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前世の俺は攻略キャラだったらしい  作者: 弥生 桜香


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 その日珍しく、和希は一人教室で昼食を食べていた。

 因みになぜ、そうなったのかはあの自習のあの三人の行動にあった。

 つまりは、ボイコットした二人と、時間内に課題を終わらす事が出来なかった一人の為に教師の大切な休憩時間が犠牲になったのだ。

 三人はすがるように和希を見たが、彼女は自業自得だとニッコリと慈母のような笑みを浮かべながら三人を見送った。

 瑛瑠と紅葉は往生際が悪かったが、桂子が二人をズルズルと引きずるように連れていく。

 和希は一人落ち着いた昼休みを楽しんではいなかった。

 いつもは騒がしい程の昼食の為、今は物足りなかった。

 そして、朝も一人で食べていた為、流石の和希も堪えていた。

 気づいた時にはお弁当を食べきっており、和希は時計を見る。

 まだ昼休みが終わるまで時間があるし、紅葉が戻ってくるのだって、授業間際に決まっているので彼女は学生カードを持って立ち上がる。

 そして、すれ違う何人かは和希が一人歩いている事に驚いた顔をしているのだが、残念ながら和希はその事に気づいていない。

 何せ彼女は自分が目立つ存在である事に気づいていない。

 目立つのはあの美人ぞろいの三人がいるからと、本気で思っている。

 そして、その三人が常にいる為に、今回彼女一人で歩いている事にそれを知っている人たちは驚いているのだ。


「か、かんざきさんっ!ーーっ!!!!」


 誰かが和希を呼んだと思い、彼女は振り返るがどこにも、その声の人物はいなかった。

 気の所為かと、和希は首を傾げる。

 気を取り直して和希は図書室に向かう。

 因みに和希に声を掛けようとした人物は和希を「姉」または「母」と慕うファンクラブの人に沈められた。


「神崎姉さまに手を出さないでちょうだい。」

「部隊長、A地点で。」

「分かった、は部隊長、そっちは任せたわ。」

「い部隊長、了解したわ。」


 影で暗躍する存在がいる事に当の本人の和希だけが知らない。

 因みに和希のファンクラブの隊長は桂子、副隊長に瑛瑠、紅葉がついている。

 そして、小部隊に「い、ろ、は、に、ほ、へ」までいて、今後「と」の部隊まで作られる予定だ。

 おまけに言えば、そんなファンクラブがあるのは和希だけだ。

 そして、何故だか自称ヒロインも妨害に遭っているのに、和希に接触しているために、今日の彼女たちの働きは切れていた。


「絶対に、お姉さまの平和はわたしたちが守るっ!」

「「「イエッサーっ!」」」


 こうして、人知れず和希は守られているのだった。


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