも先に和希が瑛瑠を庇うようにして立つ。


「……何が何だか分かりませんが、取り敢えず、お話ししましょうか?」

「……。」

「……。」


 男たちはギッと和希を睨む。


「和希ちゃん…。」


 男たちは互いに目を交わし、そして、一人は真正面から和希を狙い、もう一人は後ろから和希を狙おうとした。


「甘いですね。」


 和希はポツリと呟き、目の前の男をまず、体をかがめて無防備な腹に向かって拳を吐き出す。

 男がくの字になった瞬間、足払いをして、二人目を沈める。


「このアマが。」

「……。」


 和希の隙を狙おうとした男は逆上し、和希に殴りかかるが、それよりも早く何かが飛んでくる。

 和希はそれを知っていたのか易々と体を捻り、自分だけ逃れる。


「汚い、手、触れるな。」

「その汚らわしい手で和希ちゃんに触れないでくれるかしら?」


 般若の如くすごむ紅葉と、その後ろで紅葉の言葉を補足する桂子が校舎を背に立っていた。

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