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ネオス級への昇級クエスト

GW初日ということで、本日3つ目の投稿です。

 次の日、家から出ると、ウィットが仁王立ちで待っていた。


「えっと、おはようございます?待ってるのなら、なんでノックしなかったんですか?」


 いつから待っていたか分からないが、春とは言え、朝は冷え込むだろう。


「そんなことは今更どうでもいいわ!それで、大事なのは昨日よ!昨日!」

「昨日?タニシをなんとか倒しましたね。」

「大事なのは、その後よ!」

「2人で飲みに行ったことですか?」

「そのあとは?」

「そのあと?ウィットさんの家がわからなかったので、困っていたら身長2mくらいはある大男に話しかけられましてね。なんでも、ウィットさんのお父様ということで、ウィットさんをおぶって行きました。」


「それで、父と話したの?」

「そうですね。人さらいだったら一大事なので、少しウィットさんについて教えていただきました。ウィットさんって、憧れの冒険者がいるんですね。」


「まぁいるわ。それで、他には何か言ってなかった?」何かを気にしているようだ。

「そんなにちゃんと話したわけではないので、それくらいですよ。それにしても、お父様の身長に対して」「それ以上言ったら、耳に大きな大きなピアス穴が空くことになるわ。」ウィットは懐からダガーを構える。


「すみません、お父様の慎重なところが、ウィットさんに似ているなと言おうとしたんですよ。ほんとですよ。」なんとか誤魔化しておいた。


「まぁいいわ、昨日は迷惑かけて悪かったわね。さ、ギルドに向かいましょうか。鑑定の結果も出ているだろうし。」


 ギルドに着き、受付に話しかける。


「昨日の魔石の鑑定結果出ましたよ。間違いなくギガントタニシの魔石です。しかも、歴代5本の指に入るくらいの大きさです。これだけ大きい魔石となると、ギガントタニシ自体も相当の大きさだったことでしょう。それを2人で倒したとなると、ギルドもオーラムさんの狩猟手形のランクアップを考えるしかありません。しかし、オーラムさんはまだ冒険者になったばかりということで、簡単にランクを上げるわけにはいかないので、こちらから依頼するクエストを成功できれば、ネオス級への昇級を認めたいと思います。」


 ギルドの話をまとめると、簡単にランクを上げると他の冒険者からのバッシングがあるかもしれないから、ネオス級のクエストを成功させて実力を示せということらしい。


「はい、わかりました。」

「あと、これはギガントタニシを倒した報酬の1万カイザーです。それで、魔石は換金なさいますか?」

「換金してもらっていいわ。」ウィットがそう答えた。魔石は一つしか無いので、2人で報酬を分けるというのは難しいからだろう。


「換金するとなると、8万カイザーですね。ではどうぞ。」報酬を2人で折半した。


「それで、ギルドから依頼されるクエストってどんなのなんですか?」

「ゴブリンを1匹でも倒して魔石を持って帰ることです。」

「えっと、はい。わかりました。」一匹でも、という言い方が少し引っかかるが、これをこなせばネオス級に上がれるということなので、もちろん受けるだろう。


「ウィットさん、ゴブリンってそんな危険なんですか?ゴブリンって小さくて頭が悪いっていうイメージなんですけど。」

「あまり、ゴブリンを舐めてかからないほうがいいわ。小さいと言っても私くらいの大きさはあるし、何より残虐だし、武器を使う事ができるくらいには頭がいいわ。」

「それって、ウィットさんが特別小さいからゴブリンを小さく感じな「あ??表でるか?」


 怖いからやめてください。


「なんか、ギルドの言い方も気になるんですよね。一匹でもいいからって、本当は何匹でもいいよってことなんですよね?」

「それはゴブリンが強い仲間意識を持っていて、ゴブリンは敵を見つけると、大きな叫び声を上げるの。それを聞いた他のゴブリンたちは続々と声の場所に向かっていくから一匹倒してもどんどん次のゴブリンがやってきて、最終的には冒険者の魔力が尽きてゴブリンに食われてしまうわ。実際、冒険者の死因1位はゴブリンによるものじゃないかしら?」


「そんな危険なんですか?2人で大丈夫なんですか?」

「とにかく、無理をしないことね。1人でいるゴブリンに、姿が見つからないところから一撃で倒せば、仲間はやってこないわ。あと、仲間を呼ばれたら戦わずに逃げた方がいいわね。」


 ゴブリン討伐に向かう。ウィットの話では、ベルセリウから南西に行った場所にあるウォラストンの町にゴブリンがいるらしい。町とは言っても建物は廃墟であり、そこに野良ゴブリンが住み着いているという。特定のコミュニティに属さない野良ゴブリンと言っても、同種の叫び声に反応して集まってくるので、油断はできないそうだ。


「ここが、ウォラストンの町か。昔は人が住んでたいたんですよね?」

「そうよ。だけど、餌が少なくなったゴブリンたちが周りに門が無いこの町に来て人間を襲う様になって、滅んだらしいわ。とは言っても私たちが生まれる前の話らしいけど。」


「でも、ゴブリンたちはこの町を拠点にはしなかったんですよね?ここには野良ゴブリンばかりという話でしたし。」

「洞窟のなかの方が暖かいからじゃない?ここはもう廃墟で、雨風を完全に防げるわけではないから。」


 すると、遠くに一匹の寝ているゴブリンを見つけた。


・解説コーナー

 今回は全く化学の話が出てきてないので(笑)、これから出てきそうな用語をあらかじめ紹介しておきます。

 有機化合物(有機物)と無機化合物(無機物)の話でもしましょうか。大まかに説明すると、有機化合物は炭素が含まれている化合物で、無機化合物は炭素が含まれていない化合物なんですが、炭素が含まれている化合物でも、二酸化炭素やシアン化水素(青酸)なんかは無機化合物に分類されています。

よく、燃やして炭になるのは有機物で、炭にならないのは無機物と言われたりもするのですが、これは炭の主成分が炭素だからですね。だから塩:NaClをどれだけ燃やしても炭にはならないんですね。


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