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兄貴はいつも俺の味方でヒーローだった  作者: みの狸
第三章

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レギュラーメンバー    【鞍掛秀俊視点】

●鞍掛キャプテン


「夏の大会のレギュラーメンバー発表するぞー」


全員集まったのを確認して、声を張る。

緊張の一瞬だ。心して聞くんだぞぉ。


「レギュラーって言っても、10人だから全員出ることになるし、緊張感ないっすね」


芦崎、お前……


「芦崎、……投手やらせるぞ?俺の代わりに」

「え?!いや、それはないから!……あ、凄い緊張してきた!」


雉も鳴かずば打たれまい。身に染みろよ。芦崎。

俺は、ちょっと本気だったからな。


氏名  学年 背番号 守備位置

静真 (2年) 1 ピッチャー

久慈 (2年) 2 キャッチャー

大地 (1年) 3 ファースト

和泉 (3年) 4 セカンド

佃  (3年) 5 サード

芦崎 (1年) 6 ショート

古二田(2年) 7 レフト

鞍掛 (3年) 8 センター

桧山 (2年) 9 ライト

乃生 (1年) 10 控え



「試合によってポジションは変わるけど、まあ、基本はこんな感じで。乃生は控えになってるけど、ローテで出場することになるから、守備はどこも守れるくらいの心づもりでいてくれ」

「は、はい!」


乃生が緊張した面持ちで頷く。

ギリギリの人数なので、全員出場機会を作るつもりだ。

よほどくじ運が悪くないかぎり、今年は1回戦負けにはならないだろう。なにせ不動兄弟がそろったからな。


「これから、背番号を渡していくから」


マネージャーが一人一人に背番号を渡していく。背番号が決まると、大会がはじまったって感じるな。


「ワシは3番か」


大地が不満そうだ。1番がよかったのか?


「慣習でファーストは3番になってるけど、規定で決まってるわけじゃないからな。希望の番号があるなら変更も可能だぞ」


静真はあまり背番号にこだわりなさそうだから1番を譲るだろうけど。兄貴というのは難儀なもんだな。


「ほいじゃあ、10番がええの。兄ちゃんが1番なら、ワシは10番じゃ」


そう来たか。


「背番号で、静真兄ちゃんとお揃い感だそうとしてるのか……」


辰海が呆れたように遠い目で大地を見つめている。静真がちょっと恥ずかしそうだ。兄貴というのは難儀なもんだな。

……大地、背番号ってそういうものじゃないけど。まあ、いいか。


「じゃあ、乃生と交換で。いいか?乃生」

「はい、かまいません」


乃生が笑いをこらえながら、背番号を大地と交換する。


「他に希望の背番号があるかー?守備は確定してないから好きにしていいぞー」


大地と背番号を交換した乃生が、背番号をじっと見つめている。


「どうかしたか?乃生。不満があるなら」

「あ、いえ、そのぉ、……重いなと思って。一桁の背番号なんて初めてなもので。オレが3番を付けていいのかなぁなんて」


乃生は小学生の時から野球をしてきたけど、レギュラーになれたことはなかったと言っていたな。一桁の背番号に重みを感じているのだろう。


「なら、俺と換えるか?オレが3番をつけて、乃生は8番。まあ、どっちも一桁だからたいして変わらないけどな」

「……8番。はい、お願いします。気が楽になるような気がするので」


3から8。たいして違いがあるようには思えないが、こういうのは気分だからな。

大会中、背負うことになる背番号。重みがあるよなぁ。わかるよ。


「他に背番号を換えたい者はいないな?じゃあ、これで決定!」



氏名  学年 背番号 守備位置

静真 (2年) 1 ピッチャー

久慈 (2年) 2 キャッチャー

大地 (1年) 10 ファースト

和泉 (3年) 4 セカンド

佃  (3年) 5 サード

芦崎 (1年) 6 ショート

古二田(2年) 7 レフト

鞍掛 (3年) 3 センター

桧山 (2年) 9 ライト

乃生 (1年) 8 控え



全員の顔を見渡すと、その目は期待と緊張に満ちている。

若干一名、緊張とは無縁の者がいるけど、まあいい。


「この背番号を背負って、夏の大会に挑むことになる。今年の夏は一度きりだ。悔いのないよう全力で、試合に臨もう」

「「「「おう!」」」」


去年とは違う。静真に負担をかけさせない程度にまでは、みんな実力をつけた。……はず。

一試合一試合、できうる限りのことをやろう。


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